毎年ペットフード協会が発表しているペットの飼育頭数調査「2020年(令和2年)全国犬猫飼育実態調査 結果」が発表されたので、ご紹介します。
目次
2020年犬猫飼育頭数
2020年12月に発表された報告書によると最新のペット飼育頭数は【犬:848万9千頭】【猫:964万4千頭】である事が分かりました。
※犬・猫 推計飼育頭数全国合計は、1,813万3千頭
※調査対象年齢:20-79歳、2016年-2020年の集計
犬の飼育頭数推移
- 2016年 935,6万頭
- 2017年 892万頭
- 2018年 890,3万頭
- 2019年 879,7万頭
- 2020年 848,9万頭
猫の飼育頭数推移
- 2016年 930,9万頭
- 2017年 952,6万頭
- 2018年 964,9万頭
- 2019年 977,8万頭
- 2020年 964,4万頭
ペットの飼育数は、昨年と比較して猫の飼育頭数、犬の飼育頭数のどちらも減少しました。
犬の飼育頭数の方が減少幅が大きく、ここ数年飼育数が増えていた猫の飼育数は微減し、今回の調査でも、猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回っております。
直近の新規飼育頭数
犬や猫を1年以内に迎え入れたいわゆる新規飼育者の数は、2018年より増加しております。
犬の新規飼育頭数推移
- 2016年 447万頭
- 2017年 380万頭
- 2018年 383万頭
- 2019年 404万頭
- 2020年 462万頭
猫の新規飼育頭数推移
- 2016年 452万頭
- 2017年 468万頭
- 2018年 390万頭
- 2019年 416万頭
- 2020年 483万頭
新型コロナウィルス禍の影響で、ペットとの生活を始める方や癒しを求めている方が多くなり、ペットを飼い始める傾向にあるのではないでしょうか。
ペットを飼育する理由
ペットの飼育を開始した理由として、下記があげられた。
犬の飼育を開始した理由
- 生活に癒し・安らぎが欲しかったから
- 過去に飼育経験があり、また飼いたくなったから
- 周りの人が飼っているのを見て羨ましいと思ったから
猫の飼育を開始した理由
- 生活に癒し・安らぎが欲しかったから
- 過去に飼育経験があり、また飼いたくなったから
- 周りの人が飼っているのを見て羨ましいと思ったから
ペットを飼育できない理由
非飼育者がペットの飼育ができない理由として、主に下記の理由がある。
犬を飼育しようとする方
- 集合住宅に住んでいて禁止されている
- 旅行など長期の外出がしづらくなる
- 別れがつらい
- 十分に世話ができない
- お金がかかる
猫を飼育しようとする方
- 集合住宅に住んでいて禁止されている
- 旅行など長期の外出がしづらくなる
- 十分に世話ができない
- 別れがつらい
- 死ぬとかわいそう
犬と猫の平均寿命
2020年の犬・猫平均寿命は、犬と猫ともに増加傾向にあります。これは外に出さない室内飼いが増加した事も影響していると考えられておりますが、ペットの家族化に伴い飼育者の健康意識は年々増加しているのでは無いでしょうか。
犬の平均寿命
- 2016年 14.39歳
- 2017年 14.19歳
- 2018年 14.29歳
- 2019年 14.44歳
- 2020年 14.48歳
猫の平均寿命
- 2016年 15.09歳
- 2017年 15.33歳
- 2018年 15.32歳
- 2019年 15.03歳
- 2020年 15.45歳
また「家の外に出ない」猫の平均寿命は16.13歳、「家の外に出 る」猫の平均寿命は13.57歳であった。
2020年犬猫人気ランキング
犬と猫といっても様々な種類がおり、大型犬と小型犬では、飼い方も違ってくる。2020年に人気の犬種、猫種を見ていきましょう。
犬種飼育ランキング
1位トイプードル
2位チワワ
3位柴犬
猫種飼育ランキング
1位アメリカンショートヘア
2位スコティッシュフォールド
3位ペルシャ
コロナウイルスのペットへの影響
ペットの飼育者にとって、コロナ禍での共同生活はおおむねポジティブにとらえられているようです。
癒しを与えてくれるなど精神面で良い影響を受けているようですが、一方で生活環境の変化が大きい若年層での飼育者および犬猫の中にはストレスを感じているケースも存在するようです。
ペットと生活をスタートしたのであれば必ず責任を持って飼育をしていただきたいですし、それが出来ない方は、そもそもペットを飼育してはいけないのではないでしょうか。
ペットフード協会が公開したコロナによる影響/変化:各仮説について
仮説1)コロナにより動物の飼育率が増えている/飼育意向が高まっているか?
全体では、19年から20年で、犬・猫ともに、飼育率は増えておらず、飼育意向率も高まっていない状況。
しかし、新規飼育者の割合は19年から微増、新規飼育者の飼育頭数は19年から増加(増加率も、他の年に比べて大きい)。
※ 1年前(1年以内含む)飼育開始者を新規飼育者と定義
仮説2)コロナにより家にいる時間や買い物の頻度/方法が変わり、フードの種類が変化しているのではないか?
食事頻度の変化は、大半が変わらないが、ウェットタイプや半生タイプの頻度増が一定存在する。
フードタイプは、犬は市販ウェットタイプや市販半生タイプ、猫は市販おやつ用のペットフードの割合が19年より増加。
仮説3)コロナにより家族が家にいる時間が増え、フードをあげる人が変化しているのではないか?
家にいる時間が増えた人は全体の45%。しかし、フードをあげる人に変化は見られなかった。
仮説4)コロナによりペット用品購入ルートが変化(ネット増など)しているのではないか?
「インターネット通販」での購入率は19年から変わらず。店舗での購入率も変わらずで、買い方は大きくは変わらなかった。
仮説5)コロナによりペット環境が変化しているか?
ペットへの影響を感じている人は、全体の23%。ペットへの影響も、ポジティブな影響が上位を占め、ストレスなどのネガティブな影響は低い。し
かし、若い人ほどネガティブな影響が高くなっている。
コロナ後にペットと過ごす時間が増えた、ペットの癒しを感じている割合は若い人ほど高くなる傾向にあり、若い人ほどコロナによる変化を感じて
いる様子。良い変化、影響が上位にあがるが、若い人ほどネガティブな面が高くあがっている(=コロナによるネガティブな影響もあり)。
コロナに感染した場合は、7割近くが不安を感じており、若い人ほど不安を感じている割合が高くなる。
ペットに対する情報として調べたものでは、コロナの感染についてが上位にあがる。今後知りたいものでは、コロナの感染についての他、感染予
防や感染時の対応があがる。ペットフードに関しては低い。
仮説6)コロナが理由で非飼育者の飼育意向があがっているか?
19年から20年で、非飼育者の今後飼育意向はあがらず。
現在飼育なし&今後飼育意向ありの人の「飼育したいと思ったきっかけ」では、コロナが影響していそうな点で動きはみられなかった。
仮説7)コロナが理由で非飼育理由が変化しているのではないか?
非飼育理由は、19年から変わらず。
「ペットを販売または譲渡する場所に行く機会がなかったから」「欲しいペットが見つからなかったから」といった、コロナによる機会ロスはあまり大
きくはなかった。
非飼育理由では、「(ペットの)価格が高いから」よりも「世話をするのにお金がかかるから」の方が高く、初期投資費用よりもランニングコス
トの方が阻害要因としては大きい。
仮説8)コロナによって予防接種や不妊・去勢手術、病院に行く回数が減っているのではないか?
予防接種や不妊・去勢手術を実施した率は、19年から変わらず。動物病院へ行った回数も変化はなし。
1ヶ月当たり支出総額
ペットを飼育するには、ある程度お金が掛かります。犬と猫の毎月の支出はどの程度なのでしょうか。
犬猫それぞれの支出総額は以下の通りです(医療費等含む) 。
犬の飼育費用
<2019年>
月間費用 ¥11,562
年間費用 ¥138,744
<2020年>
月間費用 ¥12,020
年間費用 ¥144,240
猫の飼育費用
<2019年>
月間費用 ¥7,485
年間費用 ¥89,820
<2020年>
月間費用 ¥7,252
年間費用 ¥87,024
犬の飼育費用は微増、猫の飼育費用は微減しておりますが、ほぼ横ばいで推移しております。
2021年の傾向と予想
過去の傾向からみて、2021年も犬や猫の飼育頭数は減少していき、コロナウイルスの影響も暫く続くのではないでしょうか。
また、家族化に伴い医療やフードへの感心が高まり、1頭当たりの支出額は増加していくと予想されます。
来年の見通しをネガティブに捉える方もいるかもしれませんが、コロナウイルスのワクチン接種が広がることで、収束へと向かいうのではないでしょうか。
暗いニュースが多かったですが、ペットよ癒し効果で沢山の笑顔が溢れる社会になれば幸いです。
■関連サイト
一般社団法人ペットフード協会:https://petfood.or.jp/index.html
執筆:equall編集部