世界各国の犬猫飼育頭数を調査!日本のランキングは何位?海外調査

世界中で愛されているペットたち。ペットは私たちの生活に喜びと癒しをもたらしてくれますが、実際にどれくらいの数のペットが飼育されているのでしょうか?今回は世界のペット飼育数について解説します。

犬猫飼育の世界トレンド

世界各国の文化や経済状況によって、ペットとして飼育される動物の種類や数には大きな差があります。
例えば、犬や猫は世界中で人気のペットですが、国によっては鳥類、小動物、さらには爬虫類などが好まれることもあります。

世界で最も多く飼育されているペットは猫と犬であり、総数は数億頭にのぼります。
特にアメリカ、ヨーロッパなどの先進国では、家族の一員として犬や猫の飼育しています。

飼育数は増加している

ペット飼育数は、年々増加しています。
そして増加にはいくつかの背景があります。

  • 世界の人口増加に比例して、ペットの数も増えている
  • 世界中で経済が発展しており、生活に余裕ができる
  • ペットの寿命が伸びたことで共生する期間が長くなっている など

日本をはじめとした高齢化する国においては、高齢者の世帯が増え、孤独感を解消するためにペットを飼う人おり、ペットが精神的なサポートに繋がることが広く認知されてきたことも、飼育数の増加に寄与しているといえます。

日本のペット飼育数はこちらの記事をご覧ください

国別のペット飼育数

世界のペット頭数は、各国リアルタイムで公表されている訳ではなく、調査機関や年度によっても多少異なりますが、公表されているデータによると以下の通りです。

世界の犬飼育頭数

順位 飼育頭数
1位 アメリカ 6990万頭
2位 ブラジル 3580万頭
3位 中国 2740万頭
4位 ロシア 1250万頭
5位 フィリピン 1160万頭
6位 インド 1020万頭
7位 アルゼンチン 920万頭
8位 イギリス 900万頭
9位 日本 892万頭
10位 フランス 757万頭
11位 南アフリカ 740万頭
12位 ポーランド 731万頭
13位 イタリア 700万頭
14位 ドイツ 530万頭
15位 エチオピア 500万頭
16位 スペイン 472万頭
17位 ルーマニア 416万頭
18位 オーストラリア 370万頭
19位 チェコ 315万頭
20位 ハンガリー 285万頭

出所:A Guide to Worldwide Pet Ownership

世界の猫飼育頭数

順位 飼育頭数
1位 アメリカ 7405万頭
2位 中国 5310万頭
3位 ロシア 1780万頭
4位 ブラジル 1246万頭
5位 フランス 1148万頭
6位 日本 952万頭
7位 ドイツ 820万頭
8位 イギリス 800万頭
9位 イタリア 740万頭
10位 ウクライナ 735万頭
11位 ポーランド 550万頭
12位 ルーマニア 389万頭
13位 スペイン 338万頭
14位 アルゼンチン 300万頭
15位 オランダ 287万頭
16位 ハンガリー 224万頭
17位 オーストラリア 220万頭
18位 韓国 200万頭
19位 ベルギー 188万頭
20位 チェコ 175万頭

出所:A Guide to Worldwide Pet Ownership

欧州(ヨーロッパ)の犬猫飼育頭数

国名
オーストリア 76万頭 204万頭
ベルギー 202万頭 253万頭
ブルガリア 75万頭 81万頭
チェコ共和国 221万頭 136万頭
デンマーク 61万頭 67万頭
エストニア 23万頭 29万頭
フィンランド 78万頭 98万頭
フランス 760万頭 1490万頭
ドイツ 1060万頭 1520万頭
ギリシャ 65万頭 60万頭
ハンガリー 217万頭 238万頭
アイルランド 49万頭 35万頭
イタリア 875万頭 1022万頭
ラトビア 27万頭 41万頭
リトアニア 55万頭 60万頭
オランダ 150万頭 190万頭
ノルウェー 49万頭 78万頭
ポーランド 802万頭 712万頭
ポルトガル 260万頭 179万頭
ルーマニア 419万頭 437万頭
ロシア 1755万頭 2315万頭
スロバキア 91万頭 54万頭
スロベニア 29万頭 45万頭
スペイン 931万頭 586万頭
スウェーデン 104万頭 170万頭
スイス 55万頭 179万頭
トルコ 138万頭 466万頭
ウクライナ 498万頭 763万頭
イギリス 1300万頭 1200万頭

出所:欧州ペットフード産業連盟(FEDIAF)

世界の犬猫飼育率

アルゼンチン 66% 32%
メキシコ 64% 24%
ブラジル 58% 28%
アメリカ 50% 39%
ポーランド 45% 32%
オーストラリア 39% 29%
イタリア 39% 34%
チェコ共和国 38% 26%
スペイン 37% 23%
カナダ 33% 35%
ベルギー 29% 33%
フランス 29% 41%
ロシア 29% 57%
イギリス 27% 27%
オランダ 25% 26%
中国 25% 10%
スウェーデン 22% 28%
ドイツ 21% 29%
韓国 20% 6%
日本 17% 14%
香港 14% 10%
トルコ 12% 15%

出所:2015年調査 GfK

上記のデータからみても、犬と猫が多くの方に愛されており、北米、欧州だけではなく南米の国でも高い飼育率となっています。

また、人口を公表している国連のような世界的機関がなく、調査する機関によって、頭数に差があります。

日本でも、ペットを飼う文化が根付いており、近年では特に猫の人気が高まっています。猫は飼育が比較的容易であり、マンションが多い都心部の方からも愛されています。

海外の市場ペット市場規模

米国ペット市場

米国のペット飼育世帯数は、8960万世帯であり、全体の2/3にあたる66%です。
日本に比べ多くの方がペットを飼育しています。
ペット関連への支出の総額は1368億ドル(約18兆円)と発表しており、前年比10.8%の成長している。

アメリカのペット飼育世帯数

  • 2021年 9050万世帯 70%
    2022年 8960万世帯 66%

※参照元:世界ペット博覧会 米ペット用品協会(APPA)が約1万人の回答者から得た報告書

韓国ペット市場

犬、猫を中心としたペット市場・産業が急成長!

注目度合いは、ペット飼育数の増加からも確認できる。KB金融持株経営研究所によると(注1)、韓国では2020年末時点で、604万世帯(全世帯の29.7%)1,448万人がペットを飼っている。2017年末の502万世帯からわずか3年で20%以上増加している。2020年末時点で飼育しているペットを種類別でみると、犬が80.7%、猫が25.7%の順で、観賞魚、ハムスター、鳥、ウサギが続いた(図1参照)。

図1:ペットの種類別飼育率

注:1,000世帯へのアンケート調査結果。複数回答。
出所:KB金融持株経営研究所、「2021韓国伴侶動物報告書」

ペット飼育にかかる支出項目をみると、飼料代(33.4%)、間食代(17.8%)、日用品の購入(11.1%)、美容・カット代(10.0%)、衛生サービスの利用(5.8%)、玩具の購入(5.6%)、ファッション・雑貨購入(4.1%)、ペット関連コンテンツ購入(2.9%)、ペット保険料(2.4%)の順になっている。飼料、間食など、ペットフード関連の支出が最も多いことが把握できる。

ついで、ペット市場・産業全体の規模を確認してみよう。韓国農村経済研究院の報告書(注2)によると、2015年に1兆8,994億ウォン(約1,936億円、1ウォン=0.102円)だったペット関連産業の市場規模は、2027年には6兆55億ウォンと、6兆ウォンを超える市場に成長すると予測している(図2参照)。さらに、同研究院では、2032年に市場規模が7兆ウォンに達した後、徐々に市場の飽和点(7兆6,000億ウォン)に近づくとみている。これを踏まえると、韓国のペット市場・産業は今後10年以上、安定的な成長が見込まれる分野といえよう。

図2:ペット関連産業市場規模の展望

出所:韓国農村経済研究院、「伴侶動物連関産業発展方案研究」

ペットフードのプレミアム化など、新トレンドが
韓国のペット飼育数増加は、単身世帯の増加や高齢化といった人口構造の変化、ペットを家族と思う文化の普及や所得水準の向上などが要因と言えるが、時々によってその要因は変化している。例えば、2014年に「動物登録制度(注3)」が義務化された際、ペット保険が流行したことや、最近のIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)技術を活用したペットケアサービスの普及がそれである。韓国における最近のペット市場・産業の傾向を以下のとおり紹介する。

(1)ペットフードのプレミアム化
韓国では「ペットヒューマニゼーション」という言葉がよく使われている。ペットの人間化(Humanization)を意味し、前述のとおりペットを家族、友達などと同格にみる社会・文化的な現状を意味する。「ペットヒューマニゼーション」により、既存の飼料の概念が変化し、人間も食べられる材料で作るペットフードに進化しつつある。従来はドライペットフードが主流であったが、最近は、生鮮材料を生で与える「生食」、火を通したものを与える「火食」など、ペットフードのヒューマングレード(Human Grade)化・プレミアム化が進んでいる。韓国の食品大手企業もこの動きに着目し、次々と関連製品を出している。

(2)ペットテックの進展
ペットとテクノロジーを掛け合わせたペットテック(Pet-Tech)は、ペット関連製品・サービスにIoT、AI、ビッグデータなどの先端技術を活用し、ペットケアを行うことを意味する。初期段階のペットテックは、独りで時間を過ごすペットを観察するなどの単純なサービス・製品だった。しかし、最近はビッグデータの分析を活用し、ペットの気持ちまで認知できるものが登場している。ペットフードのプレミアム化を大手企業がリードしているのに比べ、ペットテックはスタートアップ企業がメインプレーヤーだ。韓国における最新のペットテック企業・サービスは下記のとおり。

Petpuls Lab:犬の音声と活動データを分析し、安定・不安・怒り・悲しみ・幸福の5つの感情を認識し、人と疎通できる機器・サービスを「PETPULS」提供。CES2021(注)で革新賞受賞。

FITPET:2018年にペットの簡易健康検査キット「AHEAD」、鼻紋によるペットの身分確認サービス「DETECT」をローンチ。ペットの健康管理に関するソリューションを提供し、ペットヘルスケア市場の革新をリード。

INNOGRID:クラウド、AIを活用し、獣医映像データ(レントゲン、CT、MRIなど)によるペットの病気を判読するサービス「TINKER PET」を提供。

ALPHADO:ペットのヘルスケアプラットフォーム「ALPHADOPET」を通じ、ペットの情報を管理し、ペットのイメージを利用し、目、歯、小便の状況をどこでも検査できるAIヘルスケアソリューションを提供。

日本のペットフードも人気。理美容道具、ペット玩具などでビジネスチャンスも
韓国のペット市場・産業の成長は、関連製品の輸入からも確認できる。2012年に1億1,269万ドルだったペットフードフード(HS230910)の輸入は、2021年には3億848万ドルと約2.7倍に成長した(図3参照)。この10年間で、年平均11.8%の伸び率を記録したわけだ。ペット用品(HS4201)の輸入も着実に伸びており、2012年に817万ドルの輸入金額が2021年には3,523万ドルと約4.3倍となった(図4参照)(注4)。このように、ペットフード・用品の輸入は拡大基調が続いている。

図3:韓国のペットフード(HS230910)の輸入額の推移

出所:韓国貿易協会、貿易統計

図4:韓国のペット用品(HS4201)の輸入額の推移

出所:韓国貿易協会、貿易統計

次いで、ペットフード・用品の日本からの輸入の推移をみてみよう(表2参照)。ペットフードの対日輸入額は、2012年の249万ドルから2021年には2,097万ドルと、約8.4倍に伸びており、対世界輸入と同様、ほぼ右肩上がりで増加している。一方、ペット用品は伸び悩んでいる。

表2:ペットフード・ペット用品の対日本輸入額の推移

出所:韓国貿易協会、貿易統計

2021年の韓国のペットフード輸入額の国別順位をみると、日本は、中国、米国、タイ、カナダに次ぐ5番目に位置している。日本の順位は、2012年に6番目、2013年に8番目、2014年に9番目だったことから、最近の日本産ペットフードの人気上昇がうかがえよう。また、日本産ペットフードは、高付加価値製品が中心なことも特徴と言える。2021年のペットフード輸入先上位5カ国の1トン当たりの輸入単価をみると、米国3,443ドル、中国6,619ドル、タイ4,079ドル、カナダ4,092ドル、日本1万2,363ドルと、日本産ペットフードの輸入単価が圧倒的に高いことが分かる。

他方、伸び悩む日本産ペット用品の輸入は、日本製品に対する関連情報の不足、国内ペット用品市場の未成熟など、様々な要因によるものと分析できよう。しかし、複数の韓国国内ペット産業関係者は「ペット理美容用のハサミ、機能性ペット玩具など、高価格・高品質の日本製品への高いニーズはあるものの、正規輸入されているものは多くなく、越境EC(電子商取引)などで調達するケースが多い」とし、今後の日本産ペット用品の韓国市場の参入可能性を高く評価している。

「ペットヒューマニゼーション」により、自分の家族・子供・友達のようにペットを扱う傾向が続くと予想される韓国。日本産ペットフードのさらなる韓国進出やペット用品の躍進もありえよう。そのために、ジェトロが推進しているJAPAN STREET、JETRO MALL事業などを通じた韓国市場参入を検討するのも1つの方法だろう。

 

参照元:JETRO「ペット市場・産業の成長、日本企業のビジネスチャンスはどこに?(韓国)」

まとめ

世界のペット飼育数は、文化や生活様式によって飼育率は異なり、人口増加などの要因により頭数は増加傾向にあります。
そしてペットは単なる動物ではなく、家族の一員として多くの人々に愛されており、これからもペットと人間との絆は、私たちの生活に欠かせないものであり続けるでしょう。

執筆:equall編集部

 

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