ノースサファリサッポロ無許可建築問題を解説

雄大な自然のなかで、150種類を超える動物と触れ合える体験型動物園「ノースサファリサッポロ」。
ユニークで魅力あふれるレジャースポットとして人気でしたが、実は20年にわたって市街化調整区域に無許可の建物を増築し続けてきたという重大な問題が浮上しています。
本記事では、「日本一危険な動物園」とも呼ばれる同園に関する違法建築物156棟の存在と、事実上の閉園命令となりうる行政の除却命令、さらに運営会社が提出した全撤去計画など、最新の動向を解説します。

ノースサファリサッポロとは

ノースサファリサッポロは、北海道札幌市南区に位置する動物園兼レジャー施設です。
2005年7月にオープンし、運営は有限会社サクセス観光が行っています。園内では150種類以上の動物を飼育しており、エサやり体験や触れ合いなど、来園者が動物を身近に感じられる体験型のアトラクションが特徴です。

筆者が2023年に当園を訪れた時は、多くの観光客で賑わっていました。無許可で運営をしているとは誰も思っていなかったでしょう。

無許可建築問題

ノースサファリサッポロは市街化調整区域内にあり、通常であれば開発の許可が必要なエリアに建設されています。
しかし、施設開設当初から所定の許可を取得しないまま営業を行ってきたことが指摘されており、この問題が大きく報じられています。

違法建築物の存在

ノースサファリサッポロでは、飼育小屋など156棟もの建物が無許可で建設されていたことが確認されています。
これらは開発が制限される市街化調整区域内で20年にわたって増築されてきました。

札幌市の対応

札幌市は何度も建物の撤去や適正な手続きの履行を指導してきましたが、運営会社である有限会社サクセス観光は長らく応じてこなかったとされています。
こうした状況を受け、札幌市側は事実上の閉園命令となる「除却命令」を検討するに至りました。

撤去計画の提出

2025年2月18日、運営会社サクセス観光は札幌市に「撤去計画」を提出しました。これに関し、札幌市は同日記者会見を開き、以下のようなポイントを発表しました。

  • 行政の指導に従ったのは今回が初めて
  • 156棟すべてを撤去する計画が提出された
  • 動物達に配慮し、1~2カ月ですぐに撤去という形にはならない

今後の対応に関しては、計画の内容を詳しく確認した上で、方針を決定するとしています。

まとめ

長年にわたって違法状態を継続してきたノースサファリサッポロは。今後、156棟におよぶ建物の全撤去を実施する中で、150種類以上の動物たちへの十分な配慮や、適切な移動・保護をいかに確保していくかが大きな課題となるでしょう。

札幌市と運営会社が連携し、安全面や動物福祉に留意した計画を協議・実行することで、同様の問題が再び起こらないよう、社会全体でも監視と改善に取り組んでいくことが求められています。

執筆:equall編集部

 

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