スヌーピーのモデルにもなった世界的な人気者のビーグル。陽気で活発、社交的な性格は誰とでも仲良くでき、レジャーやお出かけも大好きです。お手入れも簡単で、ペットライフ初心者にも飼いやすいと高評価なビーグルの魅力に注目してみましょう。
ビーグルとは

ビーグルは今や日本でも定番の犬種といえるほどにメジャーな犬種です。以前は屋外で番犬として暮らすことも多かったものの、現在では室内で家族と一緒に暮らし、小さな子供の遊び相手としても人気です。
明るく陽気な性格で、家族にいつも笑顔を届けてくれるビーグルですが、時には大食漢な性格が強く出たり、無駄吠えやいたずらが目に余ることもあります。
元来のビーグルは十数頭で連れだって野山にウサギ狩りに出かける狩猟犬です。賑やかに吠えたてながら野山を走り周ることで、獲物を驚かせ追い立てます。
この時、1km先でも聞こえるといわれるほどに大きな声で鳴くことから「森のトランペット」と例えられるほどです。ビーグルの声質は大変響きやすく、声量があるのでマンションで暮らす場合は十分なしつけが必要です。
性格は
- 明るく、陽気、ハイテンション
- 従順
- 知能が高い
- 遊び好き
- 好奇心旺盛
- 諦めない、粘り強い
実はビーグルの性格を表す言葉にネガティブな表現が並ばないこともこの犬種ならではの特徴です。
ただあまりに明るく陽気な性格から、家族に叱られても気に留めず、何度も同じいたずらを繰り返してしまい、家族は叱っても効果がない、しつけが難しいと感じることもあります。
狩猟犬ならではの体質を色濃く受け継いでいることから、体が丈夫で食事選びに手間がかかることもありません。
ただ相当量な運動が必要なこと、大食漢な性格から肥満になりやすいので注意が必要です。
サイズ・毛色・体重など

JKCの定めるビーグルのサイズ基準は
理想体高 最低:33cm 最大:40cm
と定められています。ビーグルはヨーロッパでは大変ポピュラーな犬種で、サイズ違いの別犬種が相当数登録されています。日本で飼育されているビーグルは、13インチといわれる小柄なサイズが主流です。
体重は10㎏前後が目安ですが、運動不足と大食漢な性格から肥満になることが多く、ペットの場合15㎏を超えることも珍しくありません。
毛色は
白黒茶からなるハウンドカラーです。この他にも「レモン」と呼ばれる黄色味がかった毛色も少数ながら飼育されています。
尾先に白い毛色があることもハウンドカラー、ビーグルの特徴ですが、中にはごくわずかしか白色が無い場合や全く白色が無いタイプも誕生します。これは体質的な欠点ではなく、ドッグショーの採点時減点対象となる箇所です。
ただし「レバー」と呼ばれる毛色は日本でもごく少数ですが繁殖、販売されることがありますがJKCではビーグルの正式な毛色として認定はされていません。
被毛は
短毛のみで長毛種は誕生しません。
体臭は
ビーグルは皮脂分泌が盛んで独特な体臭があります。これは狩猟の場では仲間の位置や通過点をお互いが確認できるというメリットがありますが、ペットとして室内で暮らすには若干不快に感じることもあります。
この体臭はシャンプーの頻度を上げたり、洗浄力の高い製品を使用しても完全に消えさえることはありません。
子犬のころの体臭は成長とともに弱くなり、成犬の体臭とは異なります。
抜け毛は
ビーグルは短毛種ではあるものの、抜け毛は多く定期的なブラッシングやシャンプーも欠かせません、
ビーグルの歴史

ビーグルの歴史は大変長く古代ギリシアでウサギ狩りに用いられていた犬の末裔という説があります。ヨーロッパにはビーグルと大変よく似た犬種が数多く登録されていて、一見では違いが判らないほどです。
ビーグルは長い歴史の中で、狩猟の目的に応じた計画的な繁殖がされ、大型犬サイズからポケットサイズまで存在した記録があります。日本で目にする13インチサイズと呼ばれる柴犬相当のサイズは野山でウサギを追い立て、狭い岩場まで追い込む狩猟での活躍が期待され誕生しました。
日本では90年代のペットブームよりさらに早く、昭和40年代にはすでにビーグルは一般的な家庭犬として相当数が飼育されていました。当時は屋外で暮らせる丈夫な体とお手入れが不要な点が日本犬と大差なかったことから、お洒落な洋犬として注目を集めました。
しかし日本犬に比べ声が甲高く、吠える回数が多いこと、社交的な性格から番犬に不向きだったことから一時期人気が低迷し、飼育頭数も減少します。
その後、現在に至るまで屋外生活から屋内生活へと変化し、しつけをすること一定の人気を維持し続けています。
ビーグルの飼育頭数

JKCの統計によるビーグルの飼育頭数は
年度 | 飼育頭数 | ランキング |
2021 | 2,862 | 23 位 |
2020 | 2,657 | 22 位 |
2019 | 2,506 | 24位 |
2018 | 2,630 | 22位 |
2017 | 2,796 | 20位 |
2016 | 2,884 | 20位 |
JKC統計によると2000年のビーグルの飼育頭数は15,118でした。その後減少傾向が続く理由は、マンションや室内での飼育が主流になったこと、共働き世帯が増加したことで、運動が相当量必要で、吠えた時の声が響きやすい犬種として小型犬人気に押され敬遠されてしまっているからでしょう。
ただビーグルならではの底抜けに明るい性格やパワフルで運動神経抜群な点がアウトドアやスポーツなどペットとアクティブに暮らしたいという方から大いに注目を浴びています。
ビーグルとの暮らしは単なるペットとしてではなく、レジャーを一緒に楽しむパートナーと考えてみるとお互いが充実した時間を過ごせるでしょう。
ビーグルの年間飼育費用

実際にビーグルと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
一か月(単位:円) | 一年 (単位: 円) | |
ドッグフード | 4,000 | 48,000 |
トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
トリミング | 4,000 | 48,000 |
ペットホテル | 30,000 | |
ペット用品 | 2,000 | 24,000 |
医療費 | 30,000 | |
合計 | 11,000 | 192,000 |
※医療費(混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
※算出方法は、コチラをご覧ください。
ビーグルは、相当な大食漢ですがドッグフードの一か月の消費目安は4~5kgほどです。食欲のままに与えてしまと肥満に陥るので注意しましょう。
また好き嫌いもまるでありませんが、安価なドッグフードを与えることで、アレルギーや皮膚トラブルにつながる可能性があるので、良質で栄養バランスの整ったドッグフードを与えましょう。
シャンプーは自宅でも簡単に済ませることができますが、爪切りや耳掃除、肛門腺絞りなどのお手入れが自宅で難しい場合は、トリミンショップを利用すると2時間ほどですべてのお手入れが完了できます。

ビーグルのケア

ビーグルとの暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
〇歯磨き、デンタルケア
歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。
健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
【2、3日に一度】
〇ブラッシング
〇耳掃除
短毛種ですが、抜け毛は多いのでこまめなブラッシングが欠かせません。ブラッシングにはラバーブラシ(ゴム製のブラシ)や獣毛ブラシがおすすめです。
垂れた耳は通気性が悪く、内部で雑菌の繁殖が進みがちです。数日おきの拭き掃除で、耳内部を清潔に保ちましょう。
臭いや汚れは外耳炎のサインです。症状がある場合は早めに動物病院の受診を。
【月に一度】
〇爪切り
〇肛門腺しぼり
〇シャンプー
シャンプーは月に1度が目安です。シャンプー後は全身の水分をしっかりと取り除いてあげましょう。
ビーグルのまとめ
底抜けに明るい性格と時々見せる上目遣いに一瞬で誰もが虜になってしまうビーグル。家族にいつもたくさんの笑顔をもたらしてくれる存在になること間違いなしです。初めて犬を飼う方はしつけに戸惑うこともありますが、困りごとや不安があるときは迷わずドッグトレーナーに相談をしましょう。
執筆 :ライター 大谷
