ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴や性格は?飼い方・歴史・飼育費用・ケア方法を解説

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとは

まるでキツネのような大きな耳と笑顔たっぷりな明るい表情、胴長短足な体形ながらも運動神経は抜群と何ともインパクトの強い犬種がウェルシュ・コーギー・ペンブロークです。長年にわたりイギリス王室で寵愛を受け暮らす犬として世界中で知られてもいます。愛嬌たっぷりで、パワフルなウェルシュ・コーギー・ペンブロークの魅力に注目してみましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、イギリス原産で、牧羊や牧畜で活躍していた犬種です。

独特な体形は、牧場内で牛を追いかけ走り回るのに適していて、牛の足の隙間を俊敏に駆け回るために作られたといわれています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの重量感のある胴回りは牛に蹴られても怪我を負うことが無く、高い知能や好奇心旺盛な性格、強い仲間意識とすべてがその役割につながっています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの知能レベルは同じ牧羊犬であり、犬の中で最も賢いといわれるボーダーコリーに並ぶほどです。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは

  • 賢い
  • 好奇心旺盛
  • 社交的
  • 仲間意識が強い
  • 他犬と上手に遊ぶことができる

と素晴らしい面もたくさんありますが、反面、我が強くしつけが難しい、自己主張が激しい、拒絶する時の態度が攻撃的と困った面もあります。犬を初めて飼う方はしつけに戸惑うことが多いので、生後3カ月を目途にドッグトレーナーの指導を受け始めましょう。

コーギーには2つのタイプがいます。ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは優しく温厚で仲間意識が強く、もう一種のウェルシュ・コーギー・カーディガンは、ペンブローグに比べ体つきが一回り大きく

性格もより野性味が強く残っています。日本で飼われているコーギーの大半はウェルシュ・コーギー・ペンブロークで、イギリス王室で暮らすロイヤルドッグもウェルシュ・コーギー・ペンブロークです。

サイズ・毛色・体重など

JKCの定めるコーギーのサイズ基準は

  • 体高 約25-30cm
  • 体重 牡:10-12kg 牝:9-11kg

日本では多くの犬種の小型化が目立ち、オスメス共に10㎏未満のウェルシュ・コーギー・ペンブロークも増えています。

毛色はレッドかセーブル、フォーン、ブラック・アンド・タンの単色で、脚、前胸、頸の白斑はあってもなくてもよく、頭部や前顔部に白があるものも許容されています。

日本ではレッド&ホワイトの毛色が一番人気です。

被毛の長さは、短毛が90%以上で、ごくまれに「フラッフィー」と呼ばれる長毛種が生まれます。長毛種はその希少さから海外では「奇跡の犬」と呼ばれることもあります。長毛種の誕生は突然変異によるもので、両親犬が長毛種であっても必ずしも遺伝するとは限りません。また生後半年ほどまで短毛と思われていた子犬がその後長毛になることもあれば、その逆もあり、身体的な成長が終わる生後一年ほどまでは被毛の長さが変化することがあります。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの尻尾は付け根の部分から無いことが大半ですが、最近は尻尾を持つウェルシュ・コーギー・ペンブロークも増えています。この尻尾はコーギーが誕生した当時、イギリスでは、牧羊犬に課税する制度があり、納税済の証として断尾を行っていた名残といわれています。

生まれつき尻尾を持たない子犬も長い尻尾を持つ子犬もいますが、現在では世界的に断尾をしない文化が広まっているので、日本でもあえて断尾をしないことが一般的です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史は大変古く、過去の記録は1107年までさかのぼることができます。牧羊犬や家畜の番犬、バイキングとの生活を様々な記録があり、ヘンリー二世(1133~1189)当時のイギリス王室で飼われていたという記録もあります。イギリス王室では代々ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの繁殖や子犬の譲渡を行っていました。しかし現在のエリザベス女王が飼っている数匹のウェルシュ・コーギー・ペンブロークを最後にこの文化を終えることが発表されており、世界中で話題にあがったこともあります。

原産国であるイギリスでは、現在ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼育頭数は減少傾向にあり、絶滅も危惧されています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼育頭数

JKCの統計によるウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼育頭数は

年度飼育頭数ランキング
2021 4,65414 位
2020 4,605 14 位
20194,05215位
20184,69912位
20175,28311位
20165,39511位

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは意外に重量感がある上に中型犬並みのパワーや食費、運動量が必要ということもあり、徐々に飼育頭数が減少傾向にあります。

ただ大変知能が高く、アグレッシブなことから、ドッグスポーツやアウトドアを楽しみたいという方を中心に人気があります。

コーギーは犬の中で一番「夫婦愛が強い」と古くから言われていて、実際に同犬種ペアでの多頭飼いをされている方が多いのもこの犬種ならではの傾向です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの年間飼育費用

実際にウェルシュ・コーギー・ペンブロークと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

一か月(単位:円)一年 (単位: 円)
ドッグフード4,00048,000
トイレ用品1,00012,000
トリミング500060,000
ペットホテル30,000
ペット用品2,00024,000
医療費30,000
合計12,000204,000

※医療費(混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)

※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります

※算出方法は、コチラをご覧ください。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、食欲旺盛なタイプが多いもののドッグフードの一か月の消費目安は5㎏ほどです。食欲のままに与えてしまと肥満に陥るので注意しましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴的な体形は腰に負担がかかりやすく、何より肥満に注意が必要です。本来は牧場を一日中駆け回るほどにパワフルな犬種ですから、朝夕の軽い散歩程度では慢性的な運動不足になること必須です。日ごろから食事量と運動のバランスに注意をし適正体重の維持を心がけましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのケア

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとの暮らしで習慣化すべきお手入れは

【毎日】

  • 歯磨き、デンタルケア

歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。

健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。

【2、3日に一度】

  • ブラッシング

短毛種ですが、抜け毛は多いのでこまめなブラッシングが欠かせません。ブラッシングにはスリッカーブラシやラバーブラシ(ゴム製のブラシ)や艶出し用には獣毛ブラシがおすすめです。

春と秋の換毛期には「ファーミネーター」など抜け毛とり専用アイテムがあると効果抜群です。

【月に一度】

  • 爪切り
  • 肛門腺しぼり
  • シャンプー

シャンプーは月に1度が目安です。シャンプー後は全身の水分をしっかりと取り除いてあげましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは足が短い体形故に、脇や下腹、内股が生乾きになりがちです。シャンプー後はしっかりと乾かしましょう。

またウェルシュ・コーギー・ペンブロークの肛門腺は奥まった位置にあり、プロトリマーであっても難しいと感じるほどです。家庭で絞り出すことができない場合は、定期的にトリミングショップや動物病院に依頼しましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのまとめ

明るく陽気な性格で運動神経抜群なウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、最高の遊び相手になること間違いなしです。公園やドッグランはもちろんアウトドアやサーフィン、ドッグスポーツなどぜひ挑戦してみましょう。

執筆 :ライター 大谷

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