パグの基礎知識を学ぼう!飼い方・歴史・飼育費用・ケア方法を解説

パグとは

低い鼻、大きくうるんだ瞳、重量感のある体形と細く長い足とアンバランスながらも愛嬌あふれる犬種がパグです。社交的で、犬友達も多く、お出かけも大好きなパグの魅力に注目してみましょう。

パグの特徴

パグの特徴はなんといっても「ハナペチャ」「ブサカワ」と言われる特徴的な顔立ちです。

この顔立ちは中国を原産とする犬種に共通してみられる特徴で、フレンチブルドッグやブルドッグとは全くの別系統です。

ハナペチャな犬種の中には元来は闘犬種という犬が多く、それらの犬種は闘争心が強く、時には飼い主に噛みつき、威嚇することもあります。

しかしパグは元来の愛玩犬として輩出されているので、闘争心や攻撃的な面は持っていません。

家族や犬同士楽しく暮らすことに幸せを見出すタイプです。

パグの性格的な特徴は

  • 食欲旺盛
  • やんちゃ
  • 好奇心旺盛
  • 社交的
  • おおざっぱ

などと表現されます。

小型犬特有の神経質さ、繊細さはなく、常におおらかに過ごすタイプです。

ただ落ち着きがないと感じる面もあり室内でも慌ただしく動きまわり、時にはいたずらをすることもあります。

外見的な特徴は

  • 細く長い足
  • 重量感のある胴体
  • 小さな耳
  • 短く巻き上がった尾

などです。パグの足の細さからもわかるようにアジリティや長時間の運動、階段昇降などは足に過度な負担がかかり怪我や痛みの原因となるので注意しましょう。

パグの重量感のある体形は決して肥満ではなく、発達し均衡のとれた筋肉です。食欲旺盛な性格だからと食生活を甘やかしてしまうと、足腰への負担や生活習慣病につながるので注意しましょう。

パグが飼いやすい犬種としてたびたび注目される理由は

  • 無駄吠えが少ない
  • お手入れが楽
  • 運動量が少ない
  • 温厚な性格

などがあります。

実はパグのように低い鼻を持つ骨格の犬は、甲高く大きな声で鳴き続けることが難しく、小型犬特有の無駄吠えに悩まされずに済みます。もちろんある程度声をあげることはあっても、吠える回数が少なく、声質がハスキーで響きにくいので、マンションでの生活にも向いています。

サイズ・毛色・体重など

JKCの定めるパグの標準的なサイズは

  • 体重6.3 kg~8.1 kg
  • 体高の定めはありません

毛色は

  • フォーン
  • ブラック

が一般的で、シルバー、アプリコットも認定されています。日本ではフォーンが大半で、黒はごくわずか、その他の毛色はさらに希少です。

パグはそのサイズから小型犬に分類されますが、標準的な体重は10㎏前後にもなり、女性が片手で抱き上げるのは辛いと感じるほどです。

ただ生後2か月ほどまでは、チワワなどの子犬とほぼ変わらないサイズ感のため、成長後のサイズに驚かれることもあります。家族に迎える場合は、成長後の移動手段や散歩についても十分に考えておきましょう。

実はパグの短い被毛は2層構造で、表面の長く硬い被毛とその根元部分に密集している綿毛状の被毛とが生えています。そのため短毛ではあるものの抜け毛は多く、抱き上げた時、一緒に寝ている時は抜け毛に悩まされてしまうことも。

抜け毛対策には、ラバーブラシ(ゴム製ブラシ)やブラッシングスプレーを利用し、週に数回は全身を撫でるようにブラッシングすると効果的です。

パグの歴史

パグの起源は中国にあり、シーズーやペキニーズ、狆(チン)といった同じく鼻の低い顔立ちをもつ犬種と同じルーツを持つといわれています。

ただパグの起源には諸説あり、1500年代のオランダ商人に関する資料にもパグに関する記録が残されていたり、当時の王室で寵愛を受けたという記録もあります。

パグの特徴的な顔立ちはヨーロッパでは大変珍しく、長年にわたって貴族を含め多くの富裕層の愛犬として暮らしたといわれています。

日本では30年ほど前に公開された映画「子猫物語」に登場したことがきっかけで爆発的なブームが起こります。その後も、インパクトのある顔立ちはたびたびメディアに登場し、専門誌が発行されるほどに愛され続けています。

パグの飼育頭数

JKCの統計によるパグの飼育頭数は

年度飼育頭数ランキング
20215,553 12位
2020 5,434 11位
20194,93411位
20184,89211位
20174,77813位
20164,58514位

パグの飼育頭数は30年ほど前に最大数を記録し、以降は下降ぎみです。無駄吠えが少なく、温厚な性格は飼いやすい犬種として人気があるものの、大きな頭部は出産に大きな負担がかかり繁殖は大変なリスクを伴います。そのためパグを家族に迎えたいという希望は多いものの、なかなかパグに出会う機会がないという声が多く挙がっています。

パグの年間飼育費用

実際にパグと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

一か月(単位:円)一年 (単位: 円)
ドッグフード3,00036,000
トイレ用品1,00012,000
トリミング
ペットホテル30,000
ペット用品2,00024,000
医療費30,000
合計6,000132,000

※医療費(混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)

※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります

※算出方法は、コチラをご覧ください。

パグは、大食漢なタイプが多く、ドッグフードの一か月の消費目安は2,3㎏です。肥満になりやすい体質なので、毎日の食事量、オヤツは適量を守り与えましょう。お手入れは自宅シャンプーで十分ですが、爪切り、耳掃除、肛門腺絞りが苦手な場合は、トリミングショップを利用しましょう。

パグのケア

パグとの暮らしで習慣化すべきお手入れは

【毎日】

  • 歯磨き、デンタルケア

歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。

健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。

【2、3日に一度】

  • 耳掃除
  • 顔のシワの拭きとり

垂れた耳は通気性が悪く、内部で雑菌の繁殖が進みがちです。数日おきの拭き掃除で、耳内部を清潔に保ちましょう。

臭いや汚れは外耳炎のサインです。症状がある場合は早めに動物病院の受診を。

顔のしわに汚れが溜まり、悪臭が漂うことがあるので、コットンで優しく拭き取ってあげましょう。湿疹ができている、かゆみがある場合は動物病院の受診を。

【月に一度】

  • 爪切り
  • 肛門腺しぼり
  • シャンプー

シャンプーは月に1回が目安です。特有の体臭が気になる場合でも必要以上に頻繁にシャンプーをすると乾燥肌や皮膚トラブルにつながる場合があるので注意しましょう。

シャンプー後は耳や顔のしわの中に残った水分も丁寧に拭きとりましょう。

パグのまとめ

愛嬌たっぷりな顔立ちと明るい性格で誰からも愛されるキャラクターのパグは、家族にたくさんの笑顔を届けてくれます。多頭飼いに向いた性格なので、2匹、3匹のパグと賑やかに暮らすライフスタイルも素敵ですね。

執筆 :ライター 大谷

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