環境省・ペットフード協会等が始めたペットフードの「フードロス」削減と動物保護施設等へのサポートを両立させる取り組みについて

環境省と一般社団法人全国ペットフード・用品卸商協会および一般社団法人ペットフード協会が協力して、ペットフードの「フードロス」削減と動物保護施設等へのサポートを両立させる試み「PET LIFE SUPPORT プロジェクト」をスタートしました。
将来的にこの試みを全国展開することを目指し、2022年 12 月 20 日(火)より神奈川県内の5つの自治体を対象に試験的な運用が開始されます。

PET LIFE SUPPORT プロジェクトとは

趣旨

ペットフードの関係業界では品質保持等のために、従来からペットフードの供給状況を管理しており、賞味期限が近付いた商品を店頭から回収等し、これを廃棄することで、一定量の「フードロス」が生じていました。

今回、一般社団法人ペットフード・用品卸商協会と一般社団法人ペットフード協会が立ち上げた「PET LIFE SUPPORT プロジェクト」では、このフードロスを極力削減し、廃棄せず有効に利用するために、賞味期限が近くなったペットフードについて、必要に応じて、自治体等が運営する動物保護施設等に無償で提供します。

SDGs で大きなテーマとして掲げられている「フードロス」の削減と保護動物 の「命」をつなぐ活動をサポートすることで、動物愛護管理にも貢献することを目的としています。

プロジェクトの概要

参加するペットフードやペット用品のメーカー各社より、賞味期限が近くなったペットフードやペット 用品などの商品情報を集積・管理し、その情報を登録された動物保護団体等へ提供します。
動物保護団体から注文があれば、その商品がメーカーから発送され、無償で提供される仕組みとなっています。

これにより、メーカー側はフードロスの発生を削減でき、その廃棄にかかっていたコストを抑えることが出来る一方、 動物飼養施設は必要な物品の無償提供が受けられるため、提供側と受け手側のニ ーズのミスマッチが起こりにくくなります。

商品の配送は、ヤマト運輸が各メー カーの拠点から動物保護施設に直送します。 さらに、クレディセゾンの協力により、クレディセゾンの会員がポイントやカードにより子猫用ミルク等を購入し動物飼養施設へ寄附することも可能としており、ペットフード以外の動物飼養施設でのニーズも踏まえた内容としています。

神奈川県の5自治体で試験運用

神奈川県の5自治体(神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、横 須賀市)の動物飼養施設を対象に、神奈川県の横浜市・横浜市戸塚区・川崎市・ 相模原市・横須賀市の5拠点で試験運用を開始し、運用上の問題点の洗い出しなどを行いつつ、近い将来の全国規模での展開を目指しています。

ペットフードロスとは

SDGsが2015年の国連サミットで採択され、様々な分野で環境保護に対する意識が高まってきました。SDGs17の目標のうち、注目されいる項目に「食品ロス(フードロス)」があげられます。

人が食べる食品の廃棄ももちろん大きな問題ですが、ペットが食べるペットフードも同様に「ペットフードロス」の問題が起こっています。

ペットフードの課題は、人が食べるフードと全く同じではありません。
そもそもペットフードの分類は食品ではなく、雑貨というカテゴリーに分類されています。

人が食べる食品のように統計データのような数値も見えず、課題や問題が見えにくい為、問題と認知するまで時間がかかってしまう性質があり、分類が「食品」ではなく「雑貨」ではあっても、原材料の多くは人間の食品と変わらないという矛盾も生じています。

ペットフードロス問題に向き合う

飼い主がペットにフードやおやつを与えるのは当たり前のことであり、ペット側の視点に立っても食べれるフードとおやつがあるのは当然です。そうして食べられなくなったフードを破棄するという流れは日常的に起きています。
これは一般家庭ですが、ペットフードのメーカーでも余った在庫の廃棄が起こり、その量は一般家庭とは比較しても膨大となります。

メーカーや卸問屋もこの問題へ対する意識が高く、なんとか廃棄せず何等かに利用できないか思案して多くの働きかけを行っているそうです。

ペットフードの基礎知識を身につけよう

廃棄費用の問題

皆さんは、愛犬、愛猫が普段食べているペットフードがどれくらい出荷されているかご存知でしょうか?
ペットフードの年間総出荷量は60万トンともいわれているそうです。

60万トンが全て消化される訳ではないので、廃棄量も膨大になります。
フードロスは人の食品ばかりが問題視されがちですが、ペットフードでも同じ問題を抱えているのです。

また廃棄を行うにも費用が掛かり、相当な金額が必要となります。莫大な廃棄料を資源量へ変える、そんな未来を目指しているのが「PET LIFE SUPPORT」なのです。

ペットフード安全法についても学ぼう

賞味期限問題と有効活用

人の食品もですが、ペットフードにも賞味期限があり、賞味期限が近づくと廃棄扱いになってしまうジレンマを抱えています。

こうした問題の解決策として、ペットフードを必要としてる動物愛護団体や保健所などの施設・団体にお届けする仕組みを構築していく活動となります。

賞味期限の他にも最近では物価高騰による値上げ懸念も注目されています。

そもそも「保護犬」「保護猫」とは

最近耳にするようになった「保護犬」「保護猫」とは動物愛護団体や保健所などの施設・団体へ持ち込まれた犬たち猫たち、また迷子になってしまい保護された犬たち猫たちを指します。

または訳があって飼い主さんから飼育放棄されたり、繁殖を引退し動物愛護団体や保健所などの施設・団体へ保護された犬たち猫たちも多くいます。

そんな様々な事情により保護された犬や猫を指し「保護犬」「保護猫」と呼びます。多くの個人様や団体様が「保護犬」「保護猫」を飼いたいと望む方へつなぐことを目的にサイトを立ち上げたり様々な方法で発信をしています。

Amazonが始めた活動>>

坂上忍さんの活動>>

猫が抱える問題>>

行政施設や団体へ物資を届ける活動

保護犬や保護猫へ物資を届ける活動は、以前より個人・企業が行なっています。
こうした活動が更に広がるように「PET LIFE SUPPORT」を通して多くのペットフードやペット用品のメーカー、卸問屋と連携して行う必要があるのではないでしょうか。
思いをつなぐ架け橋となるのが「PET LIFE SUPPORT」という仕組みだと思います。

その他ペットに関するデータはこちら

PET LIFE SUPPORT 主催・協力団体等

主催:一般社団法人全国区ペットフード・用品卸商協会、一般社団法人ペットフード協会
協力:環境省
プロジェクトサイト HP:https://petlifesupport.com/

最後に

現在は、スタートしたばかりの取り組みという事もあり、公式サイトに表示されているメーカーは、大手メーカーの「ユニ・チャーム」「ヒルズ」「ペットライン」の3社となっています。

今後、この活動が広がり賛同するメーカーも増えていけばフードロス問題の解決だけでなく、保護動物にとっても良い流れが生まれていくのではないでしょうか。また普段ペットフードロス問題に対しては、あまり注目されておりませんが、飼い主一人一人がペットフードについて考えるきっかけとなれば幸いです。

犬用フード一覧
猫用フード一覧

執筆:equall編集部

 
 あなたにオススメ