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バーニーズ・マウンテン・ドッグ とは
大きな体と美しい被毛の模様が印象的な バーニーズ・マウンテン・ドッグ 。本来はスイスの厳しい寒さの中で重量物の運搬や山岳救助で活躍をする犬です。憧れの犬種ランキングにもたびたび登場し、大型犬好きな方なら誰もが知っている人気犬種です。今回は憧れのバーニーズ・マウンテン・ドッグ の魅力に注目してみましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ の特徴

バーニーズ・マウンテン・ドッグ の魅力は美しい模様、漆黒の毛色、落ち着きがある雰囲気です。
性格は
- 温厚
- 我慢強い
- 落ち着きがある
- 人見知り
- 忠誠心が強い
- 献身的
スイスの厳しい自然環境の中で飼い主の指示を忠実に守り、自身の責務を果たす姿勢、忍耐強く物事を全うする姿勢は他犬にはないこの犬種ならではの特性です。
しつけは
バーニーズ・マウンテン・ドッグ は子犬のころから大変落ち着きがあり、些細なことには動じません。忍耐強く、無駄吠えをすることもほぼありません。ただ持ち前の力の強さから、悪気はないものの散歩中に引っ張られ飼い主が転倒するという困りごとが後を絶たないので、ドッグトレーナーの指導を受け十分なしつけを行いましょう。
やや人見知りな面も
大型犬といえば友好的、温厚と誰もが良いイメージを抱きます。特にバーニーズ・マウンテン・ドッグ は知名度は高いものの、大変希少な犬で観光地やドッグランでは注目の的になること間違いありません。
ただバーニーズ・マウンテン・ドッグ はレトリバー種などに比べ内向的で人見知りな面があります。飼い主以外と無暗なふれあいがストレスになる場合があります。忍耐強いこの犬種の性格を過大評価せずにおくことが大切です。
サイズ・毛色・体重など

JKCの定めるバーニーズ・マウンテン・ドッグ のサイズ基準は
牡:64~70cm、理想サイズ66~68cm
牝:58~66cm、理想サイズ60~63cm
体重は25~35㎏ほどが目安ですが、日本でペットとして暮らす バーニーズ・マウンテン・ドッグは近年小型化が進み、骨格も細くなる傾向があります。
毛色は一色のみです。
ジェット・ブラック と日本語では「漆黒」と呼ばれる美しい黒色で艶があります。
バーニーズ・マウンテン・ドッグの特長である模様は頬、目の上、四肢全てと胸には、茶色のリッチタン・マーキングがあり、他に下記の場所にホワイトのマーキングがあります。
・頭部には左右対称のクリーン・ホワイト(純白)のマーキングがある。ブレーズは鼻の両脇に向かって伸び、マズル・バンドと合流する。又、目の上のタンの マーキングにかぶってはならない。ホワイトのマズル・バンドは口の端をすぎてはならない。
・喉や胸にある、適度に幅広く、途中で途切れないホワイトのマーキング
・理想:ホワイトの足、尾の先端のホワイト
・許容範囲:うなじにある小さなホワイトの斑、肛門にある小さなホワイトの斑
ホワイトの班が極端に少ない場合やブレーズが細い、短い場合はドッグショーなどで減点とされます。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは長毛種のみです。ただ原産国にはとてもよく似た毛色の犬が多数登録されていて混同されることがあります。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ の歴史

バーニーズ・マウンテン・ドッグは大変起源の古いファーム・ドッグ(農場で飼われている犬)で、野生動物から家畜を守るガード・ドッグや重量物を乗せたソリを引く牽引犬、ベルン周辺の山岳地帯や中部 で牛追いにと活躍していました。
1902年、1904年、1907年にはすでにこの犬種はすでにドッグ・ショーに出陳されています。
当初は「 デュールベッヘラー 」という犬種名で呼ばれていましたが、ドッグショーへの参加を経て原産地の名前をとり「 バーニーズ・マウンテン・ドッグ 」と名称が変更されました。
日本では1980年代~1990年代に爆発的なブームが起こります。ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、シベリアンハスキーと続く大型犬ブームの流れを受け、最後に登場したのが バーニーズ・マウンテン・ドッグ です。
ただレトリバー種に比べ各段に大柄になること、日本の高温多湿な気候に合わず屋外飼育に向かないことなどからブームは短期間で終わりを迎えます。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ の飼育頭数

JKCの統計によるバーニーズ・マウンテン・ドッグ の飼育頭数は
年度 | 飼育頭数 | ランキング |
2021 | 957 | 29位 |
2020 | 1,005 | 29位 |
2019 | 970 | 29位 |
2018 | 1,279 | 27位 |
2017 | 1,338 | 27位 |
2016 | 1,340 | 27位 |
バーニーズ・マウンテン・ドッグ の飼育頭数はこの10年でほぼ半数にまで減っています。一大ブームだった1980年代当時に比べ1/10ほどです。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ と暮らすには室温管理、運動環境、飼育にかかる費用と様々な条件を加味しながら考える必要があり、どんな家庭でも気軽に飼える犬種ではありません。
現在の飼育頭数は一時に比べ減少したものの、この頭数を適正とする声も少なくありません。
家族に迎える場合は、大型犬ならではの先天性疾患の可能性も考え、信頼のおける専門家に相談をしましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ の年間飼育費用

実際にバーニーズ・マウンテン・ドッグ と暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
一か月(単位:円) | 一年 (単位: 円) | |
ドッグフード | 5,000 | 60,000 |
トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
トリミング | 10,000 | 12,000 |
ペットホテル | 40,000 | |
ペット用品 | 2,000 | 24,000 |
医療費 | 40,000 | |
合計 | 18,000 | 296,000 |
※医療費(混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
※算出方法は、コチラをご覧ください。
バーニーズ・マウンテン・ドッグが一か月に消費するドッグフードは15~20㎏ほどです。アレルギーや様々な疾患の予防の意味でも、良質で安全性の高いドッグフードを選びましょう。
被毛は一定の長さ以上伸びないのでカットは必要ありませんが、大型犬ゆえに自宅でのシャンプーは想像以上に大変です。特に被毛の生乾きは皮膚トラブルの原因になるので注意が必要です。
トリミングやペットホテルでは大型犬受け入れが難しいショップも増えているので、あらかじめ自宅近辺で受け入れ可能なショップを数軒見つけておくと安心です。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ のケア

バーニーズ・マウンテン・ドッグ との暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
〇歯磨き、デンタルケア
歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。
健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
【2、3日に一度】
〇ブラッシング
〇耳掃除
被毛は厳しい寒さに耐えうるように密度が高く密集しています。こまめなブラッシングで抜け毛を取り去り、皮膚、被毛の通気性を維持するケアを続けましょう。
垂れた耳は通気性が悪く、内部で雑菌の繁殖が進みがちです。数日おきの拭き掃除で、耳内部を清潔に保ちましょう。
臭いや汚れは外耳炎のサインです。症状がある場合は早めに動物病院の受診を。
【月に一度】
〇爪切り
〇肛門腺しぼり
〇シャンプー
シャンプーは月に1度が目安です。シャンプー後に長時間ドライヤーを当て続けると熱中症になる危険があるので、手際よく短時間で終えましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグのまとめ
美しい毛色と大柄で温厚なバーニーズ・マウンテン・ドッグは存在感抜群です。子犬のころから落ち着きのある性格で貫録を感じます。ただ日々の生活では室温や運動量など様々な工夫が欠かせないので、十分な準備を整えたうえで家族に迎えましょう。
執筆 :ライター 大谷
