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スコティッシュフォールドとは?
丸みを帯びたシルエットと垂れた耳、穏やか性格で、人気猫種ランキングでトップに君臨するスコティッシュフォールド。実はその歴史は意外に短く、新種と区分されます。突然変異がきっかけで誕生した人気猫に注目してみましょう。
スコティッシュフォールドの特徴
スコティッシュフォールドの特長といえば、前側に垂れた小さな耳です。丸みをおびた輪郭とあわせ、当初は「どらえもん」の様と例えられたこともありました。
スコティッシュフォールドはアメリカンショートヘアーの突然変異種です。そのためアメリカンショートヘアーよく似た模様をもっており、スコティッシュフォールドの血統証認定がされて以降は、独自の改良が進み、性格はアメリカンショートヘアーよりも穏やかで、野性味が薄れています。
体形はアメリカンショートヘアーよりも一回り大きくなり、長毛タイプも生まれます。
ペットとして飼いやすい特長を多数持ち、ここ数年、人気猫種ランキングではミックスに次ぐ2位についています。
サイズ・毛色・体重など
スコティッシュフォールドのサイズは
- メス・・・3㎏前後
- オス・・・3~5㎏前後
スコティッシュフォールドの特長的な耳は突然変異の賜物です。この特長は劣性遺伝ともいわれており、健康的な子猫の輩出には、両親の片方の耳が立っていることが望ましいといわれています。
スコティッシュフォールドには、垂れ耳と立ち耳の2つのタイプがいることも覚えておきましょう。
耳が立っている場合でも、両親がスコティッシュフォールドの血統であれば、子猫にもスコティッシュフォールドの血統証が発行されます。
スコティッシュフォールドの歴史
スコティッシュフォールドは新種と呼ばれる猫の一種です。
原産国はイギリスです。イギリス・スコットランド地域の農村にいた折れ耳のメス猫が始まりで、1961年に羊飼いウィリアム・ロスが飼い主です。ロスは、猫の住んでいた納屋の持ち主に猫を譲り受け、スージーと名付けました。
その後、この白い猫が生んだ子猫にも耳に同様の特長が見られたことがきっかけになり、同じ特長を求め繁殖を続けます。
ただこの特長は必ずしも遺伝するものでないこと、繁殖の過程で様々な遺伝的疾患が現れたことから、一時はイギリスの血統証発行団体から繁殖を禁止すると判断がくだされます。
その後、アメリカで他猫種との交配も行いながら、猫種としての確立が目指されます。約10年の試行錯誤の結果、遺伝的疾患が発症する確率も減り、耳の特長を受け継いだ子猫が安定して生まれたことから、1977年、CFA(アメリカ猫愛好家協会)によって、猫種として登録されました。
アメリカの血統証発行団体で認定されたこと、個体の安定にアメリカンショートヘアーなどの血統を取り込んだことから、この猫の原産をアメリカとする説もあります。
日本では2000年代に入り、スコティッシュフォールドの存在が注目を集め始めます。当時の純血種といえばチンチラやペルシャといった長毛種が人気でした。スコティッシュフォールドのように短毛でお手入れの手間がかからないこと、外見的な特長があることから、一躍人気猫種として話題を集めます。
現在もスコティッシュフォールドの人気は高く、子猫の購入は30万円前後となることも珍しくありません。
スコティッシュフォールドの飼育頭数
アニコムの統計によるミックスの飼育頭数は ※飼育頭数、順位は「アニコム 家庭どうぶつ白書」参照
<年度 飼育頭数 飼育頭数順位>
- 2023年 31,469頭 2位
- 2022年 27,625頭 2位
- 2021年 23,399頭 2位
- 2020年 20,738頭 2位
<飼育頭数推移>
<飼育割合>
2023年:14.8%
※飼育頭数の登録数割合
穏やかな性格から、飼いやすいと人気の猫種です。出産頭数が多く、飼育頭数も増加傾向にあります。ミックスとは明確な外見的な特長があることから、高額な猫ながらも購入希望者はあとを絶ちません。
スコティッシュフォールドの年間飼育費用
実際にスコティッシュフォールドと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
- キャットフード:月間2,000円 / 年間24,000円
- トイレ用品:月間1,000円 / 年間12,000円
- ペットホテル:年間30,000円
- ペット用品:月間1,000円 / 年間12,000円
- 医療費:月間20,000円
- 合計:年間98,000円
※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテルの利用頻度により個人差があります
スコティッシュフォールドは、大食漢なことが多く、肥満に注意が必要です。穏やかな性格から、活発な運動は好まず、のんびりとした生活を送ります。おもちゃを壊すこともほぼないでしょう。
ただ垂れた耳は、外耳炎を患うこともあります。
スコティッシュフォールドのケア
猫との暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
- 歯磨き、デンタルケア
- 毛玉対策
デンタルケア製品は、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。ウエットフードを主食とする場合や頻繁に与える機会が多い場合、加齢とともに歯垢や歯石の付着が目立つようになります。口内トラブルは激しい痛みを伴い、絶食に至る場合もあるので、日ごろからのケアが効果的です。
毛づくろいをすることで、体内に一時的に抜け毛を飲み込みます。たいていの場合、便と同時に排泄されます。ただ中にはたびたびの嘔吐や腸閉塞を起こす猫もいるので、排泄がスムーズに行われていない場合は専用製品を利用し、ケアが必要です。
【週に数回】
- ブラッシング
- 耳掃除
長毛種の場合、スリッカーやピンブラシでブラッシングを。ブラッシングスプレーを使用すると、スムーズに毛玉をほどくことができます。
耳内部に黒い汚れが付着している、悪臭がするという場合は、こまめに耳掃除を。専用ローションや綿棒で丁寧に内部を拭き取ります。症状が長引く、悪化する場合は動物病院を受診しましょう。
【月に一度】
- 爪切り
爪を定期的に切ることで、室内での爪とぎ軽減に効果的です。ただ中には爪切りを過度に嫌がる猫もいるので、無理強いは危険です。
スコティッシュフォールドのまとめ
スコティッシュフォールドの愛らしい外見は、他猫にはない癒し効果を発揮してくれます。穏やかな性格で、小さな子供の遊び相手にも向いています。また猫はもちろん犬との多頭飼い生活にもスムーズになじむことができます。愛らしいスコティッシュフォールドの人気はまだまだこの先も続くでしょう。
執筆:ライター 大谷
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