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セント・バーナード とは
大きな体と愛嬌たっぷりな表情でインパクト絶大なセント・バーナード。日本でも愛好家は多く、イベント会場やドッグショーなどでは注目の的です。優しく温厚な セント・バーナード の魅力に注目してみましょう。
セント・バーナード の特徴

セント・バーナードの特徴は大柄な体と大抵の物事に動じない性格、時折見せる上目遣いのチャーミングな表情です。
性格は
- 温厚
- 忍耐強い
- 動じない
- 頑固
- 従順
スイスの厳しい自然環境で生まれた犬だからこその忍耐強さ、無駄のない動き独自のルールを貫く強さがこの犬種ならではです。
ペットとして暮らすには、些細なことには動じず、小さな子供のやんちゃな遊びにもおおらかに対応してくれます。
ただし使役犬ならではの知能の高さから、時には飼い主の指示より自我を通すことも少なくありません。自分自身の力の強さを自覚しているからこその強硬手段も目立ち、しつけには専門家の指導が欠かせません。
運動は朝夕相当量の時間や内容の確保が欠かせません。激しい動きや長時間連続した運動は足腰関節に負荷がかかるので、適度に休憩を取りながら、存分に運動をさせ、屋外で過ごす時間を作りましょう。
他犬とも友好に接することができますが、子犬期は特有のやんちゃさで他犬に激しく接してしまうことも多く、体格さ故の危険が伴う場合もあるので注意が必要です。
サイズ・毛色・体重など

JKCの定める セント・バーナード のサイズ基準は
体高 牡:最低70cm~最高90cm 牝:最低65cm~最高80cm
牡は一般外貌のバランスがとれ、動きが正常であった場合、最高体高を越えてもペナルティーは課せられないと定められています。
体重の規定はありませんが、50~90㎏が目安です。日本で暮らすセント・バーナードは他大型犬と大差ないほどの体格ですが、原産国スイスで暮らすセント・バーナードは各段に大柄で今でも現役で雪山救難犬として活躍しています。
毛色は白地に茶色のマントを羽織ったような色合いです。背中の茶色部分に黒い差し毛がある場合や黄色がかった毛色でも問題ありません。
セント・バーナード の歴史

セントバーナードのスイス周辺で古くから使役犬として活躍していた犬種の1つです。犬種名の由来は誕生のきっかけとなった聖ベルナール(Saint Bernard)僧院です。
セント・バーナードは寒さ厳しいこの地域で冬になると馬の代わりに荷車を引いたり、遭難者の救助や移動時の先導役を担っていました。大きな体と厚い脂肪、忍耐強い性格ゆえに果たせたこの犬種ならではの役割です。
日本でセント・バーナードといえば、首に酒樽をぶら下げた姿が印象的です。この酒樽は雪山で遭難者を救助する際に気付け薬として用いられたものです。とても愛らしい姿が好評で1980年代の洋犬ブーム時には飼育頭数も相当数を記録しました。
セント・バーナード の飼育頭数

JKCの統計による セント・バーナード の飼育頭数は
年度 | 飼育頭数 | ランキング |
2020 | 167 | 51位 |
2019 | 196 | 48位 |
2018 | 169 | 50位 |
2017 | 213 | 47位 |
テレビやCMにもたびたび登場し、知名度抜群なセント・バーナードですが、実は国内の飼育頭数はごくわずかです。元来スイスの極寒の地域で輩出された犬種ですから日本の高温多湿な気候は体に合わないこと、日本での暮らしはこのサイズの犬種にはあまりに手狭なことが飼育頭数に現れています。家族に迎える場合は十分な検討が必要です。
セント・バーナード 年間飼育費用

実際に セント・バーナード と暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
一か月(単位:円) | 一年 (単位: 円) | |
ドッグフード | 10,000 | 120,000 |
トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
トリミング | 15,000 | 180,000 |
ペットホテル | 60,000 | |
ペット用品 | 3,000 | 24,000 |
医療費 | 80,000 | |
合計 | 36,000 | 960,000 |
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※算出方法は、コチラをご覧ください。
セント・バーナードとの暮らしでは大型犬ならではの出費をあらかじめ計算しておきましょう。トリミングやペットホテル、医療等すべてにおいて体重にみあった出費がかさみます。トリミングは定期的に利用し抜け毛除去を心掛け、暑さ対策、皮膚ケアを徹底しましょう。
セント・バーナードは高齢になると足腰関節の不調が目立ち、高温多湿な日本での暮らしが負担になります。家族に迎える前に高齢になってからのお世話や経済的負担の大きさも念入りなシミュレーションをしておきましょう。
セント・バーナード のケア

セント・バーナード との暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
〇歯磨き、デンタルケア
歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。
健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
【2、3日に一度】
〇ブラッシング
〇耳掃除
垂れた耳は通気性が悪く、内部で雑菌の繁殖が進みがちです。数日おきの拭き掃除で、耳内部を清潔に保ちましょう。
臭いや汚れは外耳炎のサインです。症状がある場合は早めに動物病院の受診を。
【月に一度】
〇爪切り
〇肛門腺しぼり
〇シャンプー
シャンプーは月に1度が目安です。シャンプー後は全身の水分をしっかりと取り除いてあげましょう。自宅でのシャンプーやお手入れは可能ですが、あまりに大柄でダイナミックな入浴になるので定期的にトリミングショップの利用をオススメします。
セント・バーナード のまとめ
大きな体と上目遣いのギャップがなんとも愛らしいセント・バーナードは世界中で愛される素晴らしい山岳救助犬です。残念ながら日本の気候や住宅環境にはなじめずに、飼育には相当な経験、環境、費用の工面が必要です。
執筆 :ライター 大谷