スフィンクスの特徴や性格・基礎知識を学ぼう!飼い方・歴史・飼育費用・ケア方法を解説

スフィンクスとは

とてもインパクトのある外見に驚かれる方も多いでしょう。無毛の猫といわれる名前そのままにこの猫には被毛が一切ありません。大変希少なこの猫の名前はスフィンクスといいます。日本でもごくまれにペットショップの店頭に並んだこともあるスフィンクスの魅力に注目してみましょう。

スフィンクスの特徴

スフィンクスといえば無毛なことが何よりの特徴です。

性格は

  • 知的、賢い
  • 明るい
  • 活発
  • 運動、遊び好き
  • 甘えん坊
  • 社交的

スフィンクスは特徴的な外見と切れ上がった目尻の印象から強面で気難しい猫という印象を持たれがちですが、実はとても甘えん坊で無邪気に遊ぶことが大好きな猫です。

家族のそばで猫じゃらしで遊んだり、キャットタワーに駆け上がったりと一緒に暮らすと無邪気な猫そのものです。

知能が高いので、クリッカートレーニングや知育玩具などの高度な遊びも得意です。

サイズ・毛色・体重など

スフィンクスの平均体重は3~5㎏ほどです。体系は細身でスラリとした歩様から「上品」「高貴」という表現がぴったり当てはまります。

スフィンクスは他猫に比べ体温が3~4度ほど高いことも特徴の1つです。被毛で体が覆われていないので、基礎体温を高く保つことで健康を維持しています。そのため、抱き上げるとあまりに暖かく驚かれます。

スフィンクスに触れると、べたつくようなしっとりとした感触があります。これはスフィンクスは全身から多量の皮脂を分泌するためです。この皮脂は皮膚を守るバリアの役割を果たしていますが、時に過剰に分泌されすぎてしまい皮膚トラブルの原因になることもあるので、こまめなふき取りケアが欠かせません。また加齢とともに皮脂分泌のバランスが乱れ、過剰な分泌や分泌不足が起き、皮膚トラブルにつながる場合があります。デリケートな皮膚を持つ猫だからこそ、生涯にわたり皮膚のケアは欠かせません。

スフィンクスの毛色はあらゆる色が認められています。ただスフィンクスの場合、被毛の色ではなく皮膚そのものの色という意味です。肌色一色の場合もあれば、班模様がある場合もあります。

スフィンクスの歴史

スフィンクスの起源は、1966年、カナダのトロントにいたペットの猫です。家猫として飼われていた猫が出産した子猫の中に全身にまるで被毛のない特殊な子猫が生まれたことがきっかけです。ちなみにこの親猫は長毛種の猫でした。

この長毛の猫からはたびたび無毛の子猫が生まれたことから、その後は計画的に別猫種である「デボンレックス」との交配が行われ、現在のスフィンクスが新種として確立されました。このためスフィンクスは発祥地にちなんで「カナディアン・ヘアレス」(Canadian Hairless)と呼ばれることもあります。

ただデボンレックスとの交配は、先天性疾患を持ち誕生する確率も高く、交配は必ずしも安全で推奨されたものではありません。

日本では2000年代、SNSの流行をきっかけに海外から珍しい猫の情報が届くようになり、スフィンクスも注目を浴びました。国内でもごくわずかですがペットショップで販売されたことがあるものの、デリケートな皮膚のケアに手がかかるととこと、繁殖を手掛けるプロの数が少ないことからペットとしての飼育はごくわずかにとどまっています。

スフィンクスの飼育頭数

アニコムの統計によるスフィンクスの飼育頭数は

※飼育頭数、順位は「アニコム 家庭どうぶつ白書」参照

年度飼育頭数ランキング
2019 ランキング圏外
2018 ランキング圏外
2017ランキング圏外
2016ランキング圏外

インパクトのある外見からたびたびメディアやSNSに登場し、知名度は高いものの、国内はもちろん世界的にみても飼育頭数はごくわずかです。

スフィンクスを家族に迎えたい場合は、ブリーダーに相談をして誕生するタイミングを気長に待つ方法がベストです。ただ大変希少な猫なので購入価格は一般的な猫の数倍を見込んでおきましょう。

スフィンクスの年間飼育費用

実際にスフィンクスと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

一か月(単位:円)一年 (単位: 円)
キャットフード3,00036,000
トイレ用品1,00012,000
ペットホテル30,000
ペット用品2,00024,000
医療費30,000
合計6,000132,000

※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)

※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります

※算出方法は、コチラをご覧ください。

市販のキャットフードには様々な種類がありますが、健康維持、皮膚トラブル回避の観点からスフィンクスには良質で安全性が高いキャットフードを選び与えましょう。

秋冬は空気の乾燥や暖房機器の使用で皮膚が乾燥しやすく、肌荒れに注意が必要です。皮膚のかゆみ、フケ、赤み、掻き傷などに気が付いた時は動物病院を受診し早めのケアを心掛けましょう。

スフィンクスのケア

スフィンクスとの暮らしで習慣化すべきお手入れは

【毎日】

〇歯磨き、デンタルケア

デンタルケア製品は、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。ウエットフードを主食とする場合や頻繁に与える機会が多い場合、加齢とともに歯垢や歯石の付着が目立つようになります。口内トラブルは激しい痛みを伴い、絶食に至る場合もあるので、日ごろからのケアが効果的です。

【月に一度】

〇爪切り

爪を定期的に切ることで、室内での爪とぎ軽減に効果的です。ただ中には爪切りを過度に嫌がる猫もいるので、無理強いは危険です。

【週に数回、季節や体調に応じて】

皮膚が被毛で保護されていない特殊な体質だからこそ、スフィンクスに必要なケアがあります。スフィンクスの皮膚は、皮脂を多量に分泌することでバリアを張り、外的な刺激から皮膚を守っています。ただこの皮脂が原因で皮膚トラブルや部分的な乾燥が起きることがあるので、こまめに全身をチェックし拭き取りや保湿など猫の体質に合わせたケアをしてゆきましょう。

スフィンクスのまとめ

大変インパクトのある外見から注目を浴びることの多い猫です。内面はとても知的でアクティブ、飼い主にまっすぐな愛情を向けてくれます。皮膚のケアなど手間がかかることもありますが、猫好きな方ならきっとスフィンクスに魅了されるでしょう。

執筆 :ライター 大谷

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