「永遠の傑作」や「ブリティッシュブルー」と呼ばれる大変美しい毛色を持つ猫 ブリティッシュショートヘア。日本ではまだまだ新種のイメージがありますが、実は大変古い歴史を持つイギリス原産の猫です。今回は ブリティッシュショートヘアの魅力に注目してみましょう。
目次
ブリティッシュショートヘアとは
ブリティッシュショートヘアは、毛色が似ていることから日本ではロシアンブルーと間違われてしまうこともありますが、実は全く別種の猫です。
ブリティッシュショートヘアの特徴は
- グレーがかった特徴的な毛色
- 丸みを帯びた輪郭
- 丸みを帯びた体形
- 性格は温厚で、のんびり
- 攻撃性はなく、他猫とも仲良く暮らせる
丸みを帯びた外見から、オスは「貫禄がある」「強面」といわれることもあります。性格が遊び好きで甘えん坊なので、外見とのギャップもまたこの猫の魅力でしょう。
サイズ・毛色・体重など
ブリティッシュショートヘアは平均体重3~5㎏ほどです。よく似たロシアンブルーが大変細見でスレンダーなスタイルなことから、ブリティッシュショートヘアは肥満?と思われてしまうこともありますが、実際には肥満ではなく、骨格の違いです。
ただ温厚な性格で、運動よりものんびりと過ごすことが好きなので、オヤツの与えすぎや肥満には注意が必要です。
毛色は、ブリティッシュショートヘア独特の「ブリティッシュブルー」はもちろん「ホワイト」「クリーム」「ライラック」「ブルー」「ブルークリーム」「レッド」「キャリコ」「ブラック」などもあります。
瞳の色も毛色と同じ位にバリエーションに富んでいます。
被毛は元祖となったブリティッシュショートヘアは短毛だったものの、その後チンチラとの交配がされ、長毛種も増えています。
毛色や瞳の色、被毛の長さと様々なバリエーションがあり、一見で「ブリティッシュショートヘア」と断定することはプロでも困難といわれる猫種です。
ブリティッシュショートヘアの歴史
ブリティッシュショートヘアはその名前の通り、イギリスのグレート・ブリテン島を起源とする猫です。古くはローマ人がエジプトからこの地に猫を持ち込んだことが始まりであってと記録されています。
この猫は大変珍しい毛色を持つことが印象的ですが、この毛色は人為的に作出されたものではなく、自然発生であるとされています。
猫種の確立にあたり、人為的な交配や改良がされておらず、長い歴史を持つ猫種の多くは先天性疾患が少なく、飼いやすい傾向があります。
19世紀後半書かれた「不思議な国のアリス」に登場したチェシャ猫はブリティッシュ ショートヘアのタビー(色)がモデルになっています。
丸みを帯びた体形や貫禄のある雰囲気はまさにブリティッシュショートヘアそのものでしょう。
元来のブリティッシュショートヘアは「ブリティッシュショートブルー」と呼ばれる毛色をしていましたが。第二次世界大戦以降、チンチラとの交配が積極的に行われ、長毛種が誕生しました。現在ではブリティッシュブルー以外の毛色はもちろん長毛であってもブリティッシュショートヘアの血統証が発行されます。
日本では、ブリティッシュショートヘアの人気はここ数年の猫ブームをきっかけに高まりを見せています。長毛の人気猫種であったチンチラやペルシャの国内飼育頭数が激減し、新たな長毛種を望む声を受けブリティッシュショートヘアに注目が集まり、今では人気猫種ランキングで必ず上位に入る人気ぶりです。
ブリティッシュショートヘアの飼育頭数
アニコムの統計によるブリティッシュショートヘアの飼育頭数は
※飼育頭数、順位は「アニコム 家庭どうぶつ白書」参照
<年度 飼育頭数 飼育頭数順位>
- 2023年 8,817頭 6位
- 2022年 7,276頭 6位
- 2021年 5,752頭 7位
- 2020年 4,481頭 8位
<飼育割合>
2023年:4.2%
※飼育頭数の登録数割合
ランキングにも表れているようにブリティッシュショートヘアの人気は年々高まっています。温厚な性格と可愛らしい顔立ちが人気で、小さな子供から年配の方まで仲良く暮らせ、飼いやすい猫種です。
長毛種の方が短毛種よりも希少で人気です。長毛種は定期的なブラッシングが欠かせないので、お手入れに十分な時間を割く必要があり猫飼育の上級者におすすめです。
ブリティッシュショートヘアの年間飼育費用
実際にブリティッシュショートヘアと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
実際にブリティッシュショートヘアと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
一か月(単位:円) | 一年 (単位: 円) | |
キャットフード | 3,000 | 36,000 |
トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
ペットホテル | 30,000 | |
ペット用品 | 2,000 | 24,000 |
医療費 | 30,000 | |
合計 | 6,000 | 132,000 |
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
ブリティッシュショートヘアは食欲旺盛なタイプの猫です。一か月のフード消費量は2,3㎏ほどです。食事やオヤツを大喜びしたり、催促されることがたびたびありますが、肥満予防の観点から、給与量は都度意識し、必要以上のカロリー摂取は控えましょう。
ブリティッシュショートヘアのケア
ブリティッシュショートヘアとの暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
- 歯磨き、デンタルケア
- 毛玉対策
デンタルケア製品は、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。ウエットフードを主食とする場合や頻繁に与える機会が多い場合、加齢とともに歯垢や歯石の付着が目立つようになります。口内トラブルは激しい痛みを伴い、絶食に至る場合もあるので、日ごろからのケアが効果的です。
毛づくろいをすることで、体内に一時的に抜け毛を飲み込みます。たいていの場合、便と同時に排泄されます。ただ中にはたびたびの嘔吐や腸閉塞を起こす猫もいるので、排泄がスムーズに行われていない場合は専用製品を利用し、ケアが必要です。
【週に数回】
・ブラッシング
抜け毛が多い、毛玉を吐き出すことが多い場合は、ブラッシングをし、抜け毛を飲み込む前に取り去っておくと安心です。猫のブラッシングにはラバーブラシとブラッシングスプレーがおすすめです。
長毛種の場合は、スリッカーブラシも併用し、被毛の根元までしっかりとブラッシングをしましょう。シャンプーをする時は、毛玉やもつれを完全に取り除いてから体を濡らしましょう。
【月に一度】
- 爪切り
爪を定期的に切ることで、室内での爪とぎ軽減に効果的です。ただ中には爪切りを過度に嫌がる猫もいるので、無理強いは危険です。
本来は猫にシャンプーは不要といわれていますが、長毛種の場合は定期的なシャンプー、抜け毛取りをおすすめします。シャンプー後はドライヤーで全身をしっかりと乾かし生乾きには注意しましょう。
ブリティッシュショートヘアのまとめ
貫禄とも存在感ともいえる独特な雰囲気を醸し出すブリティッシュショートヘア。遊び好きで甘えん坊な性格で、家族とのんびりと過ごす時間が何より大好きです。休日は猫とのんびり過ごしたいという方にオススメの猫種です。
執筆 :ライター 大谷
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