ヨークシャーテリアの特徴や性格は?飼い方・毛色・歴史・飼育費用を解説【犬種】

ヨークシャーテリアとは

「動く宝石」「犬の中の貴族」など高貴な言葉で例えられることの多い犬種がヨークシャーテリア(ヨーキー)です。

小柄な体形と美しい外見とは裏腹に内面はとても活発で、納屋でネズミ捕りを担っていた歴史もあるほどです。

今回は、様々な魅力を合わせもつヨークシャーテリアに注目してみましょう。

ヨークシャーテリアの特長

ヨークシャーテリアはイギリス原産の小型犬です。

その名の通り、元祖となる犬種は勝気で知能の高いテリア種です。テリア種の血統を受け継ぐ犬の性格は、「テリアキャラクター」とも呼ばれ、特有の知能の高さ、気質の強さから、しつけに手間取ることもあります。

ヨークシャーテリアの特長は

  • 抜け毛が少ない
  • 体臭が少ない
  • 毛量が少なく、お手入れの手間がかからない
  • しつけの覚えが早い
  • 小柄なのでキャリーバックに入れた移動がスムーズ
  • 長寿
  • アレルギー発症率が少ない

等があります。実はヨークシャーテリアは大変古い犬種で、犬種確立にあたり、様々な血統が混ざり合うことがなかったことから、長寿で体が丈夫という傾向があります。

ヨークシャーテリアは小柄ながらも活発で、好奇心が旺盛、時には自身の何倍も大きな体を持つ相手にも立ち向かうほどです。

特有の気質は警戒心の強さとなることもあり、生後間もないころから積極的に社会化経験を積ませることが重要です。

小型犬ながらも独立独歩な面を強くもち、個々の性格が明確に表れることから、大人同士の付き合いができる犬ともいわれます。

活発な性格から子供の遊び相手に向いているといわれることもありますが、大変小柄な体形故に怪我や骨折には注意が必要です。

サイズ・毛色・体重など

ヨークシャーテリアの魅力はその小柄な体形と美しい被毛です。

JKCの定めるヨークシャーテリアに関する基準は下記です。

  • 体重 3.2kgまで。
  • 体高に関する定めはありません
  • 性格は用心深く、利口で、勇敢

毛色は生涯を通じて変色を繰り返します。

生後半年未満は漆黒の毛色が見られますが、成長と共に変色します。中には生涯で7回も変色する犬もいるほどです。

将来どのような毛色になるのか、どのタイミングで変色が起こるかは、ペットのプロであっても予測はできません。

ペットとして暮らすヨークシャーテリアは、体形にばらつきがあります。

オスの場合5㎏以上となることも珍しくありません。またオスメスともに2㎏以下と大変小柄なこともあります。

離乳直後は体重が1㎏に満たないこともあり、家庭での飼育には簡単ではありません。長時間の留守番や食事の時間や摂取量の管理は注意が必要です。

ヨークシャーテリアは生後半年ほどまでは、大変少食で小柄なことから、低血糖を起こすことがあります。極端に小柄な場合、1歳を過ぎた後も低血糖対策が必要です。

ヨークシャーテリアの歴史

ヨークシャーテリアの歴史は大変古く、1800年代始めにはすでに現在の姿が確認されていたといわれています。

当初は、イギリス郊外の工業地帯で納屋に住み、納屋で穀物を荒らすネズミの駆除の役割を担っていました。

特有の運動神経、好奇心の旺盛さ、飼い主の指示を待たず独断で状況判断をし、ネズミを追いかけることから大変優秀な納屋の番犬と重宝されていたそうです。

その後、イギリス国内でドッグショーが盛んになると、美しい被毛と小さな体形が注目を浴びます。

  • 1861年に初めてイギリスのドッグショーに出展
  • 1870年頃から「ヨークシャーテリア」という名前が定着し始めます
  • 1872年アメリカに輸出され、人気ペットとして注目を浴びます

当初のヨークシャーテリアな、屋外にある納屋での生活に耐えうるように現在のサイズより大柄でした。しかしペット化が進む中で、小柄化が進み、現在のサイズに至っています。

日本では1900年代中旬から始まった小型犬ブームで一躍注目を浴びます。プードルやマルチーズ、シーズーと並び人気犬種となりました。当時は富裕層が飼う犬というイメージが強く、長く伸ばした被毛、頭頂部に結んだリボンが印象的でした。

現在は、その活発な性格が評価され、レジャーやカフェ巡りを共に楽しんだり、トリミングのスタイルアレンジを楽しんだりと都会的でスタイリッシュなイメージが強いでしょう。

ヨークシャーテリアの飼育頭数

JKCの統計によるヨークシャーテリアの飼育頭数は

年度飼育頭数ランキング
2021 9,690 8位
2020 9,769 7位
20199,6408位
20189,9487位
201710,8986位
201611,1086位

ヨークシャーテリアの人気は数十年以上安定していて、大きな変動はありません。

小柄な犬種ゆえに、生涯の出産頭数が少なく、一度の出産で1匹のみの誕生ということも珍しくありません。

そのため、人気はあるものの飼育頭数の増大にはつながりません。

抜け毛が少ない、体臭が少ない、お手入れが簡単と日本のライフスタイルにマッチした特長を多数持ち合わせるので、今後も安定した人気を保ち続けるでしょう。

ヨークシャーテリアの年間飼育費用

実際にヨークシャーテリアと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

一か月(単位:円)一年 (単位: 円)
ドッグフード2,00024,000
トイレ用品1,00012,000
トリミング8,00096,000
ペットホテル30,000
ペット用品2,00024,000
医療費30,000
合計13,000162,000

※医療費(混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)

※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります

※算出方法は、コチラをご覧ください。

ヨークシャーテリアはとても少食で、ドッグフードの消費量は1カ月で1㎏ほどです。

食事は偏食、少食、食べムラと様々なお悩みを抱えがちです。安易にウエットフードや嗜好性を重視した製品を多用することはお勧めできません。

ドッグフードは良質で、安全性の高い製品を選びましょう。

ヨークシャーテリアのケア

ヨークシャーテリアとの暮らしで習慣化すべきお手入れは

【毎日】

  • 歯磨き、デンタルケア

歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。

健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。

【2、3日に一度】

  • ブラッシング
  • 耳掃除

ヨークシャーテリアの被毛はまるで絹糸のようといわれるほどに細く繊細です。ブラッシングの時は、市販のブラッシングスプレーなどを使用するとスムーズです。

毛玉はブラッシングスプレーで湿らせてから、スリッカーや細目コームでほどきましょう。

垂れた耳は通気性が悪く、内部で雑菌の繁殖が進みがちです。数日おきの拭き掃除で、耳内部を清潔に保ちましょう。

臭いや汚れは外耳炎のサインです。症状がある場合は早めに動物病院の受診を。

【月に一度】

  • 爪切り
  • 肛門腺しぼり
  • シャンプーやカット

ヨークシャーテリアのカットスタイルは多種多様です。活発な性格に合わせて短めにカットしたり、被毛の美しさを存分に楽しむために長く伸ばしフルコートと呼ばれるスタイルを目指したり。

ぜひトリマーと相談し、さまざまなスタイルを楽しみましょう。

ヨークシャーテリアは毛量が少ないので、自宅でペット用ハサミやバリカンを使用しカットを済ませることもできます。この時、デリケートな顔回りのカットは危険が無いよう注意しましょう。

ヨークシャーテリアのまとめ

美しい外見と活発な性格、高い知能と様々な魅力を合わせもつヨークシャーテリアは本当に素晴らしい犬種です。家族とのレジャーや旅行も存分に楽しむことができます。いろいろな計画を立て、ヨークシャーテリアとの生活を満喫しましょう。

執筆 :ライター 大谷

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