【獣医師解説】犬の医療費を抑えるためにできること

お家にワンちゃんを迎えようと考える時、お世話をできるかどうか?ということと同時に、どれくらいお金がかかるか?ということも気になりますよね。

一般社団法人ペットフード協会の2019年の調査によると、犬の生涯必要経費は約200万円と言われています。その中でも多くを占めるのが医療費です。

ワンちゃんはどのような病気が多いのか?その治療にはどれくらいかかるのか、見ていきましょう。

年齢ごとの平均医療費

アニコムホールディングスが毎年発表している「家庭どうぶつ白書」によると、年間医療費の平均は、0歳で約3万円、5歳で約4.4万円、10歳で約11万円と年齢を重ねる毎にその必要医療費は多くなっていきます。

以下に年齢ごとになりやすい病気を記載していきます。

0~1歳

子犬の時期に注意したいのが、骨折などのケガ。元気で活動的な時期であることも関係しますが、ペットを飼い始めて間もない飼い主さんの場合、扱いが不慣れで思わぬケガに繋がってしまうこともあります。

骨折の場合、手術を行い、1週間から10日程度の入院が必要になります。また、状態によってはリハビリが長期間必要な可能性もあります。費用は骨折の程度にもよりますが、手術当日だけで検査等合わせて20万円ほどになります。

1歳~6歳

一般的な犬の病気として多いのが皮膚病。細菌が原因となる膿皮症のほか、アレルギー性皮膚炎は発症すると長く付き合う必要があります。

さらに膀胱炎も犬種・年齢に関係なくかかりやすい病気です。細菌や結石などが原因で、血尿や頻尿などの症状が出ます。

皮膚病も膀胱炎も、1回の診察料は1万円かかりませんが、長期間の治療が必要となります。

7歳~

人間と同様、犬も高齢になると様々な病気のリスクが上がります。その一つが、がん(腫瘍性疾患)。乳腺や皮膚のしこり、リンパ節の腫れなど表面上にわかるものから、内臓など体の内部にできるものもあります。

がんの治療は手術や抗がん剤、放射線治療など様々な種類がありますが、どれも高額な医療費となります。

医療費を抑えるためにできること

医療費が気になるときにしてしまいがちなことが、様子を見ること。

しばらく様子を見ると、治るだろうと自己判断で経過観察していると、その間に状態が悪化してしまうことがあります。

病気の治療は、早期発見、早期治療が悪化を防ぎ、体へのダメージも少なくすみます。

普段から、お家の子の状態を良く観察して、小さな変化にも気づけるようになっておくことが一番の医療費を抑えることに繋がるかもしれませんね。

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