夏は熱中症に要注意
熱中症はワンちゃんの命を奪う非常に恐ろしい病気です。
気温と湿度が高くなる5月〜9月に発症率が高くなっています。
熱中症はワンちゃんの体温が上昇し、脱水症状を起こすことが原因で発症します。
体温が上昇した場合、人間は汗腺と呼ばれる腺から汗を分泌させ体温の上昇を防ぎます。
しかしワンちゃんには汗腺が足の裏にしかないため、汗によって熱を放出出来ません。
そのためワンちゃんは口を大きく開けて「ハッハッハッ」と息を吐いて口から熱を逃します。
これがパンティングです。
普段の生活でも興奮時にパンティングをするコはいるので、普段のパンティングの様子を良く観察しておき、外に出た際にいつものパンティングよりも明らかに呼吸が荒いと感じたり、よだれが多かったり、舌がだらんと垂れ下がっていたりした場合は熱中症になりかけている可能性が高いのですぐに涼しいところで休憩をさせ、水を飲ませてあげてください。
症状がさらに進行すると、嘔吐・下痢や吐血、血便、血尿をしたり、ふらふらとして真っ直ぐ歩けなくなり、意識障害を引き起こしてしまいます。
万が一ワンちゃんが熱中症を発症してしまったら応急処置をしながら、すぐに動物病院に行き適切な治療をしてもらう必要があります。
基本的な応急処置は以下の3つです。
- ワンちゃんを涼しい場所に移動させる
- 身体を冷やす
- 風を当てる
ワンちゃんの身体を冷やす際は氷水をかけたり、川に入れたりして急激に体温を下げすぎないように注意してください。
濡れタオルや保冷剤をワンちゃんの頭や首筋、脇の下、太ももの内側など、太い血管が通っているところを重点的に冷やしてあげことで、冷えた血液が全身を巡り全身の体温を下げてくれます。
濡れタオルは長時間使用すると熱を持ってくるのでこまめに取り替えましょう。
応急処置をして症状が落ち着いたとしてもワンちゃんの身体にはダメージが残っているので、必ず動物病院に行って診察をしてもらってください。
熱中症になったワンちゃんは治療をしたとしてもその後後遺症が残ってしまう可能性もあります。
熱中症は室内でも発症する可能性があります。
室内の温度は23℃〜26℃が適温だと言われています。
また温度の他に湿度にも気をつけなければいけません。
湿度は50%以下になるようにエアコンのドライモードなどで調整してあげましょう。
夏場は散歩も要注意です。
散歩に行くタイミングの目安は、地面の熱さです。
飼い主さんはワンちゃんを外に出す前に一旦家を出て、家の前の地面を手のひらで触ってみてください。
その時熱くて地面を触っていられないと感じたらそこはワンちゃんは歩かせないようにしてください。
肉球を火傷してしまったり、地面からの照り返しの熱で熱中症のリスクが高まります。
夕方も日中の熱が残っている場合があるので再度地面を手のひらで触り熱が残っていないかを確認して散歩に出るようにしましょう。
動画で説明し忘れていますが、散歩に出る際は気温の他に湿度も気にするようにしましょう。
例え曇りで気温は低くても、湿度が高く風がないと熱中症になる危険性があります。
湿度の目安は60%です。外の湿度が60%以上ある時は長時間の散歩は控えた方が安心です。
また車でワンちゃんとお出かけする飼い主さんも多いと思いますが、毎年車内で熱中症で亡くなるワンちゃんはいます。
日中、窓を締め切った車内は5分程で50度を超えます。
少しの時間でもワンちゃんを車内に残して車から離れないようにしましょう。
最後に、熱中症になりやすいワンちゃんを紹介します。
まずは体力のない老犬と子犬。そして太り気味のコや持病を持っているワンちゃんです。
犬種では短頭種と呼ばれる鼻ペチャの犬種(パグ・フレブル・シーズー・ペキニーズなど)、毛が長い犬種、寒い地域で活躍する犬種(シベリアンハスキー・グレート・ピレニーズ・シェルティなど)が熱中症になりやすいと言われています。
※ちなみにワンちゃんの毛を丸刈りにするサマーカットも流行っていますが、これはワンちゃんの熱中症のリスクを上げるだけでなく怪我のリスクも高めるのでお勧めしません!サマーカットについても後日動画で説明したいと思います。
ワンちゃんは寒さには強いですが暑さには非常に弱いです。
飼い主さんはワンちゃんが熱中症にならないようにくれぐれも気をつけていただき、夏を乗り切ってください。
ワンちゃんと楽しく暮らそう!ドッグトレーナーによるペットの犬のしつけ方・育て方のポイント
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