ペットの予防接種について解説!犬の混合ワクチンと狂犬病予防注射接種

皆さんはペットの健康管理をきちんと行なっていますか。健康管理は日々の食事やケアだけではなく、ワクチンの接種や寄生虫の予防も必要です。
今回は、予防接種や健康管理についてご紹介します。

犬と猫の健康管理

環境省のパンフレットによると、犬と猫の健康管理は、以下のように記載されています。

犬の健康管理

  • 体を清潔に保つ(ブラッシングなど)
  • 狂犬病予防注射と各種ワクチンの接種
  • 犬フィラリア症の予防・駆除
  • ノミやダニなどの寄生虫の予防・駆除

猫の健康管理

  • 体を清潔に保つ(ブラッシングなど)
  • 各種ワクチンの接種
  • 寄生虫の予防・駆除

参考:環境省「ペットへの日頃からの備え」

混合ワクチンが必要な理由とは

免疫とは、ウイルスや細菌等の異物から体を守る抵抗をいい、この免疫の仕組みを利用しているのがワクチンです。免疫のはたらきによって、病原体が侵入してきた際に、病気の発症を防いだり、発症しても軽い症状で済ませたりすることができるようになります。

病原体は日常的に存在しているため、リスクをワクチンを接種することが重要になっています。

犬のワクチンの種類

■狂犬病ワクチン

法律で年1回の接種が義務づけられています。

生後91日以上の犬を飼い始めたら30日以内に、区市町村の集合注射又は動物病院で、犬に狂犬病の予防注射を受けさせましょう。
翌年以降は毎年1回、4月1日から6月30日の間に受けさせましょう。

参考:東京都保健医療局「毎年4月から6月までは狂犬病予防注射月間です」

■任意混合ワクチン

5種ワクチンで予防できる感染症

  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス2型感染症
  • 犬パラインフルエンザウイルス 

6種ワクチンで予防できる感染症

  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬コロナウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス2型感染症
  • 犬パラインフルエンザウイルス

8種ワクチンで予防できる感染症

  • 6種ワクチンで予防できる感染症
  • 犬レプトスピラ感染症(イクテロヘモラジー型)
  • 犬レプトスピラ感染症(カニコーラ型)

10種ワクチンで予防できる感染症

  • 8種ワクチンで予防できる感染症
  • 犬レプトスピラ感染症(グリッポチフォーサ型)
  • 犬レプトスピラ感染症(ポモナ型)

接種するワクチンは、ライフスタイルなどによっても変わるので、獣医師と相談して決めるようにしましょう。

猫の混合ワクチン

猫も犬同様にワクチンを接種することで予防することができます。

■猫の混合ワクチンで予防できる感染症

  • 猫伝染性鼻気管炎(FVR)
  • 猫汎白血球減少症(FPLV)
  • 猫カリシウイルス感染症(FCV)
  • 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
  • クラミジア感染症

ワクチンについては、獣医師と相談して決めるようにしましょう。

ワクチンの接種時期

予防接種のタイミングは、仔犬、仔猫のうちは、3~4週おきに2~3回接種し(初回接種の月齢や、ワクチンの種類によって変わる)、成犬、成猫になってからは、年1回の接種が一般的です。

犬に狂犬病接種はなぜ必要か

狂犬病の予防接種に関しては、様々な意見がありますが、犬への狂犬病予防注射は義務となっています。

厚生労働省の「狂犬病に関するQ&Aについて」には、以下の通り記載されています。

狂犬病は全ての哺乳類に感染しますが、まん延の原因となる動物は限られており、アジア地域等、狂犬病の流行国では、犬が主なまん延源となっています。従って、飼い犬に狂犬病の予防注射を接種することで犬でのまん延が予防され、人への被害を防ぐことができ、日本でも万が一狂犬病が侵入した場合に備えて、飼い犬への狂犬病予防注射を義務づけています。
犬を飼う人の義務ですので、毎年1回、必ず飼い犬に狂犬病の予防注射を受けさせましょう。

参考:厚生労働省「狂犬病に関するQ&Aについて」

狂犬病予防接種数の推移

年度 登録頭数 予防注射頭数 接種率
昭和35年 1,905,080 3,075,417 161.4%
昭和40年 2,362,632 3,999,176 169.3%
昭和45年 2,895,036 4,640,577 160.3%
昭和50年 3,197,228 5,157,812 161.3%
昭和55年 3,178,970 5,223,372 164.3%
昭和60年 3,430,916 3,460,920 100.9%
平成元年 3,726,229 3,697,397 99.2%
平成2年 3,889,612 3,862,619 99.3%
平成3年 3,913,500 3,888,926 99.4%
平成4年 4,055,708 4,041,703 99.7%
平成5年 4,114,874 4,088,435 99.4%
平成6年 4,143,370 4,111,445 99.2%
平成7年 4,223,830 4,303,566 101.9%
平成8年 4,799,379 4,283,977 89.3%
平成9年 5,137,331 4,450,606 86.6%
平成10年 5,424,157 4,479,486 82.6%
平成11年 5,645,424 4,578,277 81.1%
平成12年 5,779,462 4,606,527 79.7%
平成13年 5,939,595 4,646,046 78.2%
平成14年 6,084,731 4,681,524 76.9%
平成15年 6,262,510 4,741,488 75.7%
平成16年 6,394,226 4,801,709 75.1%
平成17年 6,479,977 4,796,585 74.0%
平成18年 6,635,807 4,910,047 74.0%
平成19年 6,739,716 5,097,615 75.6%
平成20年 6,804,649 5,091,515 74.8%
平成21年 6,880,844 5,112,401 74.3%
平成22年 6,778,184 4,961,401 73.2%
平成23年 6,852,235 4,985,930 72.8%
平成24年 6,785,959 4,914,347 72.4%
平成25年 6,747,201 4,899,484 72.6%
平成26年 6,626,514 4,744,364 71.6%
平成27年 6,526,897 4,688,240 71.8%
平成28年 6,452,279 4,608,898 71.4%
平成29年 6,326,082 4,518,837 71.4%
平成30年 6,226,615 4,441,826 71.3%
令和元年 6,154,316 4,390,580 71.3%
令和2年 6,107,548 4,286,980 70.2%
令和3年 6,095,250 4,320,473 70.9%
令和4年 6,067,716 4,299,587 70.9%
令和5年 6,054,519 4,251,235 70.2%

参考:厚生労働省「犬の登録頭数と予防注射頭数等の年次別推移」

犬の登録と観察

犬の登録を行うことにより、国内で飼われている犬の頭数、飼育場所等を把握することができます。犬の飼育頭数等を把握することは、狂犬病発生時対策の基礎情報となるだけでなく、通常時の狂犬病ワクチン製造量の目安ともなります。

生後91日以上の犬を飼い始めたら30日以内に、犬の所在地の区市町村で登録し、犬鑑札の交付を受けましょう。鑑札は必ず犬につけてください。

参考:東京都保健医療局「毎年4月から6月までは狂犬病予防注射月間です」

犬の登録と狂犬病予防注射は飼い主の義務

犬の飼い主には、
(1) 現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
(2) 飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
(3) 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること
が法律により義務付けられています。

参考:厚生労働省「犬の鑑札、注射済票について」

愛犬には狂犬病予防注射を必ず受けさせましょうけさせましょう!

世界では、発症するとほぼ100%の死亡率の狂犬病で、今なお毎年多くの人と
ペット達の命が失われています(年間死亡者数推計 55,000人以上:WHO統計<注1>)。
現在、日本国内における狂犬病の発生はありませんが、海外からの万一の侵
入に備えて、狂犬病の予防を確実に行いましょう。

狂犬病予防法により、犬の飼い主には、以下のことが義務付けられています。
1.犬を飼い始めたら30日以内に市区町村に登録すること。
2.犬に狂犬病の予防注射を年1回受けさせること。
3.鑑札と注射済票をいつも犬の体につけておくこと。

狂犬病とは、
狂犬病は主に狂犬病を発症した動物に噛まれることにより唾液中の狂犬病ウイ
ルスが傷口や粘膜面から神経組織に侵入して致命的な脳炎を引き起こす感染症
です。ペットフードから感染することはありません。毎年ワクチンを打ってお
けば狂犬病を確実に予防できます。

注1:統計データは、WHO(World Health Organization)の Fact Sheet No99
September 2012に基づきます。

監修:狂犬病臨床研究会
参考:ペットフード協会

まとめ

今回は、予防接種や健康管理についてご紹介しました。ペットの飼育を始めたら可愛いだけではなく「責任」が必要となります。飼い主としての責任を果たすことが愛犬、愛猫の健康を守ることに繋がっていくのではないでしょうか。

マイクロチップの装着に関してはこちらの記事をご覧ください。

執筆:equall編集部

 

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