ボロニーズとは
ピュア・ホワイトと呼ばれる真っ白な毛色のぬいぐるみのような優しいボロニーズ。日本にはわずか100頭未満しか生活しておらず大変希少な犬種です。癒し効果抜群のボロニーズの魅力に注目してみましょう。
ボロニーズの特徴
ボロニーズはプードルやビション・フリーゼ時にはMIXと間違われてしまうこともありますが、11世紀ごろから存在するといわれる大変古い犬種です。ボロニーズがプードル誕生のきっかけになったという説もあります。
性格は
- 温厚で大人しい
- 控えめ
- シャイ
- 甘えん坊
- 気まぐれ
- 攻撃性はない
見た目の印象そのままに控えめで大人しく、マイペースな生活を好みます。他犬とも友好的に接することはできますが、自分から積極的に遊びに誘うことはなく適度な距離を保ちながら友好関係を維持するタイプです。
運動は
激しい運動は好まず、プードルのような優れた身体能力ももっていません。家族と一緒に朝夕公園を散歩したり、休日はカフェのテラス席でのんびり過ごしたり、シニアになってからはペットカートでのんびり気分転換をしたりという暮らしぶりで十分です。
しつけは
控えめで臆病な面があり、家族から厳しく叱られたり、追い詰められると次第に家族や人間に恐怖心を抱き委縮した態度を見せるようになります。しつけは根気強く、オヤツなどを使って褒めながら教えてゆきましょう。
サイズ・毛色・体重など
JKCの定めるボロニーズのサイズ基準は
体高 牡:27~30cm 牝:25~28cm
体重 2.5~4kg
一見するとトイ・プードルと大差ない印象を受けますが、ボロニーズの方が胴回りがしっかりとしていて、足が短く丸みを帯びた体形をしています。
毛色はピュア・ホワイトと呼ばれる白一色のみです。毛質はプードルやビション・フリーゼにとてもよく似ていて、濡れている時は巻き毛でしっかりと乾かすとまっすぐな被毛が立ち上がります。色々なカットスタイルのアレンジができる点も魅力です。
ボロニーズの歴史
ボロニーズの歴史は大変古く11世紀には存在が確認されたいるものの、計画的に輩出された犬種ではないので、詳しい誕生の歴史は記録されていません。
イタリアで誕生したボロニーズは、突然変異種の小型犬がそのまま愛玩犬として定着したことが始まりで、温厚な性格は真っ白な毛色の美しさから貴族の注目を浴び、高価な貴金属などで飾り付けられた生活を長らく送っていました。
その後、2回の世界大戦を経験するものの、ボロニーズは他犬種のように軍用犬として活躍することもなく、貴族に同行し避難生活を送ったことで飼育頭数の大幅な増減もなく長く愛され続けています。
日本でも一部の専門家はこの犬種の存在を知っているものの、あまりに飼育頭数が少ないことから存在感は薄いといえるでしょう。ペットとしての人気は毛色のカラーバリエーションが多いプードルに押されたままの状態が続いています。
ボロニーズの飼育頭数
JKCの統計によるボロニーズの飼育頭数は
年度 | 飼育頭数 | ランキング |
2020 | 95 | 67位 |
2019 | 146 | 55位 |
2018 | 101 | 63位 |
2017 | 80 | 70位 |
ボロニーズという犬種の存在は知っているものの、実際に対面したことがあるという方はペット業界のプロの中でもごくわずかです。それほどまでに希少な犬種ですが、性格は温厚で抜け毛が少なく、運動量もさほど多くはなく飼いやすさは抜群で、初心者向けの犬種です。
ボロニーズの年間飼育費用
実際にボロニーズと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
一か月(単位:円) | 一年 (単位: 円) | |
ドッグフード | 3,000 | 36,000 |
トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
トリミング | 8,000 | 96,000 |
ペットホテル | 30,000 | |
ペット用品 | 2,000 | 24,000 |
医療費 | 30,000 | |
合計 | 14,000 | 228,000 |
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※算出方法は、コチラをご覧ください。
ボロニーズは抜け毛が少なく体臭もほとんど気にならないタイプですが、月に1回程度トリミングショップでのカットが必要です。また高齢になると体調不良も増えるので飼育費用は十分余裕をもって工面しておきましょう。
ボロニーズのケア
ボロニーズとの暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
〇歯磨き、デンタルケア
歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。
健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
【2、3日に一度】
〇ブラッシング
〇耳掃除
被毛はコシがありしっかりと下毛質なので毛玉やもつれができやすく、こまめなブラッシングが欠かせません。市販のブラッシングスプレーを使用すると自宅でも簡単にお手入れができます。
垂れた耳は通気性が悪く、内部で雑菌の繁殖が進みがちです。数日おきの拭き掃除で、耳内部を清潔に保ちましょう。
臭いや汚れは外耳炎のサインです。症状がある場合は早めに動物病院の受診を。
【月に一度】
〇爪切り
〇肛門腺しぼり
〇シャンプー
シャンプーは月に1度が目安です。シャンプー後は全身の水分をしっかりと取り除いてあげましょう。カットとシャンプーを自宅で済ませる場合は、プロ仕様のバリカンがあるとスムーズです。
ボロニーズのまとめ
外見の印象そのままに大人しく優しい性格のボロニーズ。小さなお子さんのいるご家庭はもちろん年配の方にも飼いやすい犬種です。ただ国内飼育頭数は本当に少ないので家族に迎えたい場合は長い目で出会いを探してゆきましょう。
執筆 :ライター 大谷