ミックス猫とは?
このところの猫ブームを受け、猫の魅力が再注目されはじめています。様々な特徴を持つ外国原産の猫が多数登場し話題を集めています。しかし国内の人気ランキング、飼育頭数統計によると猫の大多数はミックスであることがわかります。ミックス猫について詳しくご紹介させていただきます。
ミックス猫の特徴
ミックスは「和猫」や「日本猫」と呼ばれることもあります。一般的に、血統症を持たない猫、両親の血統が同一種でない猫を総称してこう呼びます。
猫は年間を通じて発情、妊娠が可能なことから、交配の管理が行き届かず、飼い主の意図に反した出産が少なくありません。そのため、日本に限らず海外でもミックスが多数誕生しています。
日本でよく目にする猫の中でも定番とされるチャトラや三毛猫も大半がミックスです。
和猫や日本猫と呼ばれるミックスの多くは
- 丸みを帯びた輪郭
- 丸みを帯びた体形
- 太い尻尾
- 短い尻尾
- 短毛
などの特長をもつことがあります。
ミックス猫の中でもチンチラやペルシャ、ノルウェージャンフォレストキャットのように長毛種を親に持つ場合は長毛の子猫が誕生する確率が高くなります。
また国内には猫の血統証発行団体が数多くあります。規模も大小さまざまです。血統証発行には都度費用がかかります。猫のブリーダーの中には、ペットとなる子猫にはあえて血統証の発行を行わないという方も増えています。このような場合もミックス、雑種として分類されます。
サイズ・毛色・体重など
ミックス猫のサイズは
- メス・・・3㎏前後
- オス・・・3~5Kg前後
このサイズはミックスの特長ではなく、一般的な猫の標準サイズです。
毛色は多岐にわたり、あらゆる毛色が誕生します。
ただ、
- チャトラ・・・オスが多い
- 三毛・・・メスが多い
- サビ・・・メスが多い
といった傾向がみられます。
ミックス猫の中には、アメリカンショートヘアーに大変よく似た毛色や模様を持つ猫が数多く生まれます。これは一時期の純血種ブームを経て、アメリカンショートヘアーが国内で急増したことがきっかけです。
当時は、猫は屋外で飼うもの、屋外と屋内を自由に行き来させるもの、もちろん避妊、去勢の必要性も浸透していなかったので、近隣の野猫との交配を経て、特長を受けついだミックスが急増しました。
ミックス猫の歴史
ミックスは、これまでの数回のペットブームでもペットショップの店頭に並ぶこともなく、ペットとは別枠に扱われてきた歴史があります。
ミックス猫は、野猫や知人からの譲渡で入手することが当たり前と考えられていました。
もちろんペット関連業者も純血種に比べミックスには商品価値がないという扱いです。
しかしここ数年の猫飼育ブームや保護猫のレスキュー活動を経て、ミックスへの注目があつまり、様々な統計上に飼育頭数の反映がされ始めています。
ミックス猫の飼育頭数
アニコムの統計によるミックスの飼育頭数は、2017年4月1日~2018年3月31日までの間に、アニコム損保の保険契約を開 始した猫105,776頭(性別不明含む、全年齢)において、各品種の頭数と、全体に占める割合を示したデータ。
※飼育頭数、順位は「アニコム 家庭どうぶつ白書」参照
<年度 飼育頭数 飼育頭数順位>
- 2023年 57,357頭 1位
- 2022年 43,321頭 1位
- 2021年 33,269頭 1位
- 2020年 27,548頭 1位
<飼育頭数推移>
<飼育割合>
2023年:27%
※飼育頭数の登録数割合
国内で飼育される猫の大半はミックスです。2位以下の純血種に大きく差をつけており、統計上はミックスと日本猫を別枠で計上していますが、この2種を合計するとさらに圧倒的な数字になります。
猫は犬のような体格差がないことから、飼い主側が血統にこだわらないという傾向があります。
血統よりも毛色や顔立ち、相性、出会いのシチュエーションに重点をおかれがちです。
今後もこの傾向は続くとみられ、猫ブームの主役はミックスが独占するでしょう。
ミックス猫の年間飼育費用
実際にミックス猫と暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
- キャットフード:月間2,000円 / 年間24,000円
- トイレ用品:月間1,000円 / 年間12,000円
- ペットホテル:年間30,000円
- ペット用品:月間1,000円 / 年間12,000円
- 医療費:年間20,000円
- 合計:年間98,000円
※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
猫ブームの背景には、しつけの手間がかからない、散歩がいらないという点に合わせて、飼育費用の負担が少ないという点も含まれます。
猫は食へのこだわりが強く、高価なウエットフードを好む場合もあるものの、消費量は少なく、月額で数千円程度が目安です。
猫は水を嫌う上に、毛づくろいをするのでトリミングを利用する機会もないでしょう。
ただし、近年、猫も犬同様にフィラリア症を発症することがわかり、毎年春~秋は予防薬の摂取が必要です。
高齢になると腎臓や尿路疾患を患う場合があり、医療費がかさむ場合があります。
猫の健康管理、交通事故や迷子のリスクを回避するために、生涯を通じて室内飼育が推奨されています。
ミックス猫のケア
ミックス猫との暮らしで習慣化すべきお手入れについて
猫との暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
- 歯磨き、デンタルケア
- 毛玉対策
デンタルケア製品は、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。ウエットフードを主食とする場合や頻繁に与える機会が多い場合、加齢とともに歯垢や歯石の付着が目立つようになります。口内トラブルは激しい痛みを伴い、絶食に至る場合もあるので、日ごろからのケアが効果的です。
毛づくろいをすることで、体内に一時的に抜け毛を飲み込みます。たいていの場合、便と同時に排泄されます。ただ中にはたびたびの嘔吐や腸閉塞を起こす猫もいるので、排泄がスムーズに行われていない場合は専用製品を利用し、ケアが必要です。
【月に一度】
- 爪切り
爪を定期的に切ることで、室内での爪とぎ軽減に効果的です。ただ中には爪切りを過度に嫌がる猫もいるので、無理強いは危険です。
ミックス猫のまとめ
ミックスの魅力は素朴さや人間との距離感、どこか懐かしさを感じる風貌だといわれています。ペットショップに並ぶ機会は少ないものの、保護団体や地域自治体などでミックス猫の譲渡活動が行われているので、猫を家族に迎えるほ方法の1つとしてぜひ活用を。
執筆:ライター 大谷
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