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ターキッシュアンゴラ とは
「トルコの生きる国宝」とも呼ばれる純白の被毛を持つ大変美しい猫です。純白の猫は大変希少なうえ、ターキッシュアンゴラは自然発生種の猫であることからさらにその希少性は高まります。 エレガントを極めたターキッシュアンゴラの魅力に注目してみましょう。
ターキッシュアンゴラの特徴
ターキッシュアンゴラは トルコの山岳地帯に古くから暮らす猫の1種です。純白で中短毛の飾り毛が日の光を反射し、優雅な歩様はまるでバレリーナの様だといわれるほどです。
性格は
- 温厚
- 落ち着きがある
- 一人で過ごすことが得意
- 束縛を嫌う
- 知能が高い
- 好奇心旺盛
と野生種らしさを色濃く残しています。ネズミ捕りを想起させるような遊びが得意で、猫用知育玩具なども難なくクリアできます。
持ち前の知能の高さから家族の様子からドアの開閉の仕方を覚えたり、オヤツの場所を見つけ出すというイタズラもたびたび起こります。
被毛は
ターキッシュアンゴラはシングルコートと呼ばれる一層構造です。中大型種の猫や自然発生種の猫の多くはダブルコートと呼ばれる二層構造の被毛を持ち下毛は綿状で高い保温性があります。しかしターキッシュアンゴラにはこの下毛がありません。
美しい被毛の手触りはまるで絹糸のように繊細です。ただあまりに毛質が繊細なため毛玉やもつれができやすく、週に数回は全身のブラッシングが必要です。
サイズ・毛色・体重など
ターキッシュアンゴラの体重は3~5㎏ほどです。長く豊富な被毛からより大柄な印象がありますが引き締まった均整の取れた体形は自然発生種ならではです。
本来は山岳地方の屋外で暮らす猫ですからペットとして暮らすには運動不足や肥満予防を心掛けましょう。
毛色は
血統証発行団体によってさまざまですが、本来のターキッシュアンゴラは純白です。団体によって タビー、キャリコ、バイカラー、スモークなどあらゆる色 が認められるケースもあります。同等サイズの純白の猫やチンチラなどとターキッシュアンゴラはたびたび混同されますが、シングルコートの被毛で見分けがつきます。
顔立ちは
アーモンド形の釣り目が特徴です。瞳の色も多種ありますが、ターキッシュアンゴラはバイアイと呼ばれる左右で色違いの瞳を持つ猫も珍しくありません。
ターキッシュアンゴラ の歴史
ターキッシュアンゴラはトルコの山岳地帯で自然発生した猫で、他純血種のように人為的に輩出された猫ではありません。世界最古と呼ばれるペルシャ猫のさらに祖先、起源となる猫がターキッシュアンゴラではという説もあるほどに古い歴史をもっています。
ターキッシュアンゴラは宝石とも呼ばれる美しさから、たびたび多くの外国人の目に留まり、マリー・アントワネットの愛猫であったことも有名です。
その後、ペルシャ猫の輩出にターキッシュアンゴラを用いたり、より人為的な交配が続けられ、一時は純血と呼べるターキッシュアンゴラは姿を消し、毛色や外見も変わり果ててしまいます。
しかしトルコはこの件を看過せず、ターキッシュアンゴラを 国の宝として首都アンカラの動物園で保存を進める取り組みを実行します。
以降、トルコではターキッシュアンゴラが国外で繁殖されることやその特徴が失われることを懸念し海外への輸出や人為的な交配に大変慎重な姿勢を保ち続けます。
トルコではターキッシュアンゴラは大変高級な猫でありイスラム教の神であるアラーの愛した猫として一般家庭で飼育されることはほぼなく、入手困難な猫とされています。
血統証認定のきっかけはトルコの動物園を訪れたアメリカ人軍人の家族によるアメリカへの持ち帰りです。アメリカでの人気を受け、背中を押される形でアメリカの血統証発行団体が純血種として認定しました。
ターキッシュアンゴラ の飼育頭数
アニコムの統計による ターキッシュアンゴラ の飼育頭数は
※飼育頭数、順位は「アニコム 家庭どうぶつ白書」参照
年度 | 飼育頭数 | ランキング |
2019 | ランキング圏外 | |
2018 | ランキング圏外 | |
2017 | ランキング圏外 | |
2016 | ランキング圏外 |
日本でターキッシュアンゴラは知名度、飼育頭数ともに低く、ペットショップで偶然出会うという機会はほぼありません。純血と呼べるターキッシュアンゴラを家族に迎えたい場合は、専門家への相談をオススメします。
ターキッシュアンゴラ の年間飼育費用
実際に ターキッシュアンゴラ と暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
一か月(単位:円) | 一年 (単位: 円) | |
キャットフード | 3,000 | 36,000 |
トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
ペットホテル | 30,000 | |
ペット用品 | 2,000 | 24,000 |
医療費 | 30,000 | |
合計 | 6,000 | 132,000 |
※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
※算出方法は、コチラをご覧ください。
ターキッシュアンゴラは良質な食事と衛生的な生活環境、適切な医療が整えば、それ以上に大きな費用が掛かることはありません。
ただ被毛のお手入れはこまめに行う必要があり、家族だけで難しい場合はトリミングショップを利用しましょう。
ターキッシュアンゴラのケア
ターキッシュアンゴラ との暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
〇歯磨き、デンタルケア
デンタルケア製品は、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。ウエットフードを主食とする場合や頻繁に与える機会が多い場合、加齢とともに歯垢や歯石の付着が目立つようになります。口内トラブルは激しい痛みを伴い、絶食に至る場合もあるので、日ごろからのケアが効果的です。
【月に一度】
〇爪切り
爪を定期的に切ることで、室内での爪とぎ軽減につながります。ただ中には爪切りを過度に嫌がる猫もいるので、無理強いは危険です。
【週に数回、季節や体調に応じて】
週に数回を目安にスリッカーで被毛の根元からブラッシングをしましょう。ブラッシングの際は、市販のブラッシングスプレーを利用すると、静電気を予防し、スムーズに櫛を通すことができます。
ターキッシュアンゴラ のまとめ
エレガントな外見とまるでバレリーナの様と表現される美しい歩様はまさにターキッシュアンゴラならではの魅力です。なかなか出会うチャンスはありませんが、家族に迎えた際は丁寧なお手入れと健康的な性格でターキッシュアンゴラらしい暮らしを続けてゆきましょう。