2023年は記録的な暑さの日が続き、暑さによる体調不良で動物病院にかかるワンちゃん、ネコちゃんが増えているそうです。熱中症は、人だけでなくペットにも注意が必要な症状です。今回は、ペットの熱中症について解説していきます。
目次
平均気温の上場
気象庁が公表している東京都の平均気温を見ると、1880年14.1度であったのに対し、2023年は17.8度(2023年8月時点の数値)となっています。
東京都の平均気温
※2023年8月時点の数値
参照元:気象庁ホームページ
熱中症による救急搬送人員
参照元:総務省消防庁ホームページ
ペットの熱中症
熱中症は体温が上昇し、臓器に障害を起こす状態です。犬や猫は発汗能力が低く、高温時には、熱を逃がすのが難しく、熱中症のリスクが増します。熱中症は、命に関わることもあるため、十分な注意が必要です。
犬の熱中症の症状
- 呼吸が苦しそう
- 吐き気や下痢
- 元気がない
など
熱中症の予防方法
屋内では、窓を開けたり、クーラーや扇風機を使用して温度を調節すること、犬の散歩は涼しい時間帯に行き、車内に犬を放置しないことが重要です。
予防を心掛け、症状が現れたらすぐに動物病院に連絡しましょう。
熱中症になりやすい犬種、猫種
犬種:パグ、フレンチブルドッグ、ブルドッグ、ペキニーズなど
猫種:ペルシャ、エキゾチックショートヘア、ノルウェージャンフォレストキャットなど
犬猫熱中症週間予報
アニコム損保が、飼い主さまの適切な対策により「防げる病気」である熱中症を予防するため、2013年から「犬の熱中症週間予報」をスタートし、2022年からは「猫の熱中症週間予報」も配信しています。
犬と猫の「熱中症週間予報」は、株式会社ライフビジネスウェザーの鈴木勝博氏(気象予報士/獣医師)とアニコム損保が独自に開発した熱中症指標をもとに作成され、アニコムグループのSNSアカウントで対象期間中、毎週配信される予定です。
犬と猫それぞれの体高や代謝などを考慮した指標と1週間分の気象予報から、全国主要10都市の熱中症注意レベルを「やや注意」「注意」「警戒」「厳重警戒」の4段階に分け、それぞれ犬と猫のイラストで表示します。
「熱中症週間予報」の予報対象期間
2023年4月19日(金)~9月末(予定)
2023年の診療件数
2023年の熱中症の診療件数は、犬は1,424件、猫は200件でした。
2023年の夏(6~8月)の平均気温は1898年の統計開始以降、最も高かったこともあり、犬と猫あわせて7月に538件・8月に464件発生し、この2ヶ月で年間の熱中症件数(1,624件)の6割以上を占めました。
また、暑さが秋になってもなかなか収まらなかったことから、9月にも175件の熱中症が発生しています。一方で例年と同様に、5月頃から診療件数が大きく増加する傾向も見られました。
本格的な暑さが始まる前や、真夏の暑さがある程度収まった後でも、注意が必要であることがわかります。
最も気を付けるのはフレンチ・ブルドッグ
犬種別の請求割合を見ると、最も高いのがフレンチ・ブルドッグで、犬全体の平均より3倍以上も高くなっています。鼻が短く、呼吸で熱を逃がすことが苦手なフレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭種、バーニーズ・マウンテン・ドッグやラブラドール・レトリーバーなどの大型犬は体温が上昇しやすいため、室内であっても温度管理に気を付けるなど十分に対策をしてあげましょう。
シニア犬は特に注意!
犬の年齢別に請求割合を見ると、幼齢からシニア期まで年齢に関わらず熱中症が発生していますが、特に高齢になるにつれて割合が高まる傾向にあります。また、持病を抱えている場合は脱水しやすい・呼吸状態が悪化しやすいなどの理由から発症のリスクが高まるため、特に注意が必要です。
入院で診療費が高額に
熱中症の治療にかかった費用を見てみると、通院の場合は犬が1.7万円・猫が1.4万円でした。一方で入院が必要な場合は犬が8.7万円・猫が3.9万円と高額になっています。
熱中症は重症化すると合併症を起こしたり、最悪の場合は命の危険もある病気です。もし症状が見られる場合は、早めに動物病院に連れていきましょう。
【対象】
・熱中症の月別診療件数:2023年1~12月の保険金請求データを集計
・熱中症の犬種別請求割合、熱中症の犬の年齢別請求割合、熱中症の年間平均診療費:2022年に保険の始期を迎えた犬789,216頭、猫248,018頭のデータを集計。犬種別請求割合は1,000頭以上契約があり、請求割合が高かった上位10品種を抽出した。
参照元:PR TIMES
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夏は熱中症に要注意!油断大敵!ワンちゃんは暑さに弱い!
まとめ
ワンちゃん、ネコちゃんとの楽しい時間を過ごすためにも熱中症のリスクが高まる夏は特に気をつけるようにしましょう。
症状があらわれた時は、動物病院で獣医師に相談し、適切な対処法でペットの健康を守るようにしましょう。
執筆:equall編集部