多頭飼いにおけるペット同士の関係性や、住環境でのお悩みについての調査

大和ハウス工業株式会社では、多頭飼いにおけるペット同士の関係性や、住環境でのお悩みに関するアンケートを実施。ペット同士のトラブル発生率やその内容、飼育スペースはどうしているのか?などについて調査しました。

さらに各アンケート結果から見えてきた傾向をふまえて、動物の生態についてよく知る動物行動学の専門家・茂木千恵先生にインタビュー。多頭飼いする上で注意すべき点や、ペットとのより良い暮らし方・住まい方のヒントを伺い、まとめています。

(調査期間:2020年10月6日~10月19日 有効回答数762件)

「家のどこで飼っていますか?」(複数選択可)の質問では、<犬多頭飼い>の回答を見ると、63%のご家庭では「いつも一緒にいられるから」「家族の目が届くから」との理由で、「LDK」を主な飼育場所にしていました。また、23%のご家庭では寝室へも入れているようです。


茂木先生コメント抜粋

「しつけの面から考えると、犬の自立心を養うために昼間は飼い主さんと別れて過ごせるようになった方が良いので、その場合せめて夜寝る時ぐらいは寝室で一緒に過ごすのもいいのでは?と私は考えます。ただし人間のベッドに上げないようにするなど、寝かせ方には注意が必要です」
 

<猫多頭飼い>の回答を見ると、猫の飼育場所は屋内全般で、一部の部屋を除き、自由に行き来できるようにしているご家庭も多くありました。
 
茂木先生コメント抜粋

「動物行動学的観点から見ると、猫は突然興奮して攻撃的になる時があるので、飼い主さんの安全地帯として、家のどこか一箇所は猫が入れない部屋を確保しておきましょう」

「一緒に世話をする上で苦労する点はありますか?」(複数選択可)と尋ねたところ、<犬多頭飼い>では「ケンカorいじめがある」「エサの横取りがある」「場所の取り合いがある」「飼い主の取り合いになる」といった多頭飼い特有のトラブルを抱えたご家庭は44%となっており、後述の猫の場合と比べると、ペット同士のトラブルは多くない印象です。

茂木先生コメント抜粋

「犬は群れで生活する生き物。どの犬が強くて自分はどの位置付けなのか、いったん序列が決まるとよほどのことがない限り、弱い犬は強い犬に譲るので小競り合いは少なくなります」
 

一方、<猫多頭飼い>では多頭飼い特有のトラブルが60%と、犬よりも多くなっており、「ケンカorいじめ」「エサの取り合い」「場所の取り合い」など、猫同士の小競り合いが多めのよう。
 
茂木先生コメント抜粋

「猫は自分の縄張りを大事にするので、その中でフードや水、トイレ、気持ちのいい場所など、自分にとって大切な食料や場所等を守ろうとするあまり、それを犯してくる他の猫と衝突してしまうことがあります。予防するとしたら、食料や場所等を潤沢に用意してあげる必要がありますね」
 

「愛犬や愛猫に、それぞれ専用スペースをつくっていますか?あるとしたらどのような空間ですか?」と尋ねると、<犬多頭飼い>で専用スペースを用意しているご家庭は57%。<猫多頭飼い>で専用スペースを用意しているご家庭は36%と、4割にも満たない結果に。
 
茂木先生コメント抜粋

「犬も猫も専用スペースは重要です。自分だけが使える場所があれば、ペットの日常的な安心感を高めてくれるでしょう。無駄ぼえの多い犬、自傷行為の出やすい猫。これらは自分専用スペースがなくてストレスをため込んでしまった結果であることも多く、専用スペースを設けると治っていった事例を何度も経験しています」

「飼っているペットはいたずら/そそうをしたことがありますか?」(複数選択可)と尋ねると、<犬多頭飼い>では全体の8割以上がなんらかのいたずら/そそうをしています。特に「不適切な場所での排せつ」が抜きんでており、なんと53%もの犬が排せつでの失敗をしているようです。
 

また、<猫多頭飼い>の回答では実に全体の9割以上がいたずら/そそうをしているという結果に。中でも「家を傷つける」や「吐き戻す」が60%強と多くなっています。

これら、いたずらやそそうをやめさせるためには、一体どうすればいいのでしょうか?


TRY家guide本編では、前述の飼育場所や多頭飼いトラブルへの対処方法、ペット専用スペースのつくり方、いたずら/そそうの防止対策など、茂木先生からいただいたアドバイスをさらに詳しくご紹介しています。
 
動物行動学に基づいて、動物の習性に応じた環境を整えてあげれば、飼い主さんの居住性を高めつつペットたちと快適に暮らせる家をつくることが可能です。

 

■関連サイト:PRTIMES

 

執筆:equall編集部

 

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