皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
前回お伝えした爪切りに必要な道具は揃えて頂けたでしょうか。
前回についてはコチラをご覧ください:https://media.equall.jp/?p=3117
それでは早速実践編の説明に参りたいと思います。
(作業前のスキンシップ済みとします)
①まず初めに安全に行うためになるべく明るい部屋で行って下さい。
そしてクイックストップをお持ちの場合はあらかじめ蓋にパウダーを少し出し、万が一出血させてしまった場合でも慌てないように自分の手の届くところに置いておきましょう。
②わんちゃんを支える。
③わんちゃんの指の付け根を持って保定し、1本ずつ、少しずつ切っていきます。この時、保定のスタイルがわんちゃんにとって曲げたら痛い方向などに曲げて保定してしまうと、爪切りが嫌なのでは無く、保定の体勢が痛いと言うことで動こうとしてしまうわんちゃんもいます。
わんちゃんの骨組みはロボットと似ていて、前と後ろには自由に動かすことができますが、外側や内側は基本的にいきにくい仕組みになってます。(老犬は特に。関節も硬くなってくるので)
※関節パテラ持ちの子も保定には十分気を使ってあげて下さい。そのことを念頭に置いて、保定してあげて下さい。
☆ここでのワンポイントアドバイスとしては、後ろ足からスタートするとより良いです。
なぜかと言うといきなり前足からスタートしてしまうと、カットする状況がガッツリわんちゃんに見えてしまう、そして、パチンパチンと言う音を怖がってしまうからです。
いきなり顔に近い前足からカットされるよりも、最初は顔から離れた後ろ足からスタートした方が、恐怖の緩和になります。
自宅での爪切りに慣れているわんちゃんでしたら前足からスタートしても全然構いません。もし他に手伝ってくれるご家族の方などいらっしゃいましたら、一緒に手伝ってもらいましょう。
嫌がるわんちゃんには一本カットする度におやつを与えて、爪切りは痛く無い&怖く無いよと優しく伝えてあげましょう。そして少しずつカットしていくと爪の中心に芯のようなものが見えてくると思います。
それが見えてきたら、それは神経です。それがちょうどストップラインと思うと良いでしょう。
それ以上カットしてしまうと出血してしまう可能性が高くなり、わんちゃんも痛みを感じてしまうのでその辺でストップしておきましょう。
この時にもし薄っすらとでも血が滲んだら、あらかじめ用意していたクイックストップで止血しましょう。
使い方は簡単です。パウダーひとつまみを出血箇所に詰め抑えて、10秒数えるだけです。足りなければ追加し、血が止まるまでパウダーを詰めながら数秒抑えるのを繰り返します。
目安としては真横から見て、肉球と大体並行ライン辺りまではカットしても通常は出血しません。が!ここでの注意点としては今現時点でかなり伸びきってしまっている場合、爪の中の血管や神経も一緒に伸びきってしまっていることがあります。
その場合、先ほどは肉球と並行ラインまでは大丈夫だとお伝えしましたが、少しカットしただけでもすぐに出血してしまいます。その為、あまりカット出来ず、少ししか短くできなくなってしまいます。
このことから、カットする時は少しずつ。そして、爪切りは一気に切らずに日頃から少しでも伸びたなあ、と感じたらちょこちょこお手入れしてあげることが好ましいです。
もし、あなたのわんちゃんがトリミングに出した後いつも爪にきいろいパウダが詰められているようなら、きっと愛犬はサロンでの爪切りの際に少なからず少しは出血し、痛い思いをしているかもしれません。
このコラムをきっかけに、これからは魔女のように伸びきった爪になってしまうよりも前に、ご自身でこまめにお手入れしてあげるようにしましょう。
そうすることで、わんちゃんもサロンで毎回痛い思いをせずに済みますし、これを機に愛犬と飼い主との絆がもっと深まるかもしれません。
④やすり。
やり方はとても簡単です。
わんちゃんの爪の付け根辺りを自分の指で押さえながら、やすりのヘラを色んな角度にしながらヤスルだけです。
ヤスリをお持ちでない方は爪切り後に、軽く散歩に連れ出してあげて、アスファルトの上を5〜10分程度歩かせてあげて下さい。
こうすることでカットした断面が自然に丸くなります。
おまけですが、欧米ではドラマーと言うやすりを使って、削りながら短くする手法も取り扱っています。特に爪がカットされる時の音が怖くて動いてしまう子は、意外とドラマーでやってあげると全く抵抗しなかったりします。
初めての自宅での作業だったり、爪切りがそもそも好きでは無いこには無理に押さえつけてやることは絶対におすすめしません。
初回は先っちょをほんの少しだけカットしておしまい、それでもわんちゃんは“あれ?もうおわった!!爪切りってそんなに怖いことじゃないのかも?”と徐々に理解してくれます。
ですので、コツとしては根気よく、でもどうしても嫌がる場合はあまり長時間はやらない。と言った形で、徐々に慣らしていってあげるが一番の近道だと私は、思います。
あ!狼瘡があるわんちゃんは狼瘡も忘れないで下さいねっ!
以上、爪切り実践編でした。
ここまで読んでいただき、自宅での爪切りは難しそうだなと少しでも感じた方は、お近くの動物病院やトリミングサロンで爪切りを行うようにしてくださいね。
トリマーのお仕事を少しでも知っていた頂けたら嬉しいです。
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トリマー:石原