コロナウイルスの感染が拡大する北海道。ペットへの影響は?

100年に1度という未曽有の事態に全世界が見舞われた2020年。多くの人が何かしら
のダメージを受け我慢したり、生活スタイルが一変したという人も少なくは無いと思います。

動物病院でも例外ではなく何かしらの感染対策を行い日々過ごしているのが現状です。

そんな中飼い主さんからも犬や猫に対するコロナウイルスの質問が多く寄せられます。特にここ北海道では多くの感染者も出ており気にする患者さんも多いです。実際に犬や猫に対するコロナウイルスの影響はどの程度あるのでしょうか。

新型コロナウイルスと愛玩動物

多くの患者さんから聞かれる質問として、自分のペットがコロナウイルスに感染するのかということです。これに関して答えは“Yes”です。これは多くの研究機関から明らかになっています。アメリカや香港では犬でのコロナウイルスの抗体が検出されたという報告がされています。

また猫に関しては東京大学医科学研究所の河岡義裕教授の論文にて「新型コロナウイルスに感染した猫3匹と未感染の猫3匹を同じケージに飼育したところ全頭での感染が確認された」との報告がありました。これまで感染した家族からペットに感染するケースが多かったですが河岡教授の論文では猫から猫という新しい感染ルートが証明された形になります。

ただ感染した猫では人のような重篤な呼吸器症状を呈する個体はなく、例え感染したとしても軽度の咳、ほとんどが無症状で終わります。また感染した猫、もしくは犬から人へと感染した報告は今の所ありません。

感染が判明したペットのほとんどが人からですので人間事態が感染対策をしていればペットに感染することはなく、ペットからも感染が成立することが無いとのことなので不必要に自分のペットに対して警戒する必要はないのかと思います。

東京大学医科学研究所
HP:ms.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/research/papers/post_135_00013.html

自分が感染した後に残されるペット

もしも自分がコロナウイルスに感染した場合、今の日本では軽症者は自宅隔離がメインになりますが症状がある場合は病院や隔離施設への移動が求められます。※各地域で対策は違ってくるので確認してください。

家族全員が感染者となり強制的に隔離が必要となった時は家を空けなければいけません。その時にペットがいる場合はどうすれば良いのでしょうか。まず普段通っている動物病院やペットホテルに連絡して受け入れてもらえるかを確認する必要があります

またペットが安心できるような知人などがいたらその方にお願いするのも一つです。

ただこのようなご時世でそういったお願いを聞いてもらえるのも中々厳しいかと思います。

そういった場合は、アニコムが行っている「#StayAnicom」というプロジェクトを利用するのが良いかと思います。こちらはアニコムの社員(獣医師含む)が無料で隔離期間中は預かり、お世話をしてくれるといった活動です。預かる前にはペットのPCR検査も実施してくれるみたいなので安心して預けることができます。

またアニコムの保険に加入していない場合も対応してもらえるとのことなのでまず連絡するのが良いかと思います。

アニコム #StayAnicomプロジェクト ペットお預かり希望者フォーム
https://service.anicom.co.jp/form/pub/anicompr/stayanicom

最後に

これまでに人から動物への感染は報告されていますが動物から人への報告はされていません。

なので動物がコロナウイルスを感染するからといって過度に怯える必要はなく、自分自身の感染対策をしっかりと行い、自分が感染しないことがペットにとっても有効な感染対策になるのではないかと思います。

自分が感染して隔離状態になればペットに負担がかかるのは明白であり、飼い主
と離れるストレスは計り知れないものがあります。

感染者が増えてきている今、改めて手洗いをしっかりと行いソーシャルディスタンスを心掛けて感染症対策を行いましょう。それが自分を強いては大切なペットを守ることに繋がります。

大変な日々が続きますがもう一度みんなで協力してこの困難を乗り越える事ができればきっと明るい未来が待っていると自分は思います。

 

equall LIFEでは犬が快適に暮らせるお役立ち情報を紹介していますので、参考にしてみてください。

 

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執筆:獣医師 小島成承

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