柴犬の特徴や性格は?飼い方・毛色・歴史・飼育費用を解説【犬種】

柴犬とは?

今や日本国内だけでなく欧米でも高い人気ぶりを見せている犬種です。素朴な風貌と家族へのまっすぐに向けられる愛情が日本犬、柴ならではです。一昔前の番犬としての気質は徐々に薄れ、今ではよき家庭犬、室内犬となりました。柴の特性を理解し、世界中で愛される柴の魅力に迫ってみましょう。

柴犬の特徴

日本古来の犬種であり、日本犬の中でもっとも小柄な犬種が柴です。

密集した2層の被毛、大きく巻き上げた尾が特長で、素朴な風貌が人気の理由の1つです。

性格は、

  • 我慢強い
  • 忠実
  • 人見知り

と表現されます。

ペットとして暮らすうえでは、人見知りやシャイ、犬嫌いと捉えられることもあります。

洋犬に比べ控えめな性格で内向的ともいわれます。ただ洋犬にはない忠実さや飼い主への一途な愛情は日本犬ならではです。

柴はほんの30年ほど前までは、庭先で暮らす番犬でした。小柄な体形は野山で野生動物と対峙する狩猟には不向きです。その代わり、庭先で番をして、他人や他動物の気配を感じたときは大声で鳴き、家族に知らせるという役目は忠実に全うできます。

この特性は、現在の柴にも色濃く受け継がれています。

家族には甘えますが、家族以外、他犬には明確に一線を画します。

トリミングショップや動物病院の利用時は、悲鳴に近い鳴き声で拒絶をアピールすることもあります。本来の柴は家族に大変忠実な犬種であり、家族に牙をむくことはあり得ないとされる犬種です。しかし中にはこの特性に反して家族に激しい攻撃性を見せる犬もいます。問題行動がみられる場合は、早期に専門家への相談が必要です。

サイズ・毛色・体重など

JKCでは柴の性格を「忠実で、感覚鋭敏、警戒心に富んでいる」と定義しています。日本古来の犬種であり、日本犬の中で最小サイズです。

柴の血統証発行団体は国内に複数あります。今回は血統証発行団体の中でも最大規模のJKCのデータをもとにします。

JKCの定めるサイズ基準は

  • 体高 牡:39.5cm 牝:36.5cm (それぞれ上下各1.5cmまでとする。)

体重に関する規定はありません。

ただ外貌は

  • よく均整がとれている
  • 骨格がしっかりとしている
  • 筋肉がよく発達している
  • 体質は強健で素朴感がある
  • 動作は敏捷で、かつ自由で美しさを有している

と定められています。

過度に小柄な場合、毛量が少なく日本犬特有の毛質をしていない場合などは欠点とされる場合があります。

またあらゆる犬種の小型化が近年進む中で、豆柴、小豆柴という名称で呼ばれる小柄な柴がたびたび注目を集めています。

実はこの名称、サイズはJKCが認定しているものではありません。一部の愛好家、ペットショップによる呼び名であり、成長後のサイズの定めも曖昧です。

本来中型犬である柴を過度に小柄化することは、先天性疾患や短命、発育不良などのリスクが高まる場合があります。

毛色は、

「赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻。」

上記毛色は全て「裏白」でなければならないとJKCによる定められています。

赤とは茶色の意味です。

裏白とは、首元から腹部にかけて白い毛を有するという意味です。

最近は白一色の柴も増加傾向にあります。

柴犬の歴史

柴の歴史は大変古く、「日本古来の土着犬」といわれています。血統証発行団体の認定が下りる以前から一般家庭で共に暮らしていた長い歴史があります。

柴という名称は、「小さなもの」「小さな犬」を意味しています。秋田犬や土佐犬といった大柄な日本犬の中で最小という意味です。

柴は日本海に面した山岳地帯に生息し、小動物や鳥の猟犬、番犬として暮らしていた歴史があります。その後、1868年から1912年にかけて、イングリッシュ・セターやイングリッシュ・ポインターなどのスマートな洋犬種が多数輸入され、この地域でも飼育頭数が急増します。

元来の日本犬に比べスマートな外見、狩猟にたけた特性を持つ犬種は爆発的な狩猟、洋犬ブームを起こします。

しかし日本犬特有の忠実さにはほど遠く、次第に日本犬、柴との交雑が進みます。その結果、純血種といえる柴は激減してゆきます。

柴の急減が危惧されたことで、1934年社団法人日本犬保存会のスタンダードが制定され、1936年柴は天然記念物に指定されます。

現在では、柴の特性を深く理解した一部の愛好家が「保存会」の発足や種の保存に熱心に取り組んでいます。

柴犬の飼育頭数

JKCの統計による柴犬の飼育頭数は下記の通りです。
※飼育頭数、順位は5位

<年度 飼育頭数 飼育頭数順位>

  • 2023年(1月〜12月) 6,159頭 11位
  • 2022年(1月〜12月) 8,568頭 9位
  • 2021年(1月〜12月) 9,958頭 7位
  • 2020年(1月〜12月) 9,262頭 8位
  • 2019年(1月〜12月) 10,307頭 7位
  • 2018年(1月〜12月) 10,553頭 5位
  • 2017年(1月~12月) 11,829頭 5位
  • 2016年(1月~12月) 12,235頭 5位

<飼育頭数推移>

波はありますが減少を続けています。

<柴の飼育割合>

2023年:2%

※飼育頭数の登録数割合

柴の飼育頭数、人気順位を意外と感じる方も多いでしょう。この数値は、JKCで血統証を発行した柴に限っています。そのため柴を親に持つMIXはカウントされていません。

日本では柴を親に持つMIXが相当数いるので、実際に身近で見かける頭数はもっと多いでしょう。

柴は家族以外に距離を置き、他犬と無暗に交流をする気質ではないので、計画的な交配や繁殖、そのための多頭飼いが難しいとされています。

そのため人気はあるものの、ペットショップに並ぶ頭数は少なく、頭数が増大しない傾向があります。

柴犬の年間飼育費用

実際に柴犬と暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

  • ドッグフード:月間3,000円 / 年間36,000円
  • トイレシーツ:月間1,000円 / 年間12,000円
  • トリミング:月間8,000円 / 年間96,000円
  • ペットホテル:年間30,000円
  • ペット用品:月間2,000円 / 年間24,000円
  • 医療費:年間30,000円
  • 合計:年間216,000円

※医療費(混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)

※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります

柴の一か月のドッグフード消費量は3㎏前後です。トイレシーツは散歩中にトイレを済ませるようしつけることで節約をすることもできます。

トリミングは短毛種、カット不要なものの高額になりがちです。これは毛量が多く、抜け毛を取りやドライヤーにプロトリマーであっても相当な手間がかかるためです。

比較的な体が丈夫で犬種ならではの持病もありませんが、食物アレルギーや加齢に伴う皮膚トラブルが増える傾向があります。

柴犬のケア

【毎日】

  • 歯磨き、デンタルケア

歯ブラシ、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。愛犬の性格や口内の状況、使い勝手の良さで選びましょう。

健康な状態の歯は白く、艶があります。歯の根元や表面が茶色や緑に変色している場合は、早急に動物病院を受診しましょう。

柴は苦手なこと、怖いことを極端なアピールで拒絶することがあります。家族に迎えた直後から口元や口の中に触れることに慣れさせ、習慣化してゆきましょう。

【2、3日に一度】

  • ブラッシング

抜け毛が多く、こまめなブラッシングが必要です。ブラッシングには市販のブラッシングスプレーを使用すると被毛が湿り気を帯び、抜け毛が飛び散らずに取り除くことができます。

ブラッシングは背中やわき腹だけでなく、尻尾の付け根、首回りなども念入りに。

【月に一度】

  • 爪切り
  • 肛門腺しぼり
  • シャンプー

自宅シャンプーでも十分なお手入れが可能です。ただ毛量が多く抜け毛が多い季節は手がかかることも。

またシャンプー後のドライヤーも生乾きにならないよう念入りにしなければなりません。

抜け毛が多い時期、風邪をひきやすい寒い時期などはトリミングショップを都度利用することもおすすめです。

柴犬とお出かけする方法

ペットと一緒に行ける施設

ペットと一緒に行ける施設にも色々な種類があります。

愛犬家の定番であるドッグランや公園・ドッグカフェ・ペットイベント・複合施設・宿泊施設(温泉)だけではなく、ショッピングセンター・テーマパーク・キャンプなど最近は様々な施設がペットと一緒に楽しめるようになってきました。

特に犬同伴OKのカフェは、新型コロナウィルスの影響で増えたように感じます。
企業や店舗が新しいお客さんの獲得策としてペット連れも来店できるようになってきており、この流れは加速するのではないかと考えられます。

また、ペットの種類や大きさによって行ける場所も変わってきますので、事前に調べてからお出かけするようにしましょう。

車移動・タクシーの注意点

ペットと車でお出かけする際は、温度調整を忘れずに行うようにして下さい。特に夏は、熱中症になりやすいので注意が必要です。
車の中に犬を置いて出かけるのもNGです!

少しの時間だけだからと・・と油断しないようにしましょう。

最近では、ペット用のシートもあり、室内をペットが快適に過ごせるようなグッズも増えておりますので、活用するとより安心なお出かけに繋がります。

車でお出かけをする際には、しつけが必要と言われますが、お出かけする前にしつけをする事は、車の中だけでなく、ドッグカフェや宿泊施設での行動にも役立ちます。

そして、意外と飼い主さんが忘れてしまっている重要ポイントが、目的地までの時間と休憩ポイントを把握しておく事です。

近場であれば良いですが、遠出する場合には、必ず事前に調べておきましょう。

ペットとタクシーについて>>

電車移動の注意点

電車移動する際は、犬の体が隠れるバッグやキャリーに入れる必要があります。
電車は、車と違いペットが嫌いな方やアレルギーを持つ方もいます。
キチンとマナーを守った上で乗車するようにしましょう。

また、各鉄道会社でペット向けのルールが異なります。詳しいルールについては、以下の記事をご覧ください。

ペットと電車について>>

バス移動の注意点

バス移動する際は、犬や猫の体が隠れるバッグやキャリーに入れる必要があります。
バスは、車と違いペットが嫌いな方やアレルギーを持つ方もいます。
キチンとマナーを守った上で乗車するようにしましょう。

また、各バス会社でペット向けのルールが異なります。詳しいルールについては、以下の記事をご覧ください。

ペットとバスについて>>

飛行機移動の注意点

ペットと一緒に旅行へ行きたい!と思っている方が沢山いると思います。

そもそも飛行機に乗れるのか?どのように手続きすればいいのか?誰も教えてくれないので分からない。と悩んでいる方のお力になれれば思い解説したいと思います。

結論から言いますと・・ペットと飛行機に乗って旅行できます!

但し、種類や健康状態などによっては搭乗が出来ない場合もあるので、事前にご確認ください。

ペットと飛行機移動を解説>>

お出かけ先での注意点

ペットはいつもと違う場所に行くと、不安や緊張状態になってしまい自宅とは違う行動をとる可能性もあります。
特にペット向けの施設は、様々な種類のペットが来ているので、ペットから目を離さないようにしましょう。
もしもの時の為に、鑑札や迷子札も準備しておきましょう。
最近では、迷子になった時にすぐ見つける手段としてApple社のAirTagを活用する事もおすすめです。

全国対応版!のおでかけスポットはこちら

ペットと楽しめるイベント情報

ペットのイベントは様々な種類があり、その楽しみ方も多様化しております。
ペットイベントは、外出する機会が多い犬向けイベントが多いですが、外出が難しい猫ちゃん向けのイベントは、飼い主さんが集まり買い物をする場としてイベント(にゃんだらけ等)が開かれており、犬向けのイベントではワンちゃん参加型のイベント(イヌリンピック,エクストリームなど)や買い物を楽しむイベントがあります。

イベントを最大限に楽しむコツとしては、事前のリサーチが重要です。
イベントの開催時期や参加する人数、どんなショップが出店するのかを把握してから参加するようにしましょう。
イベントの情報を調べる方法は、イベント公式サイトの他にSNSやYouTubeを活用するのがおすすめです。

最新のペットイベントの情報はこちら

またイベントのマナーを守って楽しむ事で、参加者の皆さんが心地よくイベントに参加する事できますので、うんちやおしっこの処理や犬同士の挨拶の仕方など家族である愛犬の飼い主として守るようにしましょう。

イベントのマナーについてはこちらの記事をご覧ください>>

柴犬のまとめ

素朴な風貌が何よりの魅力な柴。人気犬種ブームに左右されることなく安定した人気ぶりです。

家族へまっすぐな愛情を注ぐ反面で、周囲とは距離を置きがちです。柴の特性を理解しておくと、よりよい暮らし方を見つけることができます。

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執筆:ライター 大谷

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