はじめに
皆さん、こんにちは。
自宅でのリモートワークが増えてきている中で急増中なのが愛犬たちの分離不安症です。
愛犬が分離不安症かもしれない、と心当たりのある方は是非、前の記事の【分離不安症の症状14選】を読んでからこちらの記事を読んで頂けると更に理解力が深まると思います。
まずこの分離不安症のわんちゃんが増加傾向にある一番の理由として、飼い主さんが長い時間家に居るようになったことでわんちゃんたちの人間への依存度がいつも以上に高まってしまっているのが多くあるパターンです。
犬は遥か昔は群れで活動する生き物だった(今もですが)為に、その本能、習性が発動し易い環境になってしまっている、というわけです。なので飼い主さん(ボス)の後をちょこちょこちょこちょことどこまでも着いてきてしまう、と言うわけです。笑
しかしわんちゃんの分離不安症は飼い主さんにも愛犬にもお互いとても辛いです。しかしお互いの信頼関係を今以上にしっかりと気づき、お互いが信用できるようになればお留守番が今よりもっと楽になります。わんちゃんはストレスを溜めずに一人の時間も楽しめるようになりますし、飼い主さんも愛犬の悪態(留守番中に物を破壊するなど)を気にかけずに気軽に外出できるようになります。
諦めずに解決策を一緒に探してみましょう!
愛犬の分離不安解消方法
ということで今日は愛犬の分離不安解消方法についていくつか方法を紹介していきたいと思います。
が、その前に。年齢などで諦めてしまうのは早いです。確かに子犬の頃に躾てあげるのが一番すんなり覚えやすいし慣れやすいですが、成犬のわんちゃんもまだまだチャンスはあります。これは飼い主さんが根気よく向き合えば必ず乗り越えられる症状です。
まず一つ目に、一番多くの時間を過ごすことの多い家の中で、同じ空間に居ても目が合う度に愛犬の頭を良い子良い子したり、赤ちゃん言葉で話かけたり抱きあげたりすることを控える、です。
分離不安の愛犬は家の中でもあちこち着いて回ったり、目で飼い主さんを追っていたりするかと思います。そんな健気な姿に思わず“ちょこちょこ着いてきてかわいいなぁ“
“こんなとこ(トイレ)まで着いて来ちゃってほんと可愛いなぁ“などと思ってしまうことでしょう。
そしてついつい頭を撫でてあげたり抱き上げてあげたりしてしまいがちです。
しかしそういった間違った行動こそが分離不安のレベルを更に高めてしまいます。
そしてそんな時に効果のある愛犬に対する対応が、愛犬と“目を合わせない“です。
これをすることにより、愛犬は“あ、今は忙しいんだな、今は相手にしてくれないんだな、“と悟ります。そして落ち着くと昼寝をし始めたりします。
と言った感じでまず第一ステップとしては【トイレやお風呂場まで着いてきてしまうのを待てる様にしよう!】です。
同じ家の中にいても、この時間はこれをする時間、と決めて、それが終わるまではなるべく素っ気ない態度を取る様にし、それが終わってリラックスタイムになったら散歩に連れ出してあげたり沢山スキンシップを取ってあげる、といった要領で、生活にメリハリをつけることがこの分離不安症軽減に繋がります。
お仕事や家事の時間とわんちゃんタイムをしっかり区別し、それを愛犬にも理解させることです。
次に大切なのが、実際のお留守番ですね。この分離不安症と言う症状はこのお留守番時にこそ症状が表れやすいです。
良くある改善策として、外出時にご飯やおやつをあげて、愛犬が夢中で食べている間にこっそり外出する、などといった策ですが、これをすることに寄り、わんちゃんがご飯やおやつを食べなくなってしまうリスクがあります。わんこもおバカではないので、毎回毎回それをしてしまうと、“ご飯、おやつ=飼い主さん出かける“と紐付いてしまい、ご飯やおやつを与えられただけで不安になってしまうようになります。そうすると最悪のケース、食べなくなってしまう恐れもあります。
そしてそれプラス、外出時にご飯やおやつを与えて、愛犬が夢中になっている間にこっそりお出かけをしてしまうと、飼い主さんが居ない間に愛犬が喉に詰まらせてしまったりした場合に気づいてあげられません。
短鼻種や老犬は特に危険です。
ですので私個人の意見ですが、お出かけ前の食べ物は良くないと思います。
また、わんちゃん達の中には飼い主さんのメイクしたり制服などに着替えたりしている様子だけでも“あ。ママパパ出かけようとしてるゾ。“と気づく子も沢山います。
何度も言いますがわんこもばかじゃないんです。笑
私が個人的に有効的だと思うお留守番トレーニングが、最初のうちは1分、5分、10分と時間と回数を重ねながら、ちょこっと庭の郵便物を確認しに行ってすぐ戻る。、ちょこっとゴミ出ししに行ってすぐ戻る。、ちょこっと近くのコンビニに行ってすぐ戻る。、などと言った要領で時間を少しずつ伸ばしていき、回数を重ねてお留守番に慣らしていく、というスタイルです。これが第二ステップになります。
要は、わんちゃんに“ちょっと出かけてもすぐに戻ってくるよ♪“と言うことを理解(&慣らす)させてあげるということです。
急に最初から1時間以上のお留守番だとそれこそヒステリックを起こしてしまいかねないので、1分、5分、15分、といった要領で少しずつ慣らしてあげるとうまくいきやすいです。
そしてこの策で1番重要なのが、帰宅時に “ただいまぁ〜!わぁ〜!良い子してたぁ〜?(ワシャワシャ〜)“ としないことです。笑
やっても敢えて普通のテンションで“良い子だったね“ くらいが良いです。
そうすることでわんちゃんに“お留守番は別に大変なことでもすごいことでもない。ただの日常の一環なんだ“と悟らせることができるからです。
それから、お留守番時にケージに入れてお留守番、なども良く耳にしますが、これも良くないです。いつでも自分のケージに出入りし易い様に、ケージの入り口を開放しておいてあげるのは勿論良いと思うのですが、完全に中にわんちゃんを入れてしまった状態でお留守番はわんちゃんにとって結構ストレスになってしまいます。そして何より留守番中の温度調節が出来ません。
わんちゃんは放っておくと日中のお留守番中など、寒い時期には日当たりの良い場所に自分で移動し、日向ぼっこをしながらお昼寝をしたり、暑い夏には(もちろんエアコンがついているとは思いますが)自分で玄関のタイルなど冷たい所に自分のお腹を付けて体の温度調節を自分で行ったりするからです^^
また、一部では分離不安症のわんちゃんには他の犬を追加で飼って2頭以上で群れさせることにより、一人留守番による分離不安を解消させる効果があるといった策もある様ですが、最近のアメリカのdog separation anxietyについての論文を読む限りでは多頭飼いをすることによる分離不安解消の根拠は無い、とのことでした。
以上、愛犬に溺愛している飼い主さんにはちょ〜っとだけ気持ち的に結構辛いトレーニングになってしまうかもですが、わんちゃんの心の不安症を取り除いてあげる為に、気合いと根気を入れて頑張ってみて欲しいと思います。
3か月もすればかなり慣れることができると思います。今日の記事もみなさんの参考になれたら嬉しいです。
執筆:トリマー石原