プチ・ブラバンソンの特徴や性格は？飼い方・毛色・歴史・飼育費用を解説【犬種】

つぶれ気味の鼻に大きな丸い瞳、きゅっと巻いたしっぽ。愛嬌たっぷりの顔立ちと、人間らしい表情なのが「プチ・ブラバンソン」です。

この記事では、プチ・ブラバンソンの特徴や性格、サイズ・毛色、歴史、日本での飼育頭数、年間飼育費用、ケアのポイントやお出かけのコツを解説します。

プチ・ブラバンソンとは？

プチ・ブラバンソンは、ベルギー原産の小型コンパニオン・ドッグです。

ジャパンケネルクラブ（JKC）は、プチ・ブラバンソンを小型のコンパニオン・ドッグ、理解力があり、バランスが取れ、注意深く、誇り高く、飼い主に対してたいへん愛情深いと紹介しています。
ブリュッセル・グリフォン、ベルジアン・グリフォン、プチ・ブラバンソンの3犬種は、ブリュッセル周辺にいた小型で粗毛の「Smousje」と呼ばれる犬を祖先としています。

プチ・ブラバンソンの特徴

プチ・ブラバンソンの性格の傾向は次のようにまとめられます。

性格

• バランスの取れた小型の犬
• 注意深く、誇り高い
• 飼い主に対してたいへん愛情深い
• 警戒心が強い
• 臆病でもなければ、攻撃的でもない

家族への愛情が強く、長時間の留守番や構ってもらえない時間が続くとストレスを感じやすい一面もあります。子犬期からの社会化トレーニングと、日々のコミュニケーションがとても大切です。

運動量

体は小さいですが、若いうちは活発でよく動きます。

• 1日2回の散歩
• 室内でのボール遊び、引っ張りっこ、知育トイ
• ドッグランでの運動

短頭種寄りの顔立ちのため、真夏の炎天下や蒸し暑い時間帯の運動はNG。涼しい時間帯を選び、こまめに水分補給をしながら無理のない運動を心がけましょう。

サイズ・毛色・体重など

JKCの定めるサイズ基準は

• 体高：-
• 体重：3.5〜6kg

体長と体高がほぼ等しい「スクエア型」の体型で、骨太ながらもコンパクト。胸はほどよく張り、短めの背中と、ゆるくカーブして背中側に向いたしっぽが特徴的です。

毛質・毛色

プチ・ブラバンソンは、グリフォン系3犬種の中で唯一の「短毛種」です。

• 毛質：スムースコート（短くなめらか）
• 毛色：ブリュッセル＆ベルジアン・グリフォンと同じカラーが許容
• 特徴：黒いマスク（顔の黒い差し色）が入りやすい

JKCでは、プチ・ブラバンソンについて「グリフォンと同じ毛色が許容され、ダーク・マスクを持つ」としています。

ブラック、ブラック＆タン、レッド〜レッドブラウンなど、個体によって表情が変わりますが、どの毛色でも大きな瞳とマスクのコントラストがとても印象的です。

プチ・ブラバンソンの歴史

プチ・ブラバンソンの祖先は、ベルギー・ブリュッセル周辺の厩舎でネズミ退治に活躍していた粗毛の小型犬「スムッシェ（Smousje）」だといわれています。

19世紀に入り、

パグ、イングリッシュ・トイ・スパニエル（キング・チャールズ・スパニエル）などが交配され、現在のようなつぶれた鼻と大きな目を持つタイプが固定されました。

もともとは馬車や馬小屋をネズミから守る番犬・害獣駆除犬として活躍していましたが、その愛嬌ある見た目と聡明さが上流階級・王侯貴族の目に留まり、やがて宮廷のコンパニオン・ドッグとして人気に。ベルギー王室に愛されたことから、1900年前後には特に高い人気を誇ったとされています。

その後、戦争などで頭数が激減した時期もありますが、熱心なブリーダーによって血統が守られ、現在の「グリフォン系3犬種（ブリュッセル・グリフォン／ベルジアン・グリフォン／プチ・ブラバンソン）」として世界各国の犬種団体に登録されています。

プチ・ブラバンソンの飼育頭数

JKCの統計による飼育頭数は下記の通りです。

年度 飼育頭数 飼育頭数順位

飼育頭数推移

全犬種の中でもかなり希少なグループに入ります。そのため、ペットショップで出会う機会は少なく、多くの場合は専門ブリーダーからの迎え入れや、里親募集情報を地道にチェックして出会いを待つ形になります。

プチ・ブラバンソンの年間飼育費用

実際にプチ・ブラバンソンと暮らす場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

※医療費には混合ワクチン・狂犬病予防接種・フィラリア、ノミダニ予防などの「予防医療のみ」を概算しています。
※フードのランク、トリミング頻度、ペットホテルの利用回数、病気やケガの有無によって実際の費用は前後します。

短頭種寄りの体型で呼吸器や目のトラブルが出やすいことを考えると、将来の医療費は少し多めに見積もっておくと安心です。

※算出方法は、コチラをご覧ください。

プチ・ブラバンソンのケア

【毎日】

• 歯ブラシ
• 指サック型ブラシ
• デンタルシート
• デンタルガム／飲み水に混ぜるタイプ

【2、3日に一度】

• ラバーブラシで抜け毛を落とす
• コームで毛流れを整える
• 目・口周りの汚れもこまめに拭き取る

【月に一度】

• シャンプー
• 爪切り
• 耳掃除
• 肛門腺しぼり

健康面で気をつけたいポイント

グリフォン系3犬種で共通して注意したいのは、次のような点です。

• 短頭種に多い呼吸器系トラブル、熱中症
• 大きな目ゆえの角膜損傷やドライアイ
• 小型犬に多い膝蓋骨脱臼（パテラ）
• 皮膚炎・アレルギー

フローリングにはマットを敷く、夏場はエアコンで室温を管理するなど、日常生活の環境づくりも大切です。定期的な健康診断も取り入れましょう。

プチ・ブラバンソンとお出かけする方法

家族と一緒に行動するのが大好きな犬種です。マナーと安全に注意すれば、さまざまなお出かけを楽しめます。

ペットと一緒に行ける施設

• ドッグラン・犬連れOKの公園
• ドッグカフェ
• ペット同伴可のカフェ・レストラン
• ペットイベント・マルシェ
• ペット同伴可のホテル・旅館・コテージ

ただし施設ごとに

• 同伴可能エリア
• カート・キャリー必須かどうか
• 頭数制限

などのルールが異なるため、事前に公式サイトやSNSで確認しておきましょう。

車移動・タクシーの注意点

• キャリーやクレートに入れ、シートベルトで固定する
• 夏場は短時間でも車内放置は絶対NG
• エアコンで温度調節・こまめな水分補給
• 長距離移動では、こまめに休憩を取る

タクシー利用時は「ペット同乗OK」の会社や、事前予約制のサービスを選ぶとスムーズです。

ペットとタクシーについて>>

電車移動の注意点

多くの鉄道会社で共通するルールは、

• 体がすべて入るキャリー・バッグに入れる
• 顔を出さない
• 手回り品切符などの持込料金が必要な場合も

といった内容です。短頭種は暑さ・ストレスに弱いので、混雑時間を避け、通気性の良いキャリーを選びましょう。

ペットと電車について>>

バス移動の注意点

バスも基本的には「キャリーに完全に収容」が条件です。

• 他の乗客への配慮（鳴き声・臭い）
• アレルギーのある方への配慮

のためにも、事前にキャリー慣れやクレートトレーニングをしておくと安心です。

ペットとバスについて>>

飛行機移動の注意点

航空会社ごとに、

• 受け入れ可能な犬種・体重
• 機内持込か貨物室扱いか
• 予約方法・料金
• 夏季・冬季の受け入れ制限

などが細かく定められています。短頭種は気圧・温度変化のリスクが高いとされるため、

1. かかりつけ獣医師に健康状態を確認してもらう
2. 航空会社の最新ルールを確認する

ペットと飛行機移動を解説>>

お出かけ先での注意点

• 必ずリードをつけ、目を離さない
• 他犬・他人との距離感を尊重し、無理に挨拶させない
• 排泄物の処理・マーキング対策は飼い主の基本マナー
• 迷子対策として鑑札・迷子札・マイクロチップ登録を

最近は、AirTagなどの位置情報タグを首輪・ハーネスに付ける飼い主さんも増えています。万が一の迷子や災害に備えておくと安心です。

全国対応版！のおでかけスポットはこちら

ペットと楽しめるイベント情報

• ドッグスポーツ・運動会・タイムレース
• ペットグッズやフードのマルシェ
• 保護犬・保護猫の譲渡会
• 獣医師・トレーナーによるセミナー

イベントを楽しむコツは、事前リサーチ。

• 会場の広さ・混雑具合
• 出店内容やサービス
• 駐車場・公共交通機関でのアクセス
• ペット同伴ルール（カート推奨・マナーベルト必須など）

をチェックしたうえで参加するのがおすすめです。公式サイトに加え、SNSやYouTubeを活用すると、雰囲気や混み具合もイメージしやすくなります。

プチ・ブラバンソンのまとめ

見た目はちょっと個性的。でも、一度一緒に暮らすと、その表情の豊かさと家族への一途さにすっかりハマってしまう。そんな魅力を持った犬種がプチ・ブラバンソンです。