動物病院は、20年間増加を続け、2024年は12,846施設となっています。本記事では動物病院の推移と現状について解説します。
動物病院の推移
動物病院の数は、2004年に9,245施設でしたが、20年後の2024年には、12,846施設となっており、3,601施設増加しています。
年度 | 動物病院の数 |
2004年 | 9,245 |
2005年 | 9,482 |
2006年 | 9,729 |
2007年 | 9,836 |
2008年 | 10,027 |
2009年 | 10,135 |
2010年 | 10,350 |
2011年 | 10,551 |
2012年 | 10,741 |
2013年 | 11,032 |
2014年 | 11,259 |
2015年 | 11,486 |
2016年 | 11,675 |
2017年 | 11,839 |
2018年 | 11,981 |
2019年 | 12,116 |
2020年 | 12,247 |
2021年 | 12,435 |
2022年 | 12,616 |
2023年 | 12,706 |
2024年 | 12,846 |
一方で犬猫の推移に関しては、減少または横ばいとなっている状況が続いています。
犬猫の飼育数についてはこちらの記事をご覧ください。
動物病院の二極化
飼い主にとっては病院を選ぶ選択肢が増えるので良い事のように感じるかもしれませんが、獣医師が1名だけで診療する小規模クリニックも多く、充実した設備が整っている大型病院は都市部に集中しているため、地域による格差が生まれているといえます。
飼い主は、設備の有無で検査・治療の幅が大きく変わるので、初診時に確認する必要があります。
診療費も上がっている
近年では、CT・MRI・内視鏡など高度医療機器の導入により動物の医療費も上がっています。
近年では、動物病院の広告のルールも変わり、病院の情報が分かりやすくなる一方で、広告費が治療費に転嫁される可能性もあります。
また、開業獣医師の平均年齢も高齢化し、後継者不足が深刻となっており、国内外の企業やファンドが病院を買収するケースも増えています。
動物病院を選ぶ時のポイント
動物病院を選ぶ時、近いからという理由だけではなく、設備やコミュニケーションについても確認するようにしましょう。
- 設備が揃っているか
- 治療についてきちんと説明してくれるか
- 専門医が在籍しているか
- 治療費をHPなどで公表しているか
まとめ
病院数が増えて競争が生まれ、医療の質が上がる一方で、医療の質に地域差が生まれているのが現状といえます。
ペットの一生は人の4〜5倍速で進みます。「ここなら安心」と思える病院を早めに見つけること、もしもの時のために、2〜3病院の情報を持っておくとあると良いでしょう。
小さな変化を見逃さず、納得できる説明と費用を提示してくれる獣医師を“家族の伴走者”として選ぶようにしてください。
参考:
農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」
農林水産省「獣医療広告制限見直しについて」
氏政(2023)「小動物獣医業界をめぐる現状と課題~非臨床獣医師からの提言~」日獣会誌,76,540-545
執筆:equall編集部
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