獣医師が解説!ペットと暮らす北海道の冬

ペットと暮らす北海道の冬

暑さもようやく落ち着いてきて過ごしやすくなる日も多くなった感じがしてきましたが、ここ函館では秋を通り越して一気に冬の気温に近づいてきている気がします。食欲の秋であるこの季節がたまらなく好きな私にとっては少々残念でならないです。笑

そんな私も去年の冬に来てから2回目の北海道の冬を経験しようとしています。
本州とは違いここ北海道は11月からは雪も降り10月には冬支度をしないとなりません。

では北海道のペットはどのように過ごし乗り越えているのでしょうか?
本州とはちょっと違う冬の生活をご紹介しようと思います。

北海道の冬 犬編

北海道の冬は寒さはもちろんですが雪が最大の障害になるのかなと思います。しかし、散歩が好きな犬は雪など関係なく喜んで外にでます。病院にいるスタッフ犬も11才になっても変わらずに外にでようとします。それは雪の中へもぐんぐん突っ込んでいきます。

その後に残るのは満足そうに見つめる愛犬と毛についた大量の雪。これを落とすのが大変で体温が高いせいか雪が溶けてすぐに犬がビタビタになってしまいます。北海道の雪はまだ水分が少ないので良いですが、水分が多い時はやっかいです。それでも本人は嬉しいそうなので何とも言えなくなりますね。

そして意外にも多いのが室内で暖かくいることで脱水になってしまう犬が多いことです。北海道は外気温が低い分、室温が全国で一番高い都道府県でも有名です。そのため乾燥状態で温かい部屋の中に長時間いることで気づかないうちに脱水症状を示す事があるので注意が必要です。

去年もなんだか元気がないという症状できた犬が顕著な脱水を示していた例が何例か見受けられました。

寒い冬には盲点でもあるので注意が必要です。

北海道の冬 猫編

犬とは対象的に猫はそこまで寒さに強いわけではなくむしろ苦手です。家猫であれば暖房をつけて部屋を暖かくしていれば体調を壊すこともなく快適に暮らすことが出来ます。むしろ暖かすぎるので犬と同じように脱水には注意です。

特に猫の場合は水分を取らないでいるとおしっこが濃くなることによって膀胱結石になりやすくなってしまう子もいます。そのため水分量のチェックや尿量のチェックなどは気をつけて見ていなければなりません。

北海道にも外猫は少ないですけれどもある程度います。そんな外猫たちはこの寒さをどうやって過ごしているのでしょうか?

私個人の意見になるのですが、大きく分けて2通りいるとされています。1つ目は冬の時だけ家の中に入る、もしくは寝る時だけ家の中に入るというパターンです。2つ目は複数の猫が集まり寄り添いながら暖をとって過ごしている事が多いです。

ですので各場所に群れのように過ごしている猫集団をよく目にします。こういった猫たちはよく軒下にいるときが多くまさに猫団子のように集まっています。

おそらく1匹だと寒さが厳しく生命の危機に瀕すると本能的に理解しているのでしょう。

最近は野良猫の保護や避妊去勢などが多く行われているため、数としてはそこまで多くありませんが数少ない野良猫達はそのように厳しい北海道の冬を過ごしているのだと思われます。

最後に・・・

人によっては暑いほうが好きな人や寒いほうが得意な人など様々ですがこと動物にとっては暑いよりも寒いほうが得意な個体が多いと思われます。

人よりも基礎体温が高く熱が逃げにくい体質なので寒さのほうが断然過ごしやすいですし、他の動物達と協力して凌ぐ事も出来るので寂しくないのかもしれませんね。

今年の夏は北海道も暑く、雨もよく降っていたので大雪が予想されます。函館に来たばかりの自分にとっては未知の経験がたくさん待っていると思いますが函館在住の先輩ワンちゃんやネコちゃんから冬の北海道の過ごし方を少しでも学べたらなと思っている次第です。

執筆:獣医師 小島成承

 

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