ベルジアン・グリフォンの特徴や性格は?飼い方・毛色・歴史・飼育費用を解説【犬種】

黒い大きな瞳に、ワイヤー状のひげ、つぶれ気味の鼻が可愛いく、ちょっと渋い個性的なルックスと、人間味あふれる表情が魅力の小型犬がベルジアン・グリフォン です。

同じベルギー原産の

  • ブリュッセル・グリフォン
  • ベルジアン・グリフォン
  • プチ・ブラバンソン

の3犬種は、まとめて「グリフォン系3犬種」とも呼ばれ、毛色・毛質違いの“いとこ”のような存在。中身はどれも、飼い主大好きなコンパニオン・ドッグです。

この記事では、色、歴史、日本での飼育頭数、年間飼育費用、ケアのポイントやお出かけのコツまでまとめて紹介します。

ベルジアン・グリフォンとは?

ベルジアン・グリフォンは、ベルギー原産の小型コンパニオン・ドッグです。

ジャパンケネルクラブ(JKC)は、ベルジアン・グリフォンを次のように紹介しています。

小型のコンパニオン・ドッグ。理解力があり、バランスが取れ、注意深く、誇り高く、飼い主に対してたいへん愛情深い。
ブリュッセル・グリフォンと同じ粗剛毛(ラフコート)ですが、

  • ブリュッセル・グリフォン:レッド系の毛色
  • ベルジアン・グリフォン:ブラック、またはブラック&タン
  • プチ・ブラバンソン:短毛のスムースコート

と、主に毛色・毛質で区別されています。
顔全体を覆うラフなひげと、黒いマスクのコントラストが強いベルジアン・グリフォンは、3犬種の中でもいちばん“渋め”な雰囲気の持ち主です。

ベルジアン・グリフォンの特徴

性格

ベルジアン・グリフォンの性格は、各種資料で次のようにまとめられています。

  • バランスの取れた小型の犬
  • 注意深く、誇り高い
  • 飼い主に対してたいへん愛情深い
  • 警戒心が強い
  • 臆病でもなければ、攻撃的でもない

家族への依存度が高い分、

  • 長時間の留守番が続く
  • 構ってもらえない状態が続く

といった状況でストレスをためやすい一面も。在宅時間が長い家庭や、一緒に過ごす時間をしっかり確保できる方に向いています。

運動量

体は小さくても活動的です。

  • 1日2回の散歩
  • 室内でのボール遊び、引っ張りっこ、知育トイ
  • ドッグランでの運動

などを行いましょう。
頭を使うゲームやトレーニングが大好きなので、単なる散歩だけでなく「探して持ってくる」「トリックを覚える」など、脳トレ要素のある遊びを取り入れると満足度が高くなります。

サイズ・毛色・体重など

JKCの定めるサイズ基準は

  • 体高:
  • 体重:3.5〜6kg

小型ながら骨太で、筋肉がしっかりついたがっしり体型。丸い頭と極端に短いマズル、大きな目がこの犬種の特徴です。

JKCでは、ベルジアン・グリフォンの毛質・毛色は次のように定められています。

  • ブラック、ブラック&タン
  • タン・マーキングははっきりとした一様の色でなければならない
  • タン・マーキングは前脚の足から手根までと、後脚の足から飛節にかけて見られ、脚の内側に上がっていく
  • 胸や頬、顎、目の上、耳の内側、尾の裏側、肛門の周りにも見られる
  • ブラックはレッド・ブラウンと混じってもよいが、ピュア・ブラックあるいはブラック&タンのほうが好ましい
  • 胸に見られる僅かなホワイトは許容されるが、理想的ではない。

顔のひげや眉の部分の毛が長く伸び、人間味のある表情を作り出します。

ベルジアン・グリフォンの歴史

ベルジアン・グリフォンのルーツは、ベルギー・ブリュッセル周辺の厩舎でネズミ捕りとして活躍していた粗毛の小型犬「スムッシェ(Smousje)」だと言われています。

19世紀に入り、

  • パグ
  • イングリッシュ(キャバリア)・キング・チャールズ・スパニエル
  • ヨークシャー・テリアなど

との交配を通じて、現在のような大きな目と短いマズルを持つタイプが固定されました。

もともとは

  • 馬小屋や馬車をネズミから守る害獣駆除犬
  • 御者の相棒

として働いていましたが、そのユニークな見た目と賢さが評判となり、やがて上流階級や王侯貴族のコンパニオン・ドッグとして人気に。

ブリュッセル・グリフォン、ベルジアン・グリフォン、プチ・ブラバンソンは、「スタンダードはほぼ共通で、被毛と毛色だけが違う3バリエーション」 として扱われています。

ベルジアン・グリフォンの飼育頭数

JKCの統計による飼育頭数は下記の通りです。

年度 飼育頭数 飼育頭数順位

2010年 36頭 87位
2011年 40頭 80位
2012年 27頭 83位
2013年 26頭 88位
2014年 23頭 93位
2015年 29頭 82位
2016年 41頭 78位
2017年 38頭 79位
2018年 38頭 82位
2019年 42頭 79位
2020年 17頭 94位
2021年 34頭 88位
2022年 37頭 83位
2023年 51頭 76位
2024年 42頭 80位


飼育頭数推移

全犬種の中でもかなり希少なグループに入ります。
日本国内では、知る人ぞ知る犬種といえます。

そのため、ペットショップで見かけることはほとんどなく、

  • 専門ブリーダーから迎える
  • 里親募集サイト・保護団体・SNSをチェックして出会いを待つ

といった形になるケースが多いでしょう。

ベルジアン・グリフォンの年間飼育費用

実際にベルジアン・グリフォンと暮らす場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。小型犬をモデルケースとした、1カ月・1年間の目安は次の通りです。

  1か月(単位:円) 1年 (単位:円)
ドッグフード 2,000 24,000
トイレ用品 1,000 12,000
トリミング 8,000 96,000
ペットホテル   30,000
ペット用品 2,000 24,000
医療費   30,000
合計 13,000 216,000

※医療費には混合ワクチン・狂犬病予防接種・フィラリア&ノミダニ予防などの「予防医療のみ」を概算しています。
※フードのグレード、トリミング頻度、ペットホテルの利用回数、病気やケガの有無によって実際の費用は大きく変動します。

※算出方法は、コチラをご覧ください。

ベルジアン・グリフォンのケア

【毎日】

  • 歯ブラシ
  • 指サック型ブラシ
  • デンタルシート
  • デンタルガム/飲み水に混ぜるタイプ

【2、3日に一度】

  • ラバーブラシで抜け毛を落とす
  • コームで毛流れを整える
  • 目・口周りの汚れもこまめに拭き取る

【月に一度】

  • シャンプー
  • 爪切り
  • 耳掃除
  • 肛門腺しぼり
  • ストリッピング/プラッキング(必要に応じて)

健康面で気をつけたいポイント

ベルジアン・グリフォンで特に注意したいのは次のような点です。

  • 短頭種寄りゆえの呼吸器トラブル・熱中症
  • 大きな目ゆえの角膜損傷・ドライアイ
  • 小型犬に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)
  • 皮膚炎・アレルギー

フローリングには滑り止めマットを敷く、夏はエアコンで室温管理するなど、日常の環境づくりも重要です。

ベルジアン・グリフォンとお出かけする方法

ベルジアン・グリフォンは、家族と一緒に行動するのが大好きな犬種です。マナーと安全に注意すれば、さまざまなお出かけを楽しめます。

ペットと一緒に行ける施設

  • ドッグラン・犬連れOKの公園
  • ドッグカフェ
  • ペット同伴可のカフェ・レストラン
  • ペットイベント・マルシェ
  • ペット同伴可のホテル・旅館・コテージ

小型でキャリーにも入りやすいベルジアン・グリフォンは、屋内施設との相性も◎。ただし施設ごとに

  • 同伴可能エリア
  • カート・キャリー必須かどうか
  • 頭数制限

などのルールが異なるため、事前に公式サイトやSNSで確認しておきましょう。

車移動・タクシーの注意点

  • キャリーやクレートに入れ、シートベルトで固定する
  • 夏場は短時間でも車内放置は絶対NG
  • エアコンで温度調節・こまめな水分補給
  • 長距離移動では、こまめに休憩を取る

タクシー利用時は「ペット同乗OK」の会社や、事前予約制のサービスを選ぶとスムーズです。

ペットとタクシーについて>>

電車移動の注意点

多くの鉄道会社で共通するルールは、

  • 体がすべて入るキャリー・バッグに入れる
  • 顔を出さない
  • 手回り品切符などの持込料金が必要な場合も

といった内容です。短頭種は暑さ・ストレスに弱いので、混雑時間を避け、通気性の良いキャリーを選びましょう。

ペットと電車について>>

バス移動の注意点

バスも基本的には「キャリーに完全に収容」が条件です。

  • 他の乗客への配慮(鳴き声・臭い)
  • アレルギーのある方への配慮

のためにも、事前にキャリー慣れやクレートトレーニングをしておくと安心です。

ペットとバスについて>>

飛行機移動の注意点

航空会社ごとに、

  • 受け入れ可能な犬種・体重
  • 機内持込か貨物室扱いか
  • 予約方法・料金
  • 夏季・冬季の受け入れ制限

などが細かく定められています。短頭種は気圧・温度変化のリスクが高いとされるため、

  1. かかりつけ獣医師に健康状態を確認してもらう
  2. 航空会社の最新ルールを確認する
この2点は必ず事前に行いましょう。

ペットと飛行機移動を解説>>

お出かけ先での注意点

  • 必ずリードをつけ、目を離さない
  • 他犬・他人との距離感を尊重し、無理に挨拶させない
  • 排泄物の処理・マーキング対策は飼い主の基本マナー
  • 迷子対策として鑑札・迷子札・マイクロチップ登録を

最近は、AirTagなどの位置情報タグを首輪・ハーネスに付ける飼い主さんも増えています。万が一の迷子や災害に備えておくと安心です。

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ペットと楽しめるイベント情報

  • ドッグスポーツ・運動会・タイムレース
  • ペットグッズやフードのマルシェ
  • 保護犬・保護猫の譲渡会
  • 獣医師・トレーナーによるセミナー

イベントを楽しむコツは、事前リサーチ。

  • 会場の広さ・混雑具合
  • 出店内容やサービス
  • 駐車場・公共交通機関でのアクセス
  • ペット同伴ルール(カート推奨・マナーベルト必須など)

をチェックしたうえで参加するのがおすすめです。公式サイトに加え、SNSやYouTubeを活用すると、雰囲気や混み具合もイメージしやすくなります。

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イベントのマナーについてはこちらの記事をご覧ください>>

ベルジアン・グリフォンのまとめ

ちょっと渋くて、小さな体に大きな個性。ベルジアン・グリフォンは、しっかり向き合って育てるほど、濃密なパートナーシップを楽しめる犬種です。






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執筆:equall編集部

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