ペットを飼育するために必要な年収・月収・貯金額はいくら?犬と猫の飼育費用を解説

ペットという存在は私たちの生活に多くの喜びと癒しをもたらしてくれますが、ペットを飼うためにはそれなりの経済的な負担が伴います。
この記事では、ペットを飼育するために必要な年収・月収・貯金額について実際の費用を解説していきます。

犬や猫を飼育するためにかかる費用

ペットを家族に迎える際に考慮すべき費用は多岐にわたります。
日常的な生活費から、緊急時の医療費まで、さまざまな費用が存在します。
ペットを飼うときに知っておくべき経済的な負担について詳しく解説していきます。

ペット購入費用

まずは犬や猫などの生体を購入する費用が掛かります。ペットショップやブリーダーからの購入は高額となりますが、最近では保護犬や保護猫を譲渡する方が増えております。

日常生活の費用

ペットの日常生活には、食事やトイレシーツなどのケア用品の購入も必要になります。
またストレス発散のおもちゃ等のアイテム、犬は散歩用のリードや首輪も必要になります。

ペット用品のお買い物についてはこちらの記事をご覧ください
https://media.equall.jp/archives/21485

定期的な費用

ペットの種類によって費用は変わってきます。犬の一部の犬種は定期的なトリミングが必要です。
また、ペットの健康を保つためのワクチン接種、ノミ・ダニ駆除、フィラリア予防薬なども予算内で計画することが重要です。

医療費

ペットが病気やけがを負った場合、治療費や手術費が発生します。特に高齢になるにつれて動物病院へ行く機会が増えていきます。

ペット保険

ペットには公的な保険制度が存在しないため、飼い主はペット保険への加入を検討する必要があります。保険料も年間の費用として考慮しておきましょう。

ペット保険についてはこちらの記事をご覧ください
https://media.equall.jp/archives/23942

その他のサービス費

ペットのしつけやトレーニング、ペットホテル、ペットシッターなどのサービス利用時にも費用が発生します。ペットと暮らす場合は旅行の計画も変わってくるので注意しましょう。

ペットとおでかけする際の注意点はこちらの記事をご覧ください
https://media.equall.jp/archives/20262

購入例

犬:ワクチン、健康診断、ドッグフード、おやつ、トリミング、ペットホテル、リード、首輪、食器、トイレ、ベッド等

猫:ワクチン、健康診断、キャットフード、おやつ、キャットタワー、首輪、トイレ等

動物(ハムスター、ウサギなど):ケージ、ペットフード、健康診断の費用等

魚:水槽、フィルター、エサ等

このようにペットを迎えることは、飼い主にとって喜びでありますが、経済的な側面もしっかりと把握し、計画的に飼育することで、ペットとの長く幸せな生活を築いていくことができます。

ペット飼育で実際に掛かる費用

実際にかかる費用について解説していきます。
ペットを飼育する際にかかる年間の費用をアニコム損害保険株式会社が発表しておりますのでご紹介します。

2023年に発表した「2022最新版ペットにかける年間支出調査」によると、犬・猫それぞれについて1年間にかける費用は以下の通りです。

  • 犬:357,353円
  • 猫:160,766円

年間支出のうち、犬は4割・猫は5割が「治療費」と「フード・おやつ」

犬・猫ともに支出が大きかった項目は、「ケガや病気の治療費」と「フード・おやつ」で、合わせると犬では全体の37.3%、猫では49.9%を占めました。どちらもペットが元気に暮らすためには欠かせない項目であり、飼い主からは「フードを良質なものに変えた」「少しでも楽しく暮らせるよう食事のレパートリーを増やした」などの声が聞かれました。

「飼育に伴う光熱費」が犬・猫ともに増加

犬・猫ともに「飼育に伴う追加の光熱費」の増加が目立ちました。2022年は梅雨明けから猛暑が続いたことや、電気代・ガス代の値上げなどもあり、この項目にも影響があったものと考えられます。ペットと暮らすには温度・湿度管理は必要不可欠で、冷暖房などを一年中つけているというご家庭も多く、光熱費への影響も避けては通れないといえるでしょう。

「外出に伴う支出」が増加

猫で増加している項目に「ペットホテル・ペットシッター」(前年比102.5%)があります。理由としては「仕事で自宅を留守にする日が増えた」「行動制限が減り家族で旅行に出かけたため」などの回答が見られました。また、飼い主と一緒に外出することが多い犬では、「ドッグランなど遊べる施設」(前年比130.8%)「交通費」(前年比129.3%)が増えています。新型コロナウイルスの感染が落ち着きを見せた時期に、ご家族でお出かけを楽しんでいたことがうかがえます。

ワンちゃんは犬種によって差がある

トイ・プードル:「シャンプー・カット・トリミング料」の支出が大きい

最も合計が高かったのはトイ・プードルの37万円で、全体平均を1万円以上、上回りました。トイ・プードルは、被毛が伸び続けることから定期的なカットが必要なため、「シャンプー・カット・トリミング料」が7.3万円と高額で、「治療費」の7.0万円を上回るとともに、柴犬の2.7万円と比べても3倍近い出費となっています。

チワワ:体格小さく「フード・おやつ」費用は抑えめ

超小型犬で食事量も少ないチワワは「フード・おやつ」の費用が3.8万円と、全体平均の6.6万円を大きく下回りました。「サプリメント」も0.9万円と、全体平均の1.1万円を下回っています。

柴犬:「ケガや病気の治療費」が少ない

柴犬は「フード・おやつ」が7.8万円で、全体平均を1万円以上、上回りました。一方で「ケガや病気の治療費」は5.6万円と、全体平均よりも少ないという結果でした。

ミニチュア・ダックスフンド:「洋服」「サプリメント」に出費

ミニチュア・ダックスフンドの「洋服代」は1.2万円で、4犬種の中で最も高額でした。独特の体型であるミニチュア・ダックスフンド専用の洋服を販売しているブランドも多く、納得の結果といえそうです。また、椎間板ヘルニアにかかりやすいなどの影響か、サプリメントにも費用をかけている飼い主が多いことがわかります。

およそ4割が「ペットのほうが美容院の費用が大きい」

飼い主自身よりもペットにかける支出が大きい項目としては、「美容院(理髪店)」が最多でした。トリミングが必要な犬種では、「飼い主自身は2~3ヶ月に1度なのに、愛犬は毎月トリミングに通っている」「パックなどを行うので」などの回答がありました。ペットのほうが「治療費」が高い理由としては「ずっと元気でいてほしい」という声のほか、「人間よりペットが優先」「一番大事だから」という愛情に溢れる声をいただきました。

うさぎ、小動物では光熱費が犬・猫以上に 

うさぎと、ハリネズミやハムスターなどの小動物※にかける費用は、年間10万円台でした。中でも特筆すべきは「飼育に伴う追加の光熱費」で、うさぎで2.5万円、小動物で3.4万円と、犬・猫よりも高い結果となりました。犬・猫に比べると寒さに弱いペットも多く、夏のエアコンだけでなく冬は専用のヒーターで保温する必要があることなどが理由として考えられます。
※:モモンガ、リス、ハムスター、ネズミ、モルモット、ハリネズミ、チンチラを含みます。

参照元:PR TIMES

また、人間と同じように、ペットも年齢を重ねる毎に費用が上がっていきます。シニアになった後のフードや病院の費用も考慮して計画を立てるようにしましょう。

物価高騰でペット飼育費用も上昇

最近の物価高騰により、ペットフードなどペットに掛かる費用も増加しています。
物価高騰は光熱費など日常的に掛かる費用にも影響するため、ペットを飼育費用するための費用をきちんと確保できるかを考えてから飼育するかどうかを決断した方が良いでしょう。

物価高騰とペットに関してはこちらの記事をご覧ください
https://media.equall.jp/archives/20968

ペットを飼育するために必要な年収

ペットの飼育費用は、住んでいる地域や家族構成、住宅ローン有無など生活スタイルによっても変わります。ペットと暮らす上で必要な金額も飼育するペットによって変わるので一概には言えませんが、おおよその目安としてご紹介します。

家族・子供がいるケースを考えてみると、生活する上で掛かる費用(家賃、食費、学費など)が月25万円掛かり、毎月5万円を貯蓄すると考えると、手取りで360万円が必要になり、ここにペット飼育費用が追加となります。
※共働きの場合は世帯年収

年間飼育費用
犬:約36万円
猫:約16万円

必要手取り年収
犬:約396万円
猫:約376万円

年収にすると約450〜500万円が必要になります。

1ヶ月で見てみると以下の通りになります。

月間飼育費用
犬:約3万円
猫:約1.3万円

必要手取り月収
犬:約33万円
猫:約31万円

月収にすると約37〜42万円が必要になります。

一人暮らしの場合は、この費用よりも低くなりますがペットは平均14〜15年生きますので、将来結婚したり、子供ができることを考慮しながら計画を立てなければいけません。
飼えなくなったではすまされないので、お金や時間に余裕がない方は、ペットを気軽に飼ってはいけないと言われているのです。

また、予想外の支出がある可能性を考えて、ペットを迎える前にはある程度貯金しておくことも必要です。

貯金額は一概にいくらあれば大丈夫ということはいえませんが、ある程度の蓄えは必要になるでしょう。

年収金額や資産によると思いますが、もしもの時に備えて、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の平均以上の貯金があると安心して飼育できるのかもしれませんね。

今回ご紹介したのは、あくまで一例であり、居住地域や環境など様々です。長期的な視点できちんと計画を立てて無理なく飼育できる環境を整えてから飼育をすることが大切です。

日本人の平均給与

国税庁のホームページを参考に日本人の平均給与についてご紹介します。

給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は4,494万人であり、これを男女別にみると、男性2,839万人、女性1,655万人となります。

給与総額のうち、1年を通じて勤務した給与所得者に支払われた給与の総額は207兆1,594億円であり、これを男女別にみると、男性160兆8,197億円、女性46兆3,397億円です。

1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は461万円であり、これを男女別にみると、男性567万円、女性280万円です。

1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は42.9歳(男性43.1歳、女性42.7歳)となっており、また、平均勤続年数は12.0年(男性13.4年、女性9.4年)となっています。

平均給与及び対前年伸び率の推移

年齢階層別の平均給与

平均給与を年齢階層別にみると、男性では年齢が高くなるに従い平均給与も高くなり、50~54歳の階層(707万円)が最も高くなっているが、女性では年齢による較差はあまり顕著ではない

参照元:国税庁「平均給与」

飼う前に考える10のポイント

ポイント1

あなたの住まいはペットを飼える住居ですか?転居や転勤の予定はありませんか?

住居の広さや周辺環境など、近隣に迷惑を掛けないように飼うための環境が整っているか、再確認しましょう。また、転居や転勤の予定がある場合は、慎重な判断が必要です。

ポイント2

あなたの飼いたいペットは、あなたのライフスタイルに合っていますか?

ペットは種類や品種によって、生態や必要な世話が大きく異なります。
見た目やイメージにとらわれることなく、それぞれのペットの特性をよく理解して、自分のライフスタイルと目的に合っているか、冷静に判断して下さい。

ポイント3

あなたの家族は全員動物を飼うことに賛成していますか?

ペットを飼うのに、家族の理解と協力は不可欠です。あなたが突然の病気やアクシデントに見舞われたときも、家族の協力が必要となります。

ポイント4

家族に動物に対するアレルギーを持っている人はいませんか?

動物の毛やフケ、排泄物などにアレルギー反応を起こす体質の人もいます。飼う前に医師に相談するなど慎重な判断が必要です。

ポイント5

毎日欠かさず世話に時間と手間をかけられますか?

犬・ねこの平均寿命は適正に飼養すれば約15年です。毎日のエサ、糞尿の始末、清掃、散歩、しつけ、健康管理など約15年間欠かさず続けていくことが出来るかよく考えて下さい。

ポイント6

あなたの体力で世話ができるペットですか?

小さな子供がいる家庭や、高齢者のみでペットを飼う場合、それぞれの環境や体力に合った種類や大きさを選ぶ必要があります。
特に高齢者の場合は、飼い主が病気になったり、先に亡くなったりした場合、引き続きペットの面倒を見てくれる人がいるかどうかも、十分考慮して下さい。

ポイント7

近隣に迷惑を掛けないように配慮できますか?

鳴声、臭い、糞の放置など多くの地域でトラブルの元になっています。
近隣に迷惑をかけないために、糞の始末はもちろん、適切なしつけや防音対策などもしなくてはなりません。

ポイント8

ペットの一生にかかる費用を考えてみましたか?

ペットを飼うには、購入代金だけでなくその後のお金もかかります。
具体的には、毎日のエサ代、首輪やケージなどのペット用品代、ワクチン代や不妊手術費用、定期的な健康診断や、ケガや病気をした時の医療費などです。
また、種類によっては定期的なトリミングや爪や歯の手入れが必要です。これらの金額が、生涯どのくらいかかるのか、冷静に考えてみて下さい。

ポイント9

生涯にわたる計画を立ててみましたか?

ペットの生涯だけでなく、あなた自身の生涯も含めて考えて下さい。
ペットが高齢になったときは介護も必要になります。特に足腰の弱くなった大型犬の介護には、大変な労力を要します。
あなたにも就職、進学、転居、結婚、出産など様々な人生の転機があります。家族とよく話し合い、最期まで飼い続けることができるのか考えて下さい。

ポイント10

万が一、飼えなくなった時のことを考えていますか?

あなたが突然入院したり、先に亡くなってしまうこともあるかもしれません。
代わりに飼ってくれる人がいるかどうか、先のことを見据えての準備が必要です。

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まとめ

ペットを飼うことは、金銭的な面だけでなく、時間や労力も必要です。しかし、その反面で得られる愛情や癒しは計り知れないものがあります。
飼いたいペットの種類や飼育費用をしっかりと認識し、自分の生活スタイルや経済状況に合ったペットを選ぶことで、長く幸せな時間を共に過ごすことができます。

この記事で紹介した年収はあくまで目安となっており、実際のペットの飼育にかかる費用は、個人のライフスタイルやペットの健康状態、選択するサービスや商品によって異なります。必要な費用をきちんと把握し、無理のない範囲でペットとの生活を楽しみましょう。

執筆:equall編集部

 

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