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アメリカンカールとは
アメリカンカールは、外向きに大きくカールした耳を持つ大変珍しい猫です。性格は温厚で甘えん坊、遊び好きで、小さな子供の遊び相手も得意です。
特徴的な耳とシルクのような繊細な被毛を持つ新種の猫アメリカンカールの魅力に注目してみましょう。
アメリカンカールの特徴
アメリカンカールはアメリカ原産の猫で、特徴的な耳はアメリカンショートヘアーと同種の猫の突然変異です。
大きく外側に反り返った耳は、他猫には見られない特徴で、血統証発行団体であるACCでは、耳について
- 耳の反り返り(カール)は最低90度で最高180度を超えていなければならない
- 耳の基部は広く、緩やかで美しい弧を描いて、しなやかに後方に反り返っている
- この反り返りは明確に現れているほど好ましいが、極端すぎてはならない
- 両耳は頭頂部の外側に位置し、やや外向きの角度で立ち上がっている
と詳細な基準が設けられています。
ただアメリカンカールが特徴的な耳の形をもって生まれる確率は50%ともいわれ、必ずしもすべての猫の耳がカールしているわけではなく、耳がまっすぐに立った一般的な猫と同じ形を持った猫も誕生します。
また耳のカールは生まれた直後はまっすぐな立ち耳型で、生後2,3カ月ごろから徐々に後方へ反り返り、さらにカールが強くしっかりと固定化されることもあれば、ゆるやかなカーブへと戻る猫もいます。
耳が立っている場合でも、両親が純血種のアメリカンカールであれば子猫にもアメリカンカールの血統証が発行されます。
性格は
- 甘えん坊
- 明るい
- 遊び好き
- 活発
- 社交的で多頭飼い向き
アメリカンカールは大変甘えん坊で家族と過ごすことが大好きな性格で、「猫のピーターパン」と呼ばれることもあります。成長後もいつまでも子猫のような甘えぶりややんちゃさを見せてくれます。
サイズ・毛色・体重など
アメリカンカールはアメリカンショートヘアーと同種なため、骨格は骨太でしっかりとしています。
体重は3~5㎏ほどが一般的で、オスはメスに比べ大柄で5㎏を超えることも珍しくありません。
食欲旺盛なタイプが多く中には過度な肥満になる猫もいるので、食事管理、体重管理は日ごろから心がけましょう。
被毛は
- 長毛
- 短毛
の2つのタイプがいますが、そのほとんどが短毛種です。被毛は2層構造で密集していて、毛量が多く寒さは強いです。抜け毛が多いので、週に数回のブラッシングを習慣化しましょう。長毛種の場合は尾や腹、内股に毛玉ができやすいのでブラッシングが欠かせません。
アメリカンカールの歴史
アメリカンカールは、比較的新種な猫で、1981年6月に、南カリフォルニアのレイクウッドという街で偶然発見された黒色の迷い猫が初代といわれています。この迷い猫はシュミラスという名前が付けられ、4匹の子猫を生みます。シュミラスが生んだ子猫のうち2匹はシュミラスと同じ外側にカールした特徴的な耳の形を受け継いでいました。
1983年には、猫愛好家や繁殖家によって品種として作成する計画が立てられ、専門家による遺伝的欠陥の有無、先天性疾患の発症率などこの遺伝に危険が伴わないかが熱心に研究されました。
その結果、シュミラスを始めとした特徴的な耳のカールは病的なものではないことが証明され、新種の猫として認定を受けます。
同じく耳に特徴を持つスコティッシュフォールドとたびたび比較されますが、それぞれの遺伝には大きな違いがあり、アメリカンカールの方がより頑健な猫種と考えられています。
日本では2000年代にスコティッシュフォールドとほぼ同時期に登場し、ペットショップの店頭に並びましたが、当時はまだまだ頭数が少なく、注目度は高いものの、なかなか出会えない猫とされ大きなブームには至らないまま過ぎています。
アメリカンカールの飼育頭数
アニコムの統計によるアメリカンカールの飼育頭数は
※飼育頭数、順位は「アニコム 家庭どうぶつ白書」参照
<年度 飼育頭数 飼育頭数順位>
- 2023年 2,187頭 18位
- 2022年 1,939頭 18位
- 2021年 1,626頭 16位
- 2020年 1,438頭 15位
<飼育割合>
2023年:1%
※飼育頭数の登録数割合
アメリカンカールはメディアなどでたびたび注目を浴びますが、国内飼育頭数は少なく大変希少な猫です。
特に耳のカールがしっかりと巻き上がった長毛種となると、出会える確率はさらに下がり、出会えたことが奇跡とさえいえます。
アメリカンカールの年間飼育費用
実際にアメリカンカールと暮らす場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか?
一か月(単位:円) | 一年 (単位: 円) | |
キャットフード | 3,000 | 36,000 |
トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
ペットホテル | 30,000 | |
ペット用品 | 2,000 | 24,000 |
医療費 | 30,000 | |
合計 | 6,000 | 132,000 |
※医療費(混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防費用で算出)
※平均飼育費用であり、与えているフードやホテル・トリミングの利用頻度により個人差があります
※算出方法は、コチラをご覧ください。
アメリカンカールの一か月のキャットフード消費量は2,3㎏が目安です。食欲旺盛で食事やオヤツを催促したり、家族の食べ物に関心を示すこともありますが、くれぐれも与えすぎには注意をし、肥満を防ぎましょう。
長毛種の場合、シャンプー後の生乾きが原因で毛玉やもつれ、皮膚トラブルがおこることがあるので、定期的にトリミングショップのシャンプーコースの利用もおすすめです。
アメリカンカールのケア
アメリカンカールとの暮らしで習慣化すべきお手入れは
【毎日】
- 歯磨き、デンタルケア
- 毛玉対策
デンタルケア製品は、飲み水に混ぜるタイプ、歯に塗るジェルタイプなど様々な製品があります。ウエットフードを主食とする場合や頻繁に与える機会が多い場合、加齢とともに歯垢や歯石の付着が目立つようになります。口内トラブルは激しい痛みを伴い、絶食に至る場合もあるので、日ごろからのケアが効果的です。
毛づくろいをすることで、体内に一時的に抜け毛を飲み込みます。たいていの場合、便と同時に排泄されます。ただ中にはたびたびの嘔吐や腸閉塞を起こす猫もいるので、排泄がスムーズに行われていない場合は専用製品を利用し、ケアが必要です。
【月に一度】
- 爪切り
爪を定期的に切ることで、室内での爪とぎ軽減に効果的です。ただ中には爪切りを過度に嫌がる猫もいるので、無理強いは危険です。
アメリカンカールの長毛種は、毛玉や抜け毛が気になるという声もありますが、長い被毛を切ってしまうと、再度生え揃わない場合があるので、カットは慎重に考えましょう。
アメリカンカールのまとめ
大変希少な猫で、まだまだ知名度は低いものの、印象的な耳の形がチャームポイントになり猫好きな方の注目を集めています。毛色のバリエーションが豊富で、我が子だけ!!という特別感を実感できることもこの猫の魅力です。
執筆 :ライター 大谷
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