日本の獣医師数が近年どのように推移しているのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
日本の獣医師数は増加傾向にあります。最新の2024年(令和6年)データでは、20年前の平成16年と比較して約26パーセント増加しました。特に、私たちの身近な存在である犬や猫の診療を行う獣医師が大きく増えています。
最新データをもとに、日本の獣医師数の推移や分野別の内訳、そして小動物の獣医師が増加している背景について解説します。
日本の獣医師数の推移
日本の獣医師の総数は、過去20年間で一貫して増加傾向にあります。
日本の獣医師数は、2年に1度行われる届出制度に基づいて公表されています。2024年(令和6年)現在の届出者総数は39,664人です。平成16年の31,333人と比較すると、約26パーセントも増加していることがわかります。具体的な年度ごとの推移は以下の通りです。
・平成16年:31,333人
・平成18年:35,818人
・平成20年:35,028人
・平成22年:35,379人
・平成24年:38,293人
・平成26年:39,098人
・平成28年:38,985人
・平成30年:39,710人
・令和2年:40,251人
・令和4年:40,455人
・令和6年:39,664人
分野別で見る
獣医師の活躍の場は多岐にわたりますが、最も人数が多いのは犬や猫を診察する「小動物診療」の分野です。
獣医師の仕事は、動物病院での診療にとどまらず、公務員や民間企業などさまざまです。令和6年時点における、主な従事分野の人数と内訳は以下のようになっています。
・小動物診療(犬や猫などペットの診療):16,717人
・公務員(国家公務員・地方公務員):8,686人
・民間団体・企業(製薬会社や研究機関など):7,547人
・産業動物診療(牛や豚など家畜の診療):2,017人
小動物診療とは、主に家庭で飼育される犬や猫などのペットを対象とした診療のことです。この分野に従事する獣医師は全体の約4割以上を占めています。20年前は約10,000人規模でしたが、現在では16,000人超へと大幅に増加しました。
小動物診療の獣医師が急増している背景
ペットを家族の一員として大切にする社会的な変化と、それに伴う医療の高度化が、小動物診療の獣医師が増加している主な理由だと考えられます。
小動物診療に従事する獣医師が顕著に増加している背景には、以下の理由が推測されます。
- ペットの家族化 犬や猫を単なる愛玩動物ではなく、大切な家族として扱う意識が定着しました。これにより、ペットの健康管理に対する関心が非常に高まっています。
- 高度医療へのニーズ増加 人間と同じように、がん治療や高度な外科手術、MRI検査など、ペットに対する医療の高度化が求められるようになりました。専門的な知識を持つ獣医師の需要が高まっています。
- 動物病院の小規模多店舗化 飼い主が身近な場所で気軽に受診できるよう、地域に密着した小規模な動物病院が増加していることも、獣医師数の増加に影響していると考えられます。
産業動物診療や公務員の獣医師に関する現状と課題
ペット向けの獣医師が増加する一方で、家畜を診る産業動物診療や、公衆衛生を担う公務員の獣医師の確保は、社会的な課題となっています。
牛や豚、鶏などの家畜を対象とする産業動物診療は2,017人と、小動物診療に比べて少ないのが現状です。また、食品衛生や家畜の伝染病予防などを担う公務員の獣医師は8,686人です。 これらの分野は、私たちの食の安全や公衆衛生を支える非常に重要な役割を担っています。小動物分野への人気が集中する中、これらの領域での継続的な人材確保が今後の大きな課題といえます。
まとめ
日本の獣医師数は全体として増加傾向にあり、特にペットを対象とする小動物診療の分野で伸びが顕著です。
今回解説した、日本の獣医師数の推移と分野別の現状についての重要ポイントは以下の通りです。
・日本の獣医師総数は20年間で約26パーセント増加し、令和6年時点で39,664人である。
・分野別に見ると、犬や猫を診る小動物診療が16,717人で最も多い。
・ペットの家族化や高度医療へのニーズの高まりが、小動物診療の増加を後押ししていると推測される。
・食の安全を守る産業動物診療や公務員領域での獣医師確保は、今後の社会的な課題である。
愛犬や愛猫の健康を守るためにも、獣医師や動物医療の現状を知っておくことは大切です。今後、動物病院を受診する際などの基礎知識としてぜひお役立てください。
農林水産省「獣医師の届出状況(獣医師数)」
執筆:equall編集部
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