富士地域難病ケアネット代表 勝亦武司
今回は、静岡県東部地域で、難病を患っている方の外出を支援する団体、富士地域難病ケアネット代表 勝亦武司(かつまた たけし)さんに伺いました。
富士地域難病ケアネットの活動内容を教えてください。
難病を患っている方、特にALS(筋萎縮性側索硬化症)の方が多いですが、その方々の外出を支援しています。具体的には年2回、春は富士市近辺へ、秋は伊豆長岡の温泉へ一泊旅行を行っています。昨年は6月に富士市広見公園でバラ鑑賞をしました。10月に行った伊豆長岡温泉旅行では、参加者とそのご家族と一緒に、車いすやストレッチャーが搭乗できる福祉車両でホテルまで移動しました。皆さん、とても楽しんでくれました。
「外出支援」について具体的に教えてください。
難病を患っている方は、日々車いすや、ストレッチャーなどを使用して生活している場合があります。ですから外出する時は一人ではなく、家族や専門家が付き添います。私たちと一緒に外出するときは、ケアマネージャー、看護師、医師、そしてボランティアの方々が付き添います。利用者一人に対し、2~3人の付き添いが必要になります。また、福祉用具業者さんの支援により、参加利用者ごとの福祉用具を準備いただいています。
例えば、車いすの貸し出し、ホテルへベッドやエアマットを搬入、荷物の運搬などをしていただいています。参加利用者を福祉車両でホテルまでピストン送迎をしていただいたこともありました。コーチョーのエイジフリーショップふじやまと長泉の社員の方も、団体設立当初からボランティアとして参加してくださっています。
この活動に携わるきっかけは何だったのでしょうか?
平成20年、当時静岡県難病団体連絡協議会の理事をされていた野原医師より、静岡県東部には難病者の外出を支援する団体が無いので作ってはどうか、との呼びかけがありました。そして平成23年、東静脳神経センター内科の土居医師が代表となり、8名のメンバーで「富士地域難病ケアネット」が設立されました。
当時私は介護支援施設の理事をしており、設立メンバーでした。まず会費制で食事会を開催することから活動を開始して、ケアマネージャーなど、介護にかかわっている方々に声をかけ、ボランティアとして参加していただきました。現在は私が団体の代表を務めています。
今後予定している活動はありますか?
利用者や家族の方は、行政の支援メニューを知らないことが多いです。ですので、それら情報を整理してカタログを作成することを計画しています。行政に確認しながらリストを作成している最中です。障がい者支援は各種ありますが、難病に特化した団体は数が少ないですから、意義のある活動だと思います。
勝亦さんが日々大切にされていることは何でしょうか?
会の活動で参加利用者と接するときは細心の注意を払っています。コミュニケーションが難しいケースがありますが、長年の経験をもとに対応しています。利用者やご家族の方から、「ありがとう」と言われるとやはり嬉しいです。
そして、利用者が外出先で楽しそうにしている姿を見ると、それも嬉しい。様々な場面で、どういった対処をするのが利用者とそのご家族に最善か、それを考え行動することがとても大切と考えています。
本日はありがとうございました。
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