トリマーが教える!耳毛抜きの必要性について

こんにちは。
梅雨に入り、ジメジメした季節に差し掛かりましたね。
皆さんの愛犬の耳の様子はどうでしょうか?
毎年、耳の問題が起こりやすいのがこの時期になります。

抱いたり、顔を近づけたりした時にふわっと外耳炎独特の臭いに気づいたりしていませんか。

また、愛犬がいつもより増してブルブルが増えたり、痒がった様子をみせていませんか。

あなたの愛犬も、もしかしたら既にサインを出しているかもしれません。
少しでも心当たりがありましたら、続けて読んで頂ければと思います。

お耳の状態が悪くなることに対して、いくつか原因が挙げられます。
その中でも私がこれまでの海外グルーマー経験を通して、わんちゃんのお耳について学んだことがありましたので、今回はそれについて書いていこうと思います。

①まず、いつも通っているサロンで毎回耳毛抜きを行ってもらっている場合です。

私も昔日本でトリミングをしていた時はプードルやシュナウザーは特に耳毛抜きにはほんとうに精を出して毎回ピッカピカにしていました。そしてその方が飼い主さんからも喜ばれたからです。

しかし、欧米文化ではほとんどのサロンが、耳周りのモジャモジャした毛をバリカンで軽くシェーブしてその後指で抜ける程度軽く抜いてあとは指にコットンを巻き付けて耳周りを軽く拭く程度でした。(綿棒は使いませんでした。というか置かれていませんでした。笑)

そして私がその時感じたのが、日本と比べてあまりちゃんと掃除してないけど、日本のわんちゃん達に比べてみんなお耳環境がとても良いのです。
日本式の様に耳の奥まで丸見えになるまで耳毛をスッピンピンには抜かない&綿棒を使って奥の汚れまで綺麗にピッカピカにはしないのが欧米式でした。(※オーナーさんが日本人でTheジャパニーズスタイルで提供していたお店以外のローカルオーナーによるローカルのサロンのお話になります)

そこで私は当時働いていたVETでドクターに聞いてみたことがありました。
“耳毛とは犬にとって必要なものなのか。またそれは何故なのか。”
するとドクターはいいました。
“本来、人間も犬も耳には自浄作用が備わっているため、耳毛を伝って内側のゴミは外へ排出されるし、逆に外から侵入しようとするホコリや小さな虫が簡単に中へ入らないようにするためのフィルターの役目も果たすんだ。だから耳毛は必要だよ。”
と言っていました。

なので垂れ耳の子に関しては入り口周辺をシェーブしてあげたり、多少簡単に抜ける程度は抜いてあげることにより通気性を良くすると言う意味では嫌がらない範囲で抜いてあげても良いのですが、耳毛は少し残っていても全然問題ないそうです。寧ろ逆にスッピンピンのピッカピカにすると逆に外耳炎になり易くなるそうです。

また、耳洗浄液クリーナーの液体は、本来耳の皮膚についている良い仕事をしてくれるバクテリアまで拭き取ってしまうため、耳掃除のし過ぎは良くないとも言っていました。

尚、内耳炎など、耳の奥の方でのトラブルが見られ、点耳をしたい場合には、モジャモジャの耳毛があるとせっかくの点耳薬が奥までしっかり浸透しないので、その場合は耳毛を抜く必要があるそうです。
私も確かにこれには納得でした。

日本で働いていた当時、中には耳毛抜きを嫌がるわんちゃんも多い中、時には噛まれたりもしながら、日本のトリマーさんたちは必死に耳の掃除をしていたし、しっかりとスッピンピンのピッカピカにしていました。しかし、毎度毎度大変な思いをして耳毛作業をしていたのにも関わらず、何故か通ってくれているわんちゃん達に耳トラブルのある子が結構多くみられたからです。

なので、もしも今通っているサロンで毎回スッピンピンのピッカピカにしてもらっている場合はわんちゃんもかなりストレスを抱えながら耳毛抜きをされている可能性も高いので、お耳の掃除はほどほどにしてもらいましょう。

そしてその大変な作業の耳毛抜き、実は無意味かもしれません。
今、特にお耳のトラブルを抱えていない子であれば、自宅で出来るお耳のお手入れとしては、指で簡単に抜ける程度処理してあげ、あとは水で湿らしたコットンでお耳周りを軽く拭き取ってあげるだけでも十分です。

見た目で耳毛が沢山生えている場合でも、特に臭い無し、皮膚の赤みも無し、わんちゃん自体も痒がったりしている様子も無し、と言うことであれば、本来の自浄作用のサイクルが正常に働いている証拠なので、無理に耳毛抜きをする必要性はありません。

逆に過度なお耳掃除は、その正常なサイクルを壊してしまう恐れがあります。
私の解釈では、“毛”と言うものは本来敏感で大事なところに防御の為に生えているものなのだ、と思っています。

確かに人間もそうですよね。
睫毛や眉毛は大事な瞳を守る為。
鼻毛は鼻の奥の粘膜を守る為。
髪の毛だって大事な頭を守る為。
その他、身体の毛もそうです。
ですので、耳毛も奥の鼓膜やそのまた奥の三半規管などを守る為に生えているのだと思うんです。

こんな風に考えて頂けると少しはわかりやすいかと思います。

②は、フードです。

これはやはり切っても切りきれない大きな理由になると思います。
これについてはまた別のコラムで更に詳しく話していこうと思います。
フードは耳トラブルはもちろん他にも涙やけ、歯石、腫瘍やイボ、肌トラブルなどとほんとうに色んなことが関わってくるからです。

最後に、トリマーとしてトリミングをしていると、耳の後ろ側にコブの様な毛玉を毎回同じ位置に作ってくるわんちゃんがいます。そして大体のこのようなわんちゃんたちは耳になんらかのトラブルを抱えています。それは何故かと言うと耳が痒いので後ろ側で『カッカッカッカッ……!!!!!!』と日々頻りに掻いている為です。要するにその搔く仕草が毛玉を作り上げているのです。

ですので、普段毎日耳の穴を覗くようなことは機会として少ないかもしれませんが、是非頭を撫でるような時にお耳の後ろ側に毛玉のコブが出来ていないかだけでもチェックしてあげれると、ご自身の愛犬のお耳のトラブルに早めに気付いてあげれるかもしれません。

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執筆:トリマー石原

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