ペット保険の「PS保険」を提供する少額短期保険会社のペットメディカルサポート株式会社(本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長:米満明仁、以下『ペットメディカルサポート』)は、当社ペット保険「PS保険」が、2020年8月にお支払いしました高額保険金事例についてお知らせします。
また、その中から「犬の悪性リンパ腫」の診療について、「電話どうぶつ病院Anicli24」の院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。
目次
2020年8月度月間 高額保険金お支払い事例
2020年8月度の高額保険金お支払い事例をご紹介します。
事例 | 種類 | 病気・ケガの種類 | お支払い金額 |
1 | 中型犬 | 悪性リンパ腫、下痢、嘔吐 | ¥560,000 |
2 | 小型犬 | アロペシアX、僧帽弁閉鎖不全症 | ¥472,100 |
3 | 小型犬 | 椎間板ヘルニア、進行性脊髄軟化症 | ¥445,000 |
4 | 小型犬 | 両膝蓋骨脱臼、右膝靱帯損傷 | ¥432,800 |
5 | 猫 | 尿管結石・腎機能低下 | ¥412,900 |
※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。
※2020年8月1日~2020年8月31日に保険金支払手続きを行った事案。
一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
平均的な保険金お支払い事例
保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的なお支払い事例としてペットの子宮蓄膿症の診療をご紹介します。
子宮蓄膿症の事例
事例 | 種類 | 病気・ケガの種類 | お支払い金額 |
1 | 小型犬 | 子宮蓄膿症 | ¥38,600 |
高額診療「犬の悪性リンパ腫」を獣医師が解説
2020年8月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「中型犬の悪性リンパ腫」の診療内容について、当サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。
悪性リンパ腫とは、どんな病気なのか
悪性リンパ腫とは、白血球の一種であるリンパ系細胞が、がん化してしまう病気です。良性のリンパ腫というものはなく、リンパ腫は残念ながらすべて悪性腫瘍(=がん)です。
犬で発生するリンパ腫のほとんどは全身のリンパ節が腫脹するタイプの多中心型と言われるものです。成犬であれば性別を問わずどの犬種にも発生し、特に6~8歳くらいで発生することが多いとされています。
犬の悪性リンパ腫について詳しく
https://pshoken.co.jp/note_dog/disease_dog/case042.html
事例の犬の悪性リンパ腫の通院日数、入院日数、手術回数について
犬種 | 中型犬 |
傷病 | 悪性リンパ腫(継続治療) |
通院日数 | 7日 |
入院日数 | 37日 |
手術回数 | 0回 |
※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポートが補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。
犬の悪性リンパ腫の診療内容
※下記の診察内容は、犬の悪性リンパ腫の一般的な診療内容についての記述になり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。
検査
・問診、視診
症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。
多中心型では、リンパ節の腫れという症状以外は普段と変わりません。胸腔内にリンパ腫が発生する縦郭型では、咳や呼吸困難などの呼吸器症状が、胃や腸にリンパ腫が発生する消化器型では、食欲不振や下痢嘔吐などの消化器症状が起こります。そのほか、皮膚や鼻腔内にリンパ種が発生するケースもあり、それぞれ、皮膚病変が出現したり、くしゃみや鼻水が増えたり鼻血が出たりします。
・触診
顎の下、脇の下、後肢の付け根、膝の裏などのリンパ節を触診し、腫れの有無を確認して大きさを測ります。
・血液検査
採血をして、貧血の有無、各臓器への影響の有無などを確認します。また、リンパ腫は症状が進むと血液中にもがん化したリンパ系細胞が出現することがあるため、その確認も行います。
・画像検査
レントゲン検査や超音波検査により、リンパ腫の拡がり具合を確認します。
・細胞診、病理検査
リンパ節に細い針を刺し、中の細胞を少し取ってきて顕微鏡で確認します。確認が難しい場合は、麻酔をかけて、リンパ節を切り取り、細胞を調べる病理検査を行います。
・遺伝子検査(PCR検査)
採取した細胞を遺伝子検査し、リンパ腫のさらに詳しい情報を得ます。
・骨髄検査
リンパ腫の骨髄への転移が疑われる際には、麻酔をかけて、骨髄に針を刺して髄液を採取し検査を行います。
治療法
一般的に化学療法(抗がん剤)が選択され、通院治療となりますが、入院治療が必要となることもあります。治療は、週に1度の抗がん剤の注射と毎日の内服が主です。
これをまずは4週間行い、寛解したと判断できた場合は、注射の頻度が少なくなりますが、半年ほどは化学療法による治療が続きます。
悪性度が低く、リンパ節腫大以外に症状が何もない場合には、治療をせずに経過を観察することもあります。
予後
リンパ腫は、化学療法を行わない場合、1か月以内に命を落とすことが多いのです。化学療法を行った場合、平均的な生存期間は1年ほどです。また、悪性度が低く、治療をせずに長期生存するケースもあります。
まとめ
リンパ腫は、犬の悪性腫瘍の中でも多く見られる病気です。そのほとんどは全身のリンパ節が腫れるタイプのものであり、外から触って確認できる腫瘍です。そのため、日ごろのブラッシングやスキンシップの際に犬の首、脇、膝裏なども意識して触れるようにすることで、早期発見が可能になります。
がんですので、治療後も楽観視はできませんが、適切な治療を受けることで一緒に暮らす時間を増やすことができます。
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執筆:equall編集部