仕事、育児、介護、人間関係など日々ストレスにさらされる暮らしの中、ペットの存在が「心を穏やかにしてくれる」「自分を受け入れてくれる」と感じたことはありませんか。
本記事では、飼い主の心のウェルビーイング(精神的な満足感や安定)に着目し、ペットとの関わりが、どのように私たちの心を癒してくれるのかを解説します。
目次
ウェルビーイングと“心の安定”の関係
「ウェルビーイング」は身体的・精神的・社会的に満たされた状態を指します。
中でも「心のウェルビーイング」は、以下のような要素があります。
- 不安や孤独感の少ない状態
- 日々に安心感や落ち着きがある
- 自分らしく感情を表現できる環境がある
- 自尊心や自己肯定感が保たれている
飼い主のメンタルにポジティブな影響を与えるペットの特徴
愛と受容がある
ペットは人間のように言葉で表現したり、見た目や成果で判断しません。
どんなに疲れて帰ってきても、何も言わずに寄り添ってくれる存在です。
- ありのままの自分でいられる
- 批判のない関係性が
日常のリズムをつくる
ごはんをあげる、トイレを掃除する、散歩に出かける。
これらは単なる世話ではなく、飼い主自身の心を整える行為でもあります。
- 生活リズムの維持による気分の安定
- 誰かに必要とされる
感情を素直に表現できる
ペットと接するとき、私たちは怒ったり、泣いたり、笑ったり…感情を抑える必要がありません。
- 感情をため込まずに表現することで、心理的負荷が軽減される
- 日々のストレス耐性を高める
ペットが飼い主にもたらすメンタル効果
ホルモンの働きでリラックス
動物とふれあうことで、脳内でオキシトシン(愛情ホルモン)の分泌が促されることが分かっています。
これにより、自律神経が整い、心拍数や血圧が低下し、リラックス状態に近きます。
麻布大学の研究では、犬とのコミュニケーションにより、飼い主と犬双方のオキシトシンが上昇したという結果が発表されています。
存在するだけで「ひとりじゃない」
ペットとの暮らしはひとり暮らしや高齢者の孤独感を軽減する効果が指摘されています。
- 話しかける相手がいる
- 一日の中に「誰かとつながる時間」がある
- 寝顔やしぐさを見て癒されることで、精神的充足が得られる
「役に立っている」実感が心を守る
「この子のために、自分がちゃんとしよう」この感覚は、責任感ではなく“存在意義”の確認でもあります。
- 誰かに必要とされている
- 自分の行動が誰かの幸せにつながっている
この実感が、メンタル不調の回復や人生の転換期(子育て後、退職後など)に大きな支えになります。
メンタル改善のために“飼う”のではない
ペットの癒し効果は確かにありますが、それは「適切に世話ができる環境と覚悟があってこそ」です。
「心がつらいから飼う」「孤独だからペットを迎える」といった理由だけで飼育を始めると、想定外の負担が逆にストレスやうつ症状を悪化させる可能性もあります。
- 飼育可能な住環境か
- 継続的な経済力・生活力があるか
- 緊急時にサポートを頼める人がいるか
飼い主が「心のウェルビーイング」を高めるための習慣
・朝晩のふれあいを“意識的な癒しタイム”にする
忙しい中でも1日2分、ペットの名前を呼びながらなでる
・感情を言葉にして声かけする
「おはよう」「今日もありがとう」など、小さな言葉の積み重ねが心を整える
・ペットとの日々を写真や日記で記録する。
振り返りの中で、幸福感が再認識される
まとめ
ペットはただの癒しではありません。
私たちが本来持っている感情の豊かさ、思いやり、そして日々の生活の意味を思い出させてくれる存在”です。
心のウェルビーイングは、目に見えにくく、変化にも気づきにくいもの。
だからこそ、ペットという“心のパートナー”がそばにいることは、大きな支えとなります。
心を整える3つのキーワード
1. 安心できる存在
2. 感情表現の自由
3. 役割と自己肯定感
今日も、そばにいるその子に「ありがとう」と伝えてみてください。それは、あなた自身の心を整える第一歩でもあるのです。
執筆: 獣医師 丸田 香緒里
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