日本航空(JAL)は、2026年9月1日から、国内貨物における犬・猫の輸送制限を変更します。
今回の変更で特に大きいのが、夏の暑い時期には、犬種・猫種を問わず犬・猫の輸送を原則として受け付けないというものです。
近年、日本の夏は厳しい暑さが続いています。人間以上に暑さへの注意が必要な犬や猫にとって、移動そのものが大きな負担になることもあります。
旅行や引越しなどでペットを移動させる必要がある飼い主にとっては不便になる面もありますが、大切な家族の安全を最優先に考えるという意味で、今回のJALの判断は非常に意義のある取り組みといえるのではないでしょうか。
目次
JALが犬・猫の輸送制限を変更
JALは、「夏期における動物への負荷軽減および安全な輸送基準の強化」を目的として、国内貨物における犬・猫の輸送制限を変更すると発表しました。
変更は2026年9月1日(火)の出発便から適用されます。
主な変更点は次の通りです。
夏期はすべての犬・猫を原則輸送停止
これまで一部の短頭犬種を中心に夏期の輸送制限が設けられていましたが、今後は対象が拡大されます。
2026年度は、9月1日〜10月31日の期間、種類を問わず、すべての犬・猫が原則として国内貨物で輸送できなくなります。
2027年度以降は、5月1日〜10月31日が制限期間となります。
つまり、来年度以降は春の終わりから秋までの約半年間、犬・猫の国内貨物輸送を原則として行わないことになります。
なお、飼い主自身が航空機に搭乗し一定の条件を満たす場合や、離島路線で動物病院を受診するための輸送、国際線と国内線を乗り継ぐ輸送など、一部には例外が設けられています。
ミックス犬は通年で原則輸送不可に
もうひとつの大きな変更が、雑種(ミックス犬)の通年での原則受託停止です。
JALでは、外見だけでは犬種を正確に判断できない場合があり、暑さによる輸送リスクが高い短頭犬種の血統が含まれている可能性を完全には排除できないことを理由としています。
また、ブルドッグとフレンチブルドッグについても、これまでと同様に年間を通して輸送不可となります。
その他の短頭犬種21種については、夏期は輸送不可、11月1日から4月30日までの期間は輸送可能です。
「移動できるか」より「安全に移動できるか」
ペットと暮らしていると、旅行や帰省、引越しなど、どうしても一緒に移動しなければならない場面があります。
そのため今回の変更を「不便になった」と感じる飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、ペットとの移動で最も大切なのは、移動できるかどうかではなく、安全に移動できるかどうかではないでしょうか。
犬や猫は人間のように発汗によって効率よく体温を下げることが得意ではなく、暑い環境では熱中症のリスクが高まります。
環境省も、犬や猫は体温調節が得意ではなく、夏の日中の散歩や外出を避け、早朝や夜など涼しい時間帯を選ぶよう呼びかけています。(環境省)
自宅から空港までの移動、空港での受け渡し、航空機への積み込みや積み下ろし、到着後の移動などを考えると、航空輸送は飛行中だけを考えればよいものではありません。
いくつもの移動工程があるからこそ、暑い季節にはより慎重な判断が求められます。
夏の暑い時期を避けることも、大切なペットを守る選択
equall LIFEでもこれまで、犬や猫との引越しについて、可能であれば暑さの厳しい夏を避けることを紹介してきました。
もちろん、すべての移動を避けることはできません。
しかし日程を調整できるのであれば、「暑い季節に無理をして移動させない」という選択肢を持つことはとても大切です。
人間にとっては少し暑い程度でも、地面に近い場所で生活し、全身を毛で覆われている犬や猫にとっては大きな負担になることがあります。環境省も、暑い日中の外出や高温になる環境を避けることをペットの熱中症対策として呼びかけています。(環境省)
今回のJALの対応は、利便性よりも動物の安全を優先したものです。
ペットを「荷物」としてではなく、暑さや環境の変化によって体調を崩す可能性のある命として考えれば、夏期の輸送を制限するという判断には大きな意味があります。
ペットとの移動は「時期」から考えよう
ペットとの旅行や帰省というと、
- 「どの交通手段で行くか」
- 「どのホテルに泊まるか」
- 「どのキャリーを使うか」
といったことを考えがちです。
しかし、これからはその前に、
「そもそも、この時期に移動する必要があるのか」を考えてみてもいいかもしれません。
特に夏は、目的地だけでなく、自宅から駅や空港までの移動時間、待ち時間、乗り換えなども含めて考える必要があります。
予定を変更できるのであれば、春や秋、冬など比較的気温が安定している時期を選ぶことも、立派な暑さ対策です。
まとめ
JALは2026年9月1日から、国内貨物として輸送する犬・猫について新しい輸送制限を導入します。
2026年度は9月1日から10月31日まで、2027年度以降は5月1日から10月31日まで、すべての犬・猫が原則として輸送できなくなります。また、ミックス犬については年間を通じて原則受託停止となります。
飼い主にとって移動手段が減ることは、決して小さな変更ではありません。
それでも、ペットの安全を守るために「あえて運ばない」という判断をすることには、大きな価値があります。
暑い時期を避ける。無理な移動をさせない。
それも、大切な家族と長く幸せに暮らしていくために、私たち飼い主ができる選択のひとつです。
今回のJALの取り組みをきっかけに、ペットとの移動について「どうやって連れて行くか」だけでなく、「いつ移動するのが安全なのか」という視点も、より広がっていくといいですね。
出所:
- 日本航空株式会社「国内貨物における動物(犬・猫)の輸送制限変更のお知らせ」
- 日本航空株式会社「犬・猫(哺乳類)」
- 環境省「防ごう!ペットの熱中症」ペットの熱中症予防に関する注意喚起
執筆:equall編集部
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