ヨーロッパでは昔から小さな番人として愛されてきたブリュッセル・グリフォンの特徴や性格、サイズ・毛色、歴史、日本での飼育頭数、年間飼育費用、ケアのポイントやお出かけのコツを解説します。
目次
ブリュッセル・グリフォンとは?
つぶれたお鼻とモシャモシャのヒゲ、少し人間くさい表情がたまらないブリュッセル・グリフォン。
現在は愛玩犬として人気ですが、もともとは馬車や馬小屋でネズミを退治する働く犬でした。小さな体に知性と勇敢さを秘めた個性派の犬種です。
ブリュッセル・グリフォンの特徴
ブリュッセル・グリフォンは、陽気で明るく、人間が大好きな性格と言われます。
家族の動きをよく観察していて、目が合うと「次は何するの?」と問いかけてくるような、コミュニケーション上手なタイプです。
性格の傾向としては
- バランスの取れた小型の犬
- 注意深く、誇り高い
- 飼い主に対してたいへん愛情深い
- 警戒心が強い
- 臆病でもなければ、攻撃的でもない
などが挙げられます。
しつけのポイント
- ルールがあいまいだと「自分ルール」を作ってしまう
- 叱りつけるよりも、褒めて伸ばすポジティブトレーニング
- 警戒吠えが出やすいので、子犬の頃から人や音に慣らす「社会化」が大切
感受性が強く繊細な面もあるため、怒鳴ったり、急に環境を変えたりするのはNG。家族として丁寧に向き合うと、一生の「相棒」のような存在になってくれます。
サイズ・毛色・体重など
JKCの定めるサイズ基準は
- 体高:-
- 体重:3.5~6kg
体長と体高がほぼ同じ「スクエア体型」で、胸が深く、脚はやや細めながら骨太で安定感があります。
毛色・被毛
ブリュッセル・グリフォンの毛色は、基本的にレッド系です。
- レッド(赤)
- 赤みがかったブラウン
- 頭部の飾り毛に黒毛が少し混じることもある
- 胸の小さなホワイトは認められるが、理想的ではない
被毛は「グリフォン(=針金のような)」という名の通り、硬く粗いワイヤーコート。中長めのラフコートで、顔まわりには豊かなヒゲや口ひげ・眉毛があり、独特の表情をつくります。
ブリュッセル・グリフォンの歴史
ブリュッセル・グリフォン、ベルジアン・グリフォン、プチ・ブラバンソンの3犬種は、ベルギー・ブリュッセル周辺で飼われていた粗毛の小型犬「Smousje(スモウシュ)」がルーツとされています。
19世紀になると、以下の犬種が交配に使われました。
- ルビーのキング・チャールズ・スパニエル
- パグ など
これにより、現在見られるようなつぶれた鼻・豊かなヒゲ・独特の表情を持つタイプに固定されていきました。
1883年、2頭のブリュッセル・グリフォンがベルギーケネルクラブのスタッドブックに初登録。
その後、ベルギー王室マリー・アンリエット王妃がこの犬種をたいへん気に入り、王妃の愛犬として知られるようになったことで、一気に人気が高まったと言われています。
20世紀に入ると、イギリスやアメリカなどにも輸出され、世界各地にブリュッセル・グリフォンのファンが広がりました。
現在でも頭数は多くありませんが、「知る人ぞ知る」個性派小型犬として根強い人気があります。
ブリュッセル・グリフォンの飼育頭数
日本国内でのブリュッセル・グリフォンは、ペットショップで頻繁に見かける犬種ではなく、主にブリーダー経由や紹介でお迎えされることが多い珍しい犬種です。JKCの統計による飼育頭数は下記の通りです。
年度 飼育頭数 飼育頭数順位
| 2010年 | 249頭 | 46位 |
| 2011年 | 225頭 | 48位 |
| 2012年 | 175頭 | 54位 |
| 2013年 | 175頭 | 49位 |
| 2014年 | 134頭 | 56位 |
| 2015年 | 138頭 | 55位 |
| 2016年 | 108頭 | 65位 |
| 2017年 | 127頭 | 59位 |
| 2018年 | 132頭 | 54位 |
| 2019年 | 118頭 | 59位 |
| 2020年 | 126頭 | 58位 |
| 2021年 | 95頭 | 65位 |
| 2022年 | 110頭 | 61位 |
| 2023年 | 131頭 | 55位 |
| 2024年 | 107頭 | 65位 |
飼育頭数推移

登録犬種全体の中ではかなり少数派で、レア犬種と言えるでしょう。
希少な犬種のため、
- 子犬を探すのに時間がかかる
- 希望する毛色や性格の子と出会うまで、ある程度の期間が必要
といったケースも珍しくありません。
お迎えを検討している場合は、信頼できるブリーダーや専門家に早めに相談し、じっくり準備するのがおすすめです。
ブリュッセル・グリフォンの年間飼育費用
実際にブリュッセル・グリフォンと暮らす場合、どのくらい費用がかかるのでしょうか。
| 1か月(単位:円) | 1年 (単位:円) | |
| ドッグフード | 2,000 | 24,000 |
| トイレ用品 | 1,000 | 12,000 |
| トリミング | 8,000 | 96,000 |
| ペットホテル | 30,000 | |
| ペット用品 | 2,000 | 24,000 |
| 医療費 | 30,000 | |
| 合計 | 13,000 | 216,000 |
※医療費は混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防などの年間費用の目安です。
※トリミングやホテルの利用頻度、与えるフードの価格により大きく変動します。
ブリュッセル・グリフォンは短吻種で暑さに弱く、呼吸器や目・関節などのトラブルが出やすい犬種とされています。そのため、いざという時の医療費(保険加入も含めて)を多めに見積もっておくと安心です。
※算出方法は、コチラをご覧ください。
ブリュッセル・グリフォンのケア
【毎日】
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歯ブラシ
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指サック型ブラシ
-
デンタルシート
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デンタルガム/飲み水に混ぜるタイプ
【2、3日に一度】
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ラバーブラシで抜け毛を落とす
-
コームで毛流れを整える
-
目・口周りの汚れもこまめに拭き取る
【月に一度】
-
シャンプー
-
爪切り
-
耳掃除
-
肛門腺しぼり
-
ストリッピング/プラッキング(必要に応じて)
健康面で気をつけたいポイント
グリフォン系3犬種で共通して注意したいのは、次のような点です。
- 短頭種に多い呼吸器系トラブル、熱中症
- 大きな目ゆえの角膜損傷やドライアイ
- 小型犬に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 皮膚炎・アレルギー
フローリングにはマットを敷く、夏場はエアコンで室温を管理するなど、日常生活の環境づくりも大切です。定期的な健康診断も取り入れましょう。
ブリュッセル・グリフォンとお出かけする方法
家族と一緒に行動するのが大好きな犬種です。マナーと安全に注意すれば、さまざまなお出かけを楽しめます。
ペットと一緒に行ける施設
-
ドッグラン・犬連れOKの公園
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ドッグカフェ
-
ペット同伴可のカフェ・レストラン
-
ペットイベント・マルシェ
-
ペット同伴可のホテル・旅館・コテージ
ただし施設ごとに
-
同伴可能エリア
-
カート・キャリー必須かどうか
-
頭数制限
などのルールが異なるため、事前に公式サイトやSNSで確認しておきましょう。
車移動・タクシーの注意点
-
キャリーやクレートに入れ、シートベルトで固定する
-
夏場は短時間でも車内放置は絶対NG
-
エアコンで温度調節・こまめな水分補給
-
長距離移動では、こまめに休憩を取る
タクシー利用時は「ペット同乗OK」の会社や、事前予約制のサービスを選ぶとスムーズです。
電車移動の注意点
多くの鉄道会社で共通するルールは、
-
体がすべて入るキャリー・バッグに入れる
-
顔を出さない
-
手回り品切符などの持込料金が必要な場合も
といった内容です。短頭種は暑さ・ストレスに弱いので、混雑時間を避け、通気性の良いキャリーを選びましょう。
バス移動の注意点
バスも基本的には「キャリーに完全に収容」が条件です。
-
他の乗客への配慮(鳴き声・臭い)
-
アレルギーのある方への配慮
のためにも、事前にキャリー慣れやクレートトレーニングをしておくと安心です。
飛行機移動の注意点
航空会社ごとに、
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受け入れ可能な犬種・体重
-
機内持込か貨物室扱いか
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予約方法・料金
-
夏季・冬季の受け入れ制限
などが細かく定められています。短頭種は気圧・温度変化のリスクが高いとされるため、
-
かかりつけ獣医師に健康状態を確認してもらう
-
航空会社の最新ルールを確認する
お出かけ先での注意点
-
必ずリードをつけ、目を離さない
-
他犬・他人との距離感を尊重し、無理に挨拶させない
-
排泄物の処理・マーキング対策は飼い主の基本マナー
-
迷子対策として鑑札・迷子札・マイクロチップ登録を
最近は、AirTagなどの位置情報タグを首輪・ハーネスに付ける飼い主さんも増えています。万が一の迷子や災害に備えておくと安心です。
ペットと楽しめるイベント情報
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ドッグスポーツ・運動会・タイムレース
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ペットグッズやフードのマルシェ
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保護犬・保護猫の譲渡会
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獣医師・トレーナーによるセミナー
イベントを楽しむコツは、事前リサーチ。
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会場の広さ・混雑具合
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出店内容やサービス
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駐車場・公共交通機関でのアクセス
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ペット同伴ルール(カート推奨・マナーベルト必須など)
をチェックしたうえで参加するのがおすすめです。公式サイトに加え、SNSやYouTubeを活用すると、雰囲気や混み具合もイメージしやすくなります。
ブリュッセル・グリフォンのまとめ
ブリュッセル・グリフォンは、ただ「かわいい」だけではなく、家族としっかり向き合って暮らしたい方にこそ向いている犬種です。毎日のコミュニケーションと丁寧なケアを楽しみながら、一生のパートナーとして迎えることを検討してみてください。

※このページにはプロモーションが含まれます
執筆:equall編集部








































