夏に犬・猫が快適な室温とエアコン設定温度を調査!湿度・留守番・電気代まで徹底解説

「エアコンをつけているから、うちの子は大丈夫」そう思っていませんか。
日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクトが犬の飼い主325名に行った調査では、愛犬の約4分の1(24.3%)が熱中症を経験しており、その発症場面の29.1%が「室内で過ごしている時」でした。散歩中だけでなく、家の中でも熱中症は起きています。

では、夏のペットにとって本当に快適な室温は何℃なのか。エアコンは何℃に設定すればよいのか。今回は、犬・猫の「夏の適温」と「エアコン設定の考え方」を解説します。

💡この記事のポイント
  • 犬・猫の快適目安:室温 25〜26℃ / 湿度 50〜60%(温度と湿度は必ずセットで管理)
  • エアコン設定:実際の室温とズレがあるため、ペットの居場所の温度計で確認を
  • 暑さ弱者への配慮:短頭種、シニア、肥満の子はより低めの温度設定が必須
  • 停電対策:スマートリモコン(SwitchBot等)の自動化設定で、万が一のエアコン停止に備える
  • 最新の節電:最新の省エネ機種への買い替えには各自治体の補助金が有効

そもそも、なぜペットは夏の暑さに弱いのか

対策を考える前に、ペットの体のしくみを知っておきましょう。
犬や猫の平熱は約38℃。人よりも高いため「暑さに強い」と思われがちですが、実際は逆です。体温が40℃を超えると熱中症の危険域に入るため、平熱からわずか1〜2℃の余裕しかありません。

さらにペットは体温調節そのものが苦手です。

  • 全身が密な毛皮で覆われている
  • 犬や猫の汗腺は肉球(足の裏)にしかなく、ウサギやネズミの仲間には汗腺がほとんどない
  • そのため放熱は主にパンティング(口を開けたハアハアという呼吸)による蒸発に頼っている
⚠️ 湿度が80%を超えると熱中症リスクが急上昇
見落とされがちなのが湿度です。呼吸による蒸発は、湿度が80%を超えるとほとんど効かなくなります。気温だけでなく湿度が高い日は、同じ室温でも熱中症のリスクが跳ね上がるのはこのためです。加えて、気温が体温近くまで上がると呼吸による体温調節そのものがうまくできなくなります。

しかも動物は「我慢強い」生きもの。自然界で弱った姿を見せると敵に狙われるため、体調の悪さを表に出しにくく、飼い主が気づいたときには重症化しているケースが少なくありません。
重度の熱中症は報告によっては死亡率が36〜46%に達し、その多くが発症から24時間以内に起こるとされています。だからこそ「起きてから対処」ではなく「起こさない環境づくり」が何より大切なのです。

夏に犬・猫が快適な室温・湿度の目安

結論から言うと、犬・猫が快適に過ごせる室内環境の目安は次のとおりです。

室温の目安: 25〜26℃
湿度の目安: 50〜60%

様々な論文をみると、室温や湿度に差があるものの上記の数値を示しているケースが見受けられました。

ポイントは、温度と湿度はセットで管理すること。室温を下げても湿度が高いままだと、ペットは体温をうまく逃がせません。梅雨明けや雨上がりの蒸し暑い日は、冷房だけでなく除湿(ドライ)も上手に使いましょう。

エアコンの設定温度は何℃にすべき?

ここで注意したいのが、「エアコンの設定温度」と「実際の室温」は同じではないという点です。

上記に挙げた室温は“ペットのいる場所の室温”の目安。日当たり、部屋の広さ、エアコンの位置や性能によって、設定温度と体感には差が出ます。床に近い場所で過ごすペットは、人が立って感じる温度より暑い空気にさらされていることもあります。

推奨する冷房設定温度の目安は「25〜26℃」
「熱中症ゼロへ」の調査でも、犬が室内にいるときのエアコン設定は25〜28℃にしている人が半数以上で、なかでも25℃が最も多いという結果でした。飼い主の多くが、やや低めに設定して安全側に振っていることがわかります。

ただし「25〜26℃なら絶対に安心」という単純な話ではありません。
次のような場合に適温が上下すると指摘しています。

  • 飼い主が在宅か留守中か:留守番中に分離不安で吠え続けるなど、在宅時と行動が違う場合
  • その子の状態:寝たきり・肥満・認知機能不全で徘徊や鳴き続けがあるなど

こうした要因で必要な設定温度は変わるため、最終的にはかかりつけの獣医師に相談して、その子に合った温度を決めるのが理想です。まずは「室温25℃・湿度50〜60%」を目標に、設定温度25〜26℃前後からスタートし、ペットの様子を見て微調整する。これが基本の考え方です。

🚨 暑いのサインを見逃さないで
パンティング(ハアハア)が激しい、よだれが増える、落ち着きがない、目や口の粘膜が赤い、ぐったりして動かない。これらは「暑い」「つらい」のサインです。設定温度を見直す合図と考えましょう。

熱中症になりやすいペットは、設定温度に特に注意

同じ部屋でも、暑さへの弱さには個体差があります。次のような特徴を持つ子は、より低め・より慎重な温度管理が必要です。

特徴・種類 暑さに弱い理由・注意点
短頭種
パグ、フレンチブルドッグ、ペルシャなど
気道が狭く、呼吸による放熱が非常に苦手です。
北方犬種
日本犬、シベリアンハスキーなど
毛が密で寒さに強い分、日本の暑さには適応しにくい構造です。
肥満気味の子 皮下脂肪が断熱材のように働き、体に熱がこもりやすくなります。
子犬・子猫 / 高齢の子 幼いと体温調節が未熟、高齢だと脱水傾向になりやすいためです。
小型犬・足の短い犬
チワワ、ミニチュアダックスなど
地面の照り返しや、床付近の熱気の影響をダイレクトに受けます。
持病のある子
心疾患、腎不全、呼吸器疾患など
脱水傾向になりやすく、少しの暑さでも重症化しやすい状態です。

該当する子と暮らしている場合は、室温を意識し、留守番も短めにするなどの配慮をしましょう。

留守番・就寝中の「エアコンつけっぱなし」と停電対策

「留守中もエアコンをつけておくべき?」という疑問には、夏場は基本的に“つけておく”が安全といえます。日中に室温が急上昇し、閉め切った室内が高温多湿になると、直射日光がなくても熱中症は起こります。実際、「熱中症ゼロへ」の調査で室内での発症が3割近くを占めていたことは前述のとおりです。

あわせて備えておきたいのが、落雷などによる突然の停電・エアコン停止への二重の対策です。

  • ペットが自分で涼しい場所を選べるよう、ひんやりマットを置く
  • 飲み水を複数箇所に、多めに用意する(器がひっくり返らない工夫も)
  • サーキュレーターや扇風機で空気を循環させる
  • 直射日光が長時間当たる場所にケージを置かない
🚗 車内の置き去りは数分でも厳禁
真夏の車内は数分でも急激に高温になります。どんなに短時間でも車内に置き去りにしない!これは徹底したい鉄則です。

電気代が心配な人へ「つけっぱなし」を賢く続けるには

つけっぱなしとなると気になるのが電気代です。ここには公的なデータがあります。

国立環境研究所が家庭CO2統計の個票を分析した研究(2024年)によると、「ペットのために冷暖房する」世帯は、しない世帯と比べて電力消費量が統計的に増加していました。夏季の全国分析では、ペットのために冷房する世帯で月平均電力消費量が押し上げられる傾向が確認されています。ペットのために冷房する世帯は全体の約12%と、決して珍しくありません。

つまり「ペットのための冷房で電気代が上がる」のは、データ上も裏づけられた事実。とはいえ、それは命を守るために必要な出費でもあります。負担をやわらげつつ快適さを保つには、次のような工夫が有効です。

  • サーキュレーター併用で冷気を部屋全体に行き渡らせ、設定温度を下げすぎない
  • 遮光カーテンやすだれで日射をカットし、室温上昇を抑える
  • フィルター清掃でエアコンの効率を保つ
  • 断熱・気密性能の高い住まいは、少ない冷房で快適な室温を保ちやすい

「冷やしすぎず、でも暑くさせない」。効率化の工夫で、ペットの安全と家計の両立を目指しましょう。

エネルギー高騰に負けない最新の節電対策

電気代が上がり続けるいま、「ペットのために使う冷房費」をいかに抑えるかは切実なテーマです。ここでは、初期投資と日々の運用の両面から、押さえておきたい節電対策を紹介します。

補助金を活用してエアコンを省エネ機種に替える

いま話題の「エアコン2027年問題」をご存じでしょうか。2027年4月から、省エネ・非化石転換法の「トップランナー制度」に基づく家庭用壁掛けエアコンの新しい省エネ基準(2027年度基準)が始まり、省エネ性能(APF)の基準が引き上げられます。
これにより、基準を満たしにくい低価格帯モデルが減り、本体価格の上昇や品薄が起こるのでは、と懸念されているものです。

ただし、資源エネルギー庁は「今使っているエアコンが使えなくなるわけではなく、買い替え義務もない。修理も部品保有期間内なら可能」と説明しています。SNSで広がった「2027年で今のエアコンが使えなくなる」という話は誤解なので、慌てて飛びつく必要はありません。

一方で、最新モデルは初期費用こそ高いものの、省エネ性能が大きく進んでいるのも事実です。資源エネルギー庁の試算では、2027年度基準を満たした製品にすると、6畳用(2.2kW)で年間約2,760円、14畳向け(4.0kW)で年間約12,600円の光熱費削減が期待できるとされています。夏じゅうつけっぱなしにするペット家庭ほど、この差は効いてきます。
そこで活用したいのが補助金制度です(2026年時点の代表例)。

  • 東京ゼロエミポイント(東京都):省エネ性能の高いエアコンへの買い替えで最大8万円の値引き。エアコン単体でも利用でき、購入時にその場で値引きされます。製造から15年以上たった機種からの買い替えや、65歳以上・障がい者の方はさらに手厚くなります
  • みらいエコ住宅2026事業(国):省エネリフォームへの補助。ただしエアコン単体は対象外で、断熱改修などの必須工事2種類以上とセットが条件です
  • 各自治体の省エネ家電買い替え補助:数千円〜数万円のキャッシュバックやポイント付与。エアコン単体でも使えることが多い反面、予算上限に達し次第終了するため、早めの行動が有利です

※補助金は内容・条件・期間が地域ごとに大きく異なります。購入前に、必ずお住まいの自治体や公的機関の公式サイトで最新情報を確認してください。

おすすめの省エネエアコン3選

ペットのために夏じゅう使うなら、本体選びも大切です。換気やニオイ対策を重視するならダイキン・パナソニック、抜け毛による内部汚れが気になるなら日立、といった選び方がしやすいでしょう。

各社のフラッグシップから3つを紹介します。Amazon・楽天・Yahooなどの通販サイトを活用することで、店頭よりも安く購入でき、ポイント獲得や補助金の対象にもなるため非常におすすめです。

ダイキン うるさらX(Rシリーズ)

1. ダイキン「うるさらX(Rシリーズ)」

換気・無給水加湿・除湿までこなす総合力が魅力。窓を開けにくい留守番中でも空気を入れ替えられ、トップクラスの省エネ性能で長時間運転のコストも抑えやすい、ペット家庭の“本命”

パナソニック エオリア Xシリーズ

2. パナソニック「エオリア Xシリーズ」

ナノイーXで菌やペット特有のニオイ対策をしながら空調。こちらも換気に対応し、清潔さと省エネを両立

三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ

3. 三菱電機「霧ヶ峰 Zシリーズ」

「ムーブアイ」赤外線センサーが部屋の温度分布やペットのいる場所を検知し、必要な場所を無駄なく冷やす。きめ細かな温度制御で電気代のムダを抑えたい人に

アプリ(スマートリモコン)で自動化・遠隔操作する

意外と知られていませんが、エアコンを「賢く」使う方法があります。
その主役が、スマホアプリと連携するスマートリモコンです。
特におすすめなのがSwitchBot(スイッチボット)です。赤外線リモコンのエアコンに対応し、次のようなことが可能になります。

  • 遠隔操作:外出先からスマホでエアコンをON/OFF。「うっかり消して出てしまった」ときも安心
  • 温湿度の見える化:室温・湿度をスマホでいつでも確認。異常値でアラート通知も
  • 自動化(オートメーション):「室温28℃を超えたら自動で冷房ON」「26℃を下回ったらOFF」といった条件運転ができ、“必要なときだけ”動かすことで無駄な電力をカット

つまり、真夏でも「完全なつけっぱなし」ではなく「暑くなったら自動でつく」運用に切り替えられるため、ペットの安全と節電を同時に叶えられます。

🔌 停電時の注意点
SwitchBotのハブは停電後に自動で再起動しWi-Fiへ再接続しますが、エアコン本体は停電後に電源が切れたままになる機種が多く、自動で復旧するかは機種によります。温湿度連動の自動化を設定しておくと、復電後に室温が上がった時点で「冷房ON」の指示が送られるため、より安心です。

商品はこれらを組み合わせればOK

SwitchBotは単体でも使えますが、組み合わせることで“留守番中もペットが安心して過ごせる部屋”が完成します。

SwitchBot ハブ2

SwitchBot ハブ2

【司令塔+温湿度計】温湿度センサー内蔵で、これ1台でエアコンの遠隔操作+自動化が完結する必須の親機。

SwitchBot 温湿度計プラス

SwitchBot 温湿度計プラス

【ケージ周りの管理】マグネットでスチール製ケージにも設置可。ペットのいる場所の温湿度をピンポイントで把握。

SwitchBot 見守りカメラ

SwitchBot 見守りカメラ

【留守中の見守り】スマホでペットの様子をリアルタイム確認。暑がっていないかを目視でチェックできます。

SwitchBot サーキュレーター

SwitchBot サーキュレーター

【冷気の循環】エアコンと連携し部屋の温度ムラを解消。設定温度を下げすぎずに済み節電にも効果的です。

まずはハブ2とペットカメラから始めれば大丈夫です。「暑くなったら自動で涼しく、様子はスマホで確認」この仕組みがあるだけで、外出時の安心感は大きく変わります。

そして、更におすすめなのがAmazon Echoとセンサーの組み合わせです。
スマホも使わず声だけで操作ができちゃいます。例えば、「アレクサ、エアコンつけて」というだけでエアコンがつけられたり、電気も消してくれます。センサーは動きを検知して操作をすることもできるので、これらを組み合わせることでペットだけではなく、飼い主の暮らしもより快適になります。

人とペット、両方が快適な室温を目指す

見落とされがちですが、快適な温度は人とペットで必ずしも一致しません。空気調和・衛生工学会の論文(2021年)でも、ペットと暮らす世帯では「省エネ」と「ペット・人の双方の熱的快適性」を両立させる室内環境の整備が必要だと指摘されています。

家族の一員であるペットのために、そして自分自身のためにも、「なんとなく」ではなく根拠のある温度・湿度管理を意識してみてください。

もしも熱中症になってしまったら【応急処置】

予防が最優先ですが、いざというときの応急処置も知っておきましょう。病院に行くまでの対応は次のとおりです。

  1. 涼しい場所で休ませる
  2. 意識があり自力で飲めるなら水を飲ませる
  3. 体を冷やす。22〜28℃の水をかける / 首・脇・内股(太い血管のある場所)を冷たい水で冷やす / 風を送る
  4. 動物病院へ連絡してから搬送する(事前に連絡し、体を冷やしてから運ぶほうが救命率が高いというデータがあります)

散歩後のハアハアが帰宅後も止まらない、暑い部屋に長時間いて元気がない——そんなときは、迷わず動物病院を受診してください。「大事に至らなくてよかった」で終わるのがいちばんです。

まとめ

大切な家族が、今年の夏も元気に過ごせますように。設定温度を見直すなら、今日がそのタイミングです。愛犬、愛猫のために快適な環境づくりをしてください。

執筆:equall編集部

参考・出典

  • 環境省「令和元年度熱中症対策シンポジウム」井上動物病院 井上快 獣医師『ペットの熱中症と対策』
  • 日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクト『飼い主に聞いた「愛犬の熱中症」に関する調査』(獣医師・弓削田直子先生ワンポイントアドバイスを含む/2019年調査)
  • 国立環境研究所 ディスカッションペーパー No.2024-01『ペットが家庭のエネルギー消費に与える影響の分析』(2024年)
  • 空気調和・衛生工学会 論文集 No.288(2021年)『コンパニオンアニマルの熱的快適性に関する研究』

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