猫用フードのカルシウム・リン・ナトリウム表示をどう見る?国内34製品の調査から

猫用フードのパッケージを見ても、カルシウムやリン、ナトリウムの量が分からず、選び方に迷うことがあります。2026年に公表された国内の調査では、市販の猫用フード34製品を分析したところ、成分表示がない製品や、カルシウムとリンの比が低い製品が一部にありました。

ただし、この研究は日本で売られているすべてのフードを評価したものではありません。特定の商品が猫に合う・合わない、病気を予防できると示した研究でもありません。この記事では、研究で確認された範囲と、購入時に確認できることを分けて紹介します。

この記事の要点
  • 研究では、市販の猫用フード34製品のカルシウム・リン・ナトリウムを分析した
  • 総合栄養食の一部で、カルシウム/リン比が1以下の製品が確認された
  • 調査対象のウェット総合栄養食12製品では、3成分のパッケージ表示がなかった
  • 商品選びでは、まず「総合栄養食」か「間食」かを分けて確認する

研究で分かったこと

五木田紅葉さんらの研究グループは、2024年10月時点で国内で購入できた猫用フード34製品を分析しました。内訳は、ドライの総合栄養食12製品、ウェットの総合栄養食12製品、ウェットの間食10製品です。カルシウム、リン、ナトリウムを測定し、カルシウム/リン比も比較しました。

対象 製品数 研究で行ったこと
ドライ総合栄養食 12 3成分の分析と表示との比較
ウェット総合栄養食 12 3成分の分析と比率の比較
ウェット間食 10 総合栄養食との比較

総合栄養食のドライとウェットを比べたところ、カルシウム、リン、ナトリウム、カルシウム/リン比に統計学的な有意差は確認されませんでした。一方、カルシウム/リン比が1以下の総合栄養食は、ドライで12製品中3製品、ウェットで12製品中5製品ありました。研究では、カルシウム/リン比についてFEDIAFの基準を参照して評価しています。

また、調査対象のドライ総合栄養食ではカルシウムとリンは全製品に表示がありましたが、ナトリウムの表示は12製品中7製品でした。ウェット総合栄養食は、3成分とも調査対象の全製品でパッケージ表示がありませんでした。

この結果だけで、フードの良し悪しは決められない

カルシウム、リン、ナトリウムは猫の体に必要な栄養素です。研究で測定された値や比率だけで、個別の商品が安全ではない、猫の病気につながる、と判断することはできません。

研究結果と日常の選択は分けて考える

この研究は製品の成分を調べた市場調査です。猫がそのフードを食べ続けた場合の健康影響や、特定製品の優劣を直接比較した研究ではありません。

成分表示がない場合、飼い主がパッケージだけからカルシウム/リン比を確認することは困難です。だからといって、表示がないことだけを理由に自己判断で食事を大きく変更する必要はありません。とくに腎臓病、尿路の病気などで食事管理を受けている猫は、療法食や食事を変える前に担当の獣医師へ確認してください。

購入前に確認したい3つのこと

01|主食か、おやつか
毎日の主食として与えるものは、「総合栄養食」の表示を確認します。間食は総合栄養食とは目的が異なります。
02|対象年齢と給与方法
子猫、成猫、高齢猫など、表示されている対象と給与量を確認します。複数のフードやおやつを組み合わせる場合は、全体の量も見直します。
03|治療中・食事管理中か
病気の診断を受けている場合や療法食を使っている場合は、一般食への変更や併用を自己判断で進めず、獣医師に相談します。

ラベルで確認できる情報には限りがあります。気になる成分がある場合は、メーカーに栄養情報の公開状況を問い合わせることも選択肢になります。

研究の限界

この調査は34製品を対象に、購入時点の成分を測定したものです。市場にあるすべての猫用フードを網羅しておらず、製品名も示されていません。ロットや製品の変更による違い、長期摂取時の健康影響も、この研究だけでは分かりません。

それでも、栄養成分の表示状況と、総合栄養食・間食の違いを確認する必要性を考える材料にはなります。猫の年齢、健康状態、普段の食事全体を踏まえて、気になる点は獣医師やメーカーに確認しましょう。

参考文献

五木田紅葉・小田民美・森昭博(2026)「日本で流通しているキャットフードのカルシウム、リン、ナトリウム含有量の調査」『ペット栄養学会誌』29巻1号、23-30頁

執筆:equallLIFE編集部

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